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「好きだから追放する」と、同性の勇者から言われました。ボクは全力で逃げます!  作者: 椎名 富比路
第五章 男の娘ニンジャ、魔王に求婚される!?

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シュータ新生へ

 王様に呼ばれて、ボクたちも保護された貴族と対面することに。ダンセイニ卿しか呼ばれていないのだが、卿が「警護のため」とボクたちも入れてくれた。


 邪神を召喚するのに、メリットはあっただろう。

 けれど、彼は私利私欲のために動いているだけ。


 ドラゴンや邪神ほどの強力な存在が、ただの人間に手を貸すとも考えにくい。人間をどうにかする範囲でしか動いていなかった。


「エチスン卿が偽物だとすると、もっと強力なバックがいる気がする」


 イヤな考えが、ボクの中によぎった。



 魔王軍の中に、裏切り者が?



 ボクは、王城の執務室で、男性と対面する。


 話に聞いていた人物像に対して、穏やかな雰囲気を感じた。怪しい人だとは思えない。暴れたり妙な動きもしないので、手錠などもしていなかった。


「あなたの名前は?」


 ボクは、貴族に声をかける。


「エチスンです。ヨートゥンヴァインの領地を、ダンセイニ伯爵と守ろうとしていました」


 たしかに、ボクが写真で見た人物と同じ容姿だ。しかし、まるまると太っていたらしい肉体は見る影もない。頬がコケて、全体的にゲッソリとしている。


「ですが、あなたは街を破壊しようとした。利権をふるい、街を食い物にした」

「それはワタシじゃない!」


 唇を噛み締めながら、本物のエチスン卿がテーブルを両腕で叩く。


「ワタシはずっとあそこに幽閉されていたんだ! 今、エチスンを名乗っているのは偽物です!」

「あなたの悔しさはわかります。経緯を話してください」


 ダンセイニ卿が、エチスンさんを落ち着かせた。


 エチスン卿によると、ゲーアノートと接触した直後、眠らされたらしい。気がつくと、座敷牢に入れられていたという。他の村人からは隔離され、孤独に閉じ込められていたらしい。


「あのとき、アタシが宮殿を壊さなかったら、一生出てこられないところだったのか」


 ルティアでも、エチスン卿の監禁場所を見つけ出せなかった。


「どうして、あなたは生きていられたので?」

「彼が変装するには、ワタシの生体反応が必要でした。ワタシが死ぬと、変身能力が使えないのだとか」


 正確な変装をするには制約も厳しい、とその魔族は言っていたらしい。


「何者です。その相手とは?」

「たしか、【マンモン】と名乗っていました」


 ボクは、頭の中でその名を反芻する。


 マンモンとは……ボクやホルストが倒そうとしている魔王【モロック】の配下だ。といっても、対立しているらしいけれど。


 自分のしたことを後悔しているのだろう。エチスンさんは頭を抱える。


「申し訳ありません! 保身のために、ワタシは悪党に協力を!」

「あなたは脅されていた。このダンセイニも同じ目に遭わされていたら、どうなっていたか」


 エチスン卿は、貴族の地位を国に返上するという。屋敷の金も、街のために使ってくれと。


 本当は、紳士なのだろう。


「偽物の居場所はわかりますか? 情報があるはずですが」

「いえ。お役に立てませんで」


 首を振りながら、エチスン卿は申し訳なさそうに告げる。


 とにかく、本物を救えてよかった。


「偽エチスン卿の居場所は、結局わからずじまいか」


 護衛は情報を知らされていないだろう。


「問題ない」


 キュアノは、ゲーアノートが持っていた宝石の一つを手に持っていた。


「ここにデータがある。ギルドに頼んで照合すればいい」


 ボクたちは冒険者ギルドに趣き、ゲーアノートのデータを調査をしてもらう。


「キュアノ、ひょっとしてゲーアノートを殴ったのは?」

「情報を、手に入れるため」


 ただ怒りに任せて、ブン殴ったわけじゃなかった。記憶・記録媒体が体内のどこかに必ずあるはずだと、目星をつけていたのである。

 さすがキュアノだ。


『でも、どうやって判断したのです』

「そこは適当」


 とりあえず、頭部のあたりじゃないかなーと、考えていたらしい。この辺はやはりキュアノである。 


「でも、これさえあれば、エチスン卿、じゃなかった。マンモンが全部の黒幕だって証明できるね!」


 ギルドによると、分析は数日かかるという。


 あとはギルドの報告を待つばかり。


「考え過ぎはよくない。余計な情報まで頭に入ってきて、悩まなくてもいいことで悩んでしまう」

「それもそうだね。ギルドに全部おまかせしよう」


 たしか、気になっていたことがあったんだっけ。


「ちょっと待って。ダンセイニ卿、何か、小さくて丈夫なものはありませんか?」

「缶詰に使う金属くらいしか、ございませんぞ。それでよかったら」

「それだ!」


 ボクは、缶詰の材料となる鉄をもらって、ダンセイニ卿から鍛冶屋さんを紹介してもらう。ドワーフの鍛冶屋さんだ。


「ほお、ヘルマのお知り合いかね? どういったご用件で?」


 ヘルマさんの名前を出すと、ドワーフの防具屋さんは急なお願いにも対処してくれた。


「すいません、ミニチュアサイズの全身ヨロイを作ってくれませんか?」


 ボクは、イメージイラストを防具屋さんに見せる。

 ヨロイの大きさは、成人男性の上腕くらいだ。これなら、ルティアの肩に乗ることだって可能である。

 お腹の部分が太っているように描いているのは、そこにシュータを搭載するため。


「おう、お安い御用さ」


 後はドワーフさんにおまかせだ。


 お屋敷に戻る。

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