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虫食べる系配信者が退廃未来へタイムスリップ!〜魔物化したゲテモノを食べて超絶バフで生き延びる〜  作者: フーツラ
第一章 無人島にて

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8/60

文明

 がっ、しかし! シリアスな雰囲気ってのは一晩寝たら消え失せてしまうものだ。そうじゃないと配信者なんてやってられないからな! 自分の不幸を最大限に切り売りしてこそ、本物よ!


「とっ、言うわけで皆様、本日はこの世界の正体についてお伝えします! パチパチパチパチ!」


 古びた建造物の屋上。ギリギリ形を残した石造りのテーブルにアクションカメラを置き、今日の配信を開始した。


 コメント:おおおお! しぶとく生きてた!

 コメント:配信しないから心配したよ!もう!!

 コメント:ルーメンさあああああんん!

 コメント:よかったわ。無事で

 コメント:何回刺されたん?

 コメント:スズメバチどうなったの?


 ふむ。どうやら視聴者は先ず昨日のスズメバチのことが気になっているらしい。まぁ、そんなことだろうと思った! もちろん準備しているぜ!


「はい、ドンッ!」


 画角の外に置いていたデカバチの死骸を勢いよくカメラに寄せる。そのデカさに視聴者は恐れ慄き、コメントは加速した。


「まぁ、食べるけどな。今日はじっくり石焼きにするぜ!」


 アクションカメラをネックマウントに取り付け、俺視点を提供。事前に組んだカマドには既に火が入っており、苦労して探した薄く平べったい石を熱している。


 そろそろいい温度だろう。


 デカバチを石の上に置くと、穴の空いた胸部がジュッ! と音を立てて煙が出る。さっそく香ばしい。


 昆虫食同好の士が集まると、最も美味い虫について議論になるのは常だ。その中でもいつもランキングの上位に上がってくるのは、スズメバチの素揚げである。


 カリッとした外側と、ジューシーな腹。噛み締めると非常にまろやかでミルキー。そんなもんだから、スズメバチにはファンが多い。蜂の巣駆除業者の実に8割が、その味に惹かれて転職したという話もある。


 今日は素揚げではないが、石焼きでもきっと美味いはず。じっくり焼くことによって旨味も増すだろう。


 さて、デカバチを焼いている間に今日の配信の本題だ。


 俺は首元にカメラをつけたまま、石階段を降りる。そして岩の壁に取り付けられた金属の扉の前に来た。


「さぁ、この扉の向こうに何があるのでしょーか?」


 コメント:おおおお! 文明のかほりがするぞ!

 コメント:金属の扉……原始時代説は破れたな

 コメント:つまり、異世界?

 コメント:いや、未来じゃね?

 コメント:おいおい、平行世界もあるでよ

 コメント:早く扉を開けろよ!!


 ふん。せっかちな奴らだ。だが、期待に応えよう。俺は扉の丸い輪っかを持って思い切り引っ張る。ギギギと軋むが抵抗はそれ程でもない。一度開いているし。


 扉の向こうにだだっ広い部屋がある。中には本当に何もない。あるのは浴槽を思わせるような大きな石の箱だけだ。


 コメント:えっ、何もねーじゃん

 コメント:うん? これお風呂? 銭湯?

 コメント:この部屋でドヤッたの? ルーメン

 コメント:お、拠点にちょうどいいじゃん

 コメント:生活できる!

 コメント:それ、イージーモード過ぎない?


 最後の奴、余計なこと言うなよ! 夜は安全なところでしっかり寝たいんだよ!! 馬鹿!!


 ──はぁはぁ。さて、気を取り直そう。


 俺は一歩部屋の中に入ってカメラをグルリと回し、一番大きは壁面で止めた。その壁には彫刻が施されている。さぁ、お前達にはどう見える?


 コメント:これって……

 コメント:えっ、どゆこと? そうなの?

 コメント:まじかぁ。つまり、ここは、日本。

 コメント:嘘だァァァァ!異世界だって言ってくれええ

 コメント:ノーエルフでフィニッシュです!

 コメント:ちょっとお腹痛くなってきた。


 俺には壁の彫刻がこう見えた。日本最高峰の山、富士山。そしてその山頂からは煙のようなものが彫られているのだった……。

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