コンチクショウ!
ここまで読んで下さり有り難うございます。
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次回は6月2日(水)です。
今月は
水土─22:00
日──14:00
投稿です。
ぺーぺーなので手動投稿しています。
表示時間には投稿済みです。
「エリザベート嬢。
わたくしと踊ってくださいませんか?」
えっ?
えっ??
えっ???
オクダタエコは突然の事態にアタマコンランしてる。
今しがたまで自分のアパートでコウサカジンをオムライスでもてなし、食後のコーヒーとケーキを楽しんでいたはずが……。
なぜか今目の前に金髪外人の18歳くらいの貴公子が立ち、手を差しのべ爽やかな笑顔と共にわたしを誘っている
「よろこんで」
わたしの口は勝手に動き、貴公子の手に手を添える
─腕っ!細!
わたしは思わず自分の体を見る。
純白の刺繍とレースがふんだんに施されたドレス。
ほんわか膨らいだ胸。
細い腰。
そしてスカートを華やかに埋め尽くす造花の白い薔薇。
─白薔薇姫みたい
─えっ?ということはここは学園?
さっきエリザベートと呼ばれた
──小説【悪役令嬢エリザベート】の世界!!──
て事はこの目の前の美しき貴公子はもしかして、王太子殿下!
─んなわけあるか!夢よ夢!これはただの夢だわ!
て事は……コウサカジンとのあの告白からやり直しのキス。そして『抱きたいなら旅行へ連れて行け』と宣ったこと……。
─其れも全部夢かもしれない……。
そうだよね……うまく行き過ぎたよ。あんな事有るわけない。わたしモテナイウダツノアガラナイオクダタエコだもの。
─全部幻だったんだ
何だか悲しくて涙が出そうになった。
ようやく愛を知ったのに……全部夢だなんて
───残酷すぎる───
わたしは貴公子に導かれ、フロアの中央で止まった。
曲が流れわたしはパツキン超絶美男子のリードで踊りだす
キラキラキラキラシャンデリアのきらめき
周りで踊る着飾った人々。
日本人なんて一人もいない。
!!!
貴公子は踊りながらわたしを引き寄せた。
体が密着する。
─顔!近!!
見上げるわたしを見つめる彫像のような顔の男が
「先程とは見違えるようです。
どのような魔法を使われたのですか?」
「あら?内緒でしてよ。
それに見違えるって……この姿……お気に召しませんこと?
それとも先程のわたくし、お目を汚したのかしら?
マクシミリアン公子様」
─マクシミリアン公子って!誰よ!
「いえいえご冗談をエリザベート嬢。
先程のテイラム公爵令嬢に相応しきたたずまいから、このように和らぎ妖精か女神のようになったお姿が同じ人とは思えないのです。ステップも軽やかで別人のよう……」
そして触れんばかりの耳元で
「エアリス殿下が羨ましい」
「あら。お上手。
でもあなた様にも美しき婚約者がおられるではありませんか。従兄様」
曲調が変わり激しさをま増す。
えっ!
えっ!
無理!
無理!
体の主導権を突然渡される。
わたしは惨たらしくステップを踏み、足がもつれて、派手に転んだ。
受け身が取れず、頭部をしこたまぶつけた。
わたしオクダタエコは痛みに動けなかった
「エリザベート!」
音楽が止み。足音が近づき、誰かがわたしの頭を抱き上げた
─誰このほんわかポヨっている少年は?
先程の細面の貴公子からは見劣りするが、もう少しお痩せになれば美を冠するであろう金髪の少年が、覗き込んでいる。
そこへ貴公子が語りかける
「エアリス。すまない。ボクとしたことが……」
「いえ……わたくしが悪……」
呂律が回らない。
エアリスが貴公子に
「リチャード。君は良く対処した。
突然何があったのだ?」
「わからない……庇おうとしたが、間に合わなかった。
すまない」
急にこのエリザベートらしき少女の体が、わたしオクダタエコになっただけ。
運動音痴のわたしにはダンスが無理ゲーだっただけ。
ただそれだけ
─にしても頭が痛い
コブとか出来てそう。ぶつけた所がジンジンする。
血は出ていないみたいだ。
わたしはリチャードに抱えられて、フロアを抜ける
「貴賓室へ!わたくしも直ぐに向かいます」
視線の端に、黄金の髪で銀色のティアラをした妙齢の美人が見えた。
─王妃様
わたしには何故かわかった。
そして……わたしの隣を心配そうな顔で並走する少年は
─エアリス
小説のエリザベートの婚約者と同じ名前。
ならこのほんのりポヨった少年は、王太子殿下!
エリザベートが惚れに惚れて、惨たらしく棄てられた相手!
─コンチクショウ!
このポヨった少年に棄てられるちゃあ、情けないやら悔しいやら。
わたしを抱いているこのリチャードたる貴公子になら納得も出来るけど……それにしてもどこかでポヨを見たことがあると思っていたら、厨ニ病が発症した時コウサカジンに被って見えた少年に似ている。
─なぜ被った?
そうこうするうちに、わたしは何だか豪華な部屋のベットに寝かされる。
わたしの周りには人が増えた。
女の子たちが心配そうに見守っている
「イライザ……
ミザリ……
イレーネ……
ジェシカ……
メリッサ……
みんな夢よりもすごく可愛い……
ポヨ……もう少しお痩せになったら……」
そこでわたしは気を失った。
そして再び目を開けると、横たわるわたしの手を握る黄金の髪の美人がいた
「……王妃様ですか?わたしどれ程眠って……」
「わたくしを忘れたの?エリザベート。
それに貴方が気を失ってから、まだ10分も経っていないわよ」
そしてわたしに触れんばかりに顔を近づけて
「ここには信頼できる者達しかおりません。
単刀直入にお聞きします。
貴方は誰ですか?
エリザ様ではないようね。
では……もしかして……」
王妃様はわたしを睨み言った
「……オクダタエコですか?」




