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僕は幸せになるために復讐したい!  作者: 雨夜澪良
二章 毒華の王冠
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プロローグ

 王太子になった王女がいた。

 エルフの里の王女。

 エルフの里には王女の他に五人の兄妹がいた。

 王太子になった王女の位は第二。

 兄妹の中で誰よりも優しく、気高い、と誰もが褒めそやした。 

 里の誰もが虜になり、その意志を尊いものだと慈しんだ。王女もそれに応えようといっそう励んだ。たとえそれが孤独の道を進むと分かっていても。

 理解者がいなかったわけではない。それでも真に理解してくれる人はいない。王はいつだって孤独。それが王だから。

 それに不満はなかった。それが当然だと思っていたから。

 たとえ、誰かの()()()()()としてもその思いは変わることはなかった。

 このまま歩くと思っていた栄光の道。

 しかし、その道は思っていた以上に脆いものだったらしい。


 不満に思う者がいた。


 十五歳の誕生日。


 背後からの刺客によって、歩んできた道は崩された。

 走って、走って、走り続けて、もがき、逃げ続けた。

 自分なら、立ち直れると信じていた。

 全てを取り戻せると疑わなかった。

 でも――できなかった。

 優しさが仇となった。優しい王女は新たな命を見捨てることができなかった。

 たとえ、誰にも望まれない子であったとしても。みんなを裏切ることになろうとも、戻れないと分かっていても王女は見捨てることができなかった。


 この日、王女は王になる資格を失った。


 王女は憎悪を飲み込んだ。

 だが、それは消化されず、蓄積された。

 積み重なった憎悪は、さらなる憎しみを生み、毒の華を芽吹かせた。


 だから、踊りましょう。

 楽しく、可笑しく、祝いましょう。

 仮面をつけて、祝祭の火を灯しましょう。

 喜びも、絶望も、すべて踊りに変えて。


 ――血の涙が、枯れるその日まで。

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