第10回放送【アズマ・キクガについて】
ユフィーリア「さて、今回も始まりました。ラジオ☆みらくるヴァラールのお時間です。司会者はヴァラール魔法学院を創立当初から騒がせる問題児、ユフィーリア・エイクトベルと」
エドワード「エドワード・ヴォルスラムでお送りしまぁす」
ユフィーリア「このラジオでは『ヴァラール魔法学院の今日の事件!!』に登場する人物の裏設定や本編では語られない秘密情報、さらに当初の設定まで大暴露しちゃうぞ」
エドワード「メタ的な発言が苦手な方は要注意だよぉ」
ユフィーリア「そして何と、このラジオにはAIイラストが使用されております。『苦手だな』と思う人や『ちょっとイメージと違うかも』なんて言う良い子の視聴者の皆様は、今すぐラジオを消してお布団に潜ろうな」
エドワード「ところでぇ、ユーリぃ」
ユフィーリア「何だよ、エド」
エドワード「どうしてヒロイン枠のショウちゃんじゃなくて俺ちゃんなのぉ?」
ユフィーリア「知ってるか、エド。作者は漫才のような掛け合いがお望みだ」
エドワード「つまりぃ?」
ユフィーリア「本編でも変わらず漫才ノリなアタシらが最適なんだよ」
エドワード「何だかよく分かんないけどぉ、まあいいよぉ」
ユフィーリア「このラジオはヴァラール魔法学院、冥府、ビーストウッズ王国、アーリフ連合国、その他のスポンサーの提供でお送りしております」
エドワード「実際にはユーリがふんだくりましたぁ」
ユフィーリア「言うんじゃねえ」
ユフィーリア「皆さんこんばんは、ラジオ☆みらくるヴァラールのお時間です」
エドワード「今夜のゲストさんは特別な人だよぉ。お忙しいところなのにわざわざ俺ちゃんたちのラジオに来てくれたんだよぉ、ありがたいねぇ」
ユフィーリア「こんな場末の酒場で駄弁っているような雰囲気しかねえのにな、ありがたい限りだよ」
エドワード「あ、申し遅れましたぁ。進行役はお馴染みなエドワード・ヴォルスラムとぉ」
ユフィーリア「ユフィーリア・エイクトベルでお送りします」
エドワード「場末の酒場って言い得て妙だよねぇ」
ユフィーリア「そうだろ?」
エドワード「さてぇ、本日のゲストはこの方でぇす」
キクガ「視聴者の皆さん、こんばんは。冥王第一補佐官のアズマ・キクガな訳だが」
ユフィーリア「世界で誰よりお父様、息子に関わる人物はみんな我が子カウントしちゃうド天然有能第一補佐官様のアズマ・キクガさんです」
エドワード「その紹介の仕方だとぉ、何か俺ちゃんもショウちゃんの兄弟カウントされてなぁい?」
キクガ「もしかしなくてもそうだが?」
ユフィーリア「エドはヴォルスラムさん家の長男君だから、アズマさん家の子供ではないんスよ」
キクガ「息子の兄ではないのかね……?」
エドワード「先輩だという認識だったつもりだったんだけどぉ」
ユフィーリア「さてキリがないからタイトルコール行くぞ」
第10回放送『アズマ・キクガについて』!!
ユフィーリア「今回は親父さんを丸裸にしていきたいと思うけど、覚悟はいいか?」
キクガ「ふむ、見られてもいいように鍛えている訳ではないのだがそれでもいいかね?」
ユフィーリア「何で3連続で服を脱ごうとか脱がそうとかいう発想に至るんだ?」
キクガ「その3連続というのは、あれかね。前回の血塗れ淑女も同じようなことを言ったと?」
エドワード「俺ちゃんを見て『脱ぐよりも脱がす派』と言われましたぁ」
キクガ「貞操は無事かね?」
ユフィーリア「気にするところはそこ?」
エドワード「無事だよぉ」
キクガ「あの変態はエドワード君のような筋骨隆々とした男性を従わせることが快感のようだからな」
ユフィーリア「エドと会わせないようにするかな」
エドワード「心配しないでもぉ、ショウちゃんとかハルちゃんとかと一緒に行動してるから平気だよぉ」
キクガ「油断するのはいけない。奴に関わると尻を開発されるぞ」
エドワード「やべえ」
ユフィーリア「えー、色々とお話が弾みますがここでキクガさんの情報を大公開だ。ドドンとな」
アズマ・キクガ
年齢:40歳
職業:冥府総督府 冥王裁判課課長 冥王第一補佐官
趣味:読書、詰将棋、呉服屋巡り
特技:速読・速記、書道、華道、茶道、珠算・簿記
特記事項:全てに於いて息子と妻が大切、家族が何よりも大切な冷静沈着・生真面目・たまに天然なお父さん
ユフィーリア「特技の欄が凄いな」
エドワード「色々と得意なんだねぇ」
キクガ「実家が裕福……裕福と言っていいのだろうか、あれは」
ユフィーリア「まあ、ちゃんとした教育を施してもらっていたってことでいいんじゃねえか?」
エドワード「珠算とか簿記ってぇ、要するにお金の計算とか帳簿の管理でめちゃくちゃ便利な奴だよねぇ?」
キクガ「そうとも。財政の管理もしているもので、役に立っている。ただ税の知識は冥府ではあまり必要になくなった訳だが」
ユフィーリア「地上に行ったら重宝されそう」
キクガ「元より数字には強い訳だが」
エドワード「同じお父さんなのに八雲のお爺ちゃんより尊敬できるのは何だろう……」
キクガ「ご自分のお父様は?」
エドワード「まあ、尊敬はしていたけどぉ」
キクガ「そうかね」
ユフィーリア「何で頷くんだよ」
キクガ「エドワード君のお父様、アッシュ・ヴォルスラムは冥府の現場監督を担ってもらっている。多数の獄卒を束ねる有能な人だ」
エドワード「父さん何してんだ」
キクガ「仕事が早いから助かっている訳だが」
エドワード「父さんがいるってことは母さんやアンドレとエリザベスもいるよねぇ……」
ユフィーリア「そりゃいるだろうな」
キクガ「とてもいい子たちな訳だが。たまに冥府にも遊びに来てくれる」
エドワード「ごめん、頭抱えていい?」
ユフィーリア「却下」
エドワード「ダメかぁ……」
ユフィーリア「さて、前身の紹介とついでに親父さんの奥さんについて触れておこうかな」
キクガ「サユリの話題かね?」
ユフィーリア「まずは初期設定。初期からショウ坊の父ちゃんだったんだろ?」
キクガ「そうだが」
ユフィーリア「その時の性格は随分な息子馬鹿というか、子煩悩というか、そんな性格だったな」
エドワード「あれ、今と変わんないねぇ」
キクガ「そんなことないよ!! お父さんはショウきゅんのことが1番心配なんだ!!」
エドワード「どうしたのぉ!?」
ユフィーリア「何か変なもんでも食ったか?」
キクガ「初期設定の口調を再現してみたのだが、どうやら不評のようだ」
ユフィーリア「あ、ああ、そんな喋り方だったんだな」
キクガ「おかげで息子には毛嫌いされた訳だが」
エドワード「俺ちゃんも距離を置くかもしれない」
ユフィーリア「やっぱりその落ち着いた喋り方の方がいいよ」
キクガ「そうかね」
エドワード「放送作家の方も学院長と書き分けが出来るから嬉しいんだってさぁ」
ユフィーリア「そっちの方がまあ個性があるよな。落ち着きがあるから」
キクガ「まあ、君たちがそう言うのであれば無理をして変える必要もない訳だが」
エドワード「それでぇ、前身もやっぱりショウちゃんのお父さんだったんでしょぉ?」
ユフィーリア「だけど4歳の時に故郷を追われ、生死の境を彷徨うことになってな」
キクガ「故郷を支配するのが特殊な化物だったのだが、その化け物の依代に妻が使われるという悲惨な過去があった訳だが。妻を殺害された恨みで化け物に対抗するも、殺されそうになってユフィーリア君のお師匠様に助けられた」
エドワード「いたっけ?」
ユフィーリア「前身では」
キクガ「まあ今作では交通事故で死んでしまったが、再びショウと巡り会うことが出来てよかった訳だが。もう会えないかと思っていた」
ユフィーリア「お袋さんの方は病弱だったんだっけ?」
キクガ「そうとも。サユリは病弱なくせにプロレス観戦が趣味でな、私も詳しくなってしまった訳だが」
エドワード「だからよく冥王様にプロレス技をかけているんだねぇ」
キクガ「実験台だからな」
ユフィーリア「それでよくショウ坊を産んだな」
キクガ「リスクがあると何度も説明したのだが、それでもサユリは子をほしがっていた訳だが。子を産むと母胎を危険に晒すと医者も私も説明したのだが、がんとして首を横に振らなかった。意地でも『私とキクガさんの子供がほしい』と言ってくれた訳だが」
エドワード「おかげで俺ちゃんもユーリもショウちゃんに会えたからぁ、サユリさんには感謝だよぉ」
ユフィーリア「そうだな。命を賭してショウ坊を産んでくれたことに感謝と敬意を払う」
キクガ「あとで聞いてみたら、サユリは『私が死んでも我が子がいれば私のことを忘れないでしょう?』と言っていた。そんなことをせずとも私はサユリのことを忘れないのにな」
エドワード「鼻水出てきた」
ユフィーリア「目から鼻水は出ねえのよ」
キクガ「おやしんみりしてしまった。では私の武勇伝を1つ披露しようではないか。ぜひ『何してんだ親父さん』というツッコミを期待している」
ユフィーリア「何するつもりだ」
エドワード「せっかくいい雰囲気だったのにぃ」
キクガ「昔、母親のエゴでピアノを習わされていた訳だが。私の母は今で言うところの教育に熱心な母親で、私に塾やピアノなどの稽古ごとをやらせていた」
ユフィーリア「ありそう」
キクガ「中でもピアノに専念していた訳だが。指が痛かろうが体調が悪かろうがピアノを弾かせてな、さすがの私もクラシックが嫌いになったほどだ」
エドワード「ええー、やだぁそんなお母さん」
キクガ「だから母が嫁入り道具として持ち込んだグランドピアノの弦を全て断ち切って使い物にならなくしてから灯油を撒いて燃やした。あの時の発狂する母親の表情が今でも忘れられん。あの時以上の快感はないな」
ユフィーリア「何してんだ親父さん!?」
エドワード「さっきまでの感動を返して」
キクガ「気に入らなかったかね? では家の窓ガラスを叩き割って回った15の夜……」
ユフィーリア「止めようこの話!!」
エドワード「ユーリぃ、次の話!!」
ユフィーリア「よしじゃあ追加情報だ!!」
好きな食べ物:天ぷら、妻の手料理、きんぴらごぼう
苦手な食べ物:トリュフ、キャビア
性癖:特にない
行ってみたい場所:ヴァラール魔法学院で息子の元気な姿を見たい
家族構成:妻、息子
密かな自慢:身長191センチであること
最近の悩み:同僚の魔法使いが刑場をたびたび吹き飛ばす
これだけは許せない嫌いなもの:息子を害する全てのもの
ユフィーリア「天ぷらが好きなのは分かってたけど、きんぴらも好きなんだな」
キクガ「あの甘辛い味と歯応えが好きで」
エドワード「逆にトリュフとキャビアが苦手ってねぇ」
キクガ「家の事情で食べる機会があってだな。癖のある味が、その、あまり好ましいものではなくて」
エドワード「まあ、あんまり食べられるものじゃないしねぇ」
ユフィーリア「高いからな、あれらの食材って」
キクガ「この世界に来てから食べる機会が極端に減ったので嬉しい」
エドワード「あとそんなにほっそいのに身長が190を超えてるんだねぇ」
キクガ「お陰様で」
ユフィーリア「身長を伸ばすコツみたいなものってあったか?」
キクガ「特にやっていることはない訳だが。ただ食事はきちんと摂り、睡眠も取った。あとは体質的な問題ではないかね?」
ユフィーリア「へえ、凄えなそれで伸びるって」
エドワード「でももう少しぐらいお肉をつけないと骨が折れるよぉ」
キクガ「骨を折ることは得意なのだが」
ユフィーリア「それを得意にしちゃアカンだろ」
エドワード「前職の影響か」
ユフィーリア「あ、家族構成が今までと違うな」
エドワード「今までは自分の父親と母親、それからご兄弟ぐらいだものねぇ」
キクガ「両親は尊敬していない。私の家族は妻と息子、それからユフィーリア君と用務員の全員と」
ユフィーリア「徐々に勢力を広げんでもろて」
エドワード「何で息子と関わる連中は皆家族なのぉ」
キクガ「違うのかね?」
ユフィーリア「曇りなき眼で見てくるんじゃねえ」
エドワード「ユーリぃ、そういえばお写真が届いたよぉ」
ユフィーリア「お、じゃあ見ていくか。3枚もあるな」
エドワード「じゃあ最初の1枚目」
ユフィーリア「お、仕事用の」
キクガ「顔が見えなくなるから仮面はしないでほしいと言われてしまった訳だが」
ユフィーリア「こうして見るとやっぱり似てるな」
エドワード「さすがだねぇ」
キクガ「ショウ坊は可愛いんだけど、親父さんはどっちかと言えば美人だよな」
エドワード「でもこの絵は視線が冷たくてゾクゾクしちゃう」
ユフィーリア「おいドM」
キクガ「睨むようにと言われてしまった訳だが」
ユフィーリア「なるほど?」
エドワード「じゃあ2枚目ぇ」
ユフィーリア「普段、有給休暇で着てる着物じゃねえか」
キクガ「もう少しいい着物を着たかったのだが、これが私らしいと言われてしまってな」
エドワード「でも綺麗だねぇ」
ユフィーリア「あれ、じゃあ3枚目は?」
キクガ「見てからのお楽しみな訳だが」
エドワード「じゃあご開帳」
ユフィーリア「何してんだ親父さん!?」
エドワード「何で東洋ドレスを着ちゃったのぉ!!」
キクガ「息子も着ていた、だから私も似合うはずだ。その理屈な訳だが」
ユフィーリア「恥はどこに置いてきた!?」
エドワード「確かに似合うけども!!」
キクガ「大成功、ぶいぶい」
エドワード「ねえ、本当に40歳なのぉ?」
ユフィーリア「20歳ぐらいじゃないのか?」
キクガ「それだとショウは私が5歳の時に生まれた子供ということになる訳だが」
ユフィーリア「それでも25歳の時の子供かよ……」
キクガ「サユリが27歳で年上だった訳だが」
エドワード「俺ちゃんよりも年上ってのが考えられないよぉ」
キクガ「君たちは年齢不詳ではないか」
ユフィーリア「親父さんもそのうち年齢なんて考えられなくなるから」
エドワード「そうだよぉ、自分の年齢は覚えておきなねぇ」
キクガ「怖いな……」
ユフィーリア「さて、今日もお時間がやってまいりました。今日のところはここまでです」
エドワード「次回の放送もぜひ聞いてねぇ」
ユフィーリア「ではまた次回まで。おやすみなさーい」
エドワード「おやすみなさぁい」
キクガ「おやすみなさい」
次回の放送は3月14日になります!
話題は八雲夕凪さんです!
ユフィーリア「そういや次回はホワイトデーか」
エドワード「ハルちゃんどうするんだろ」
キクガ「私も女性職員にもらってしまったな。何かお返しをしなければ……」