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サカキサクラコ


わたしー。サカキサクラコ。

27歳。もうすぐ結婚するの。

相手はね。見た目いい男。

同じ会社ぁ。


あっ。わたしー。

お局様三号って呼ばれている。

なんかさー。

わたしさー入社したての頃、早々新人教育受けたんだけどさー。

その講師がオクダタエコっていう、一個上の先輩。

アリエナクネー。

まだ新人に毛ー生えた程度だよー。


しかもダッサダサ。

いつも濃紺スーツに黒縁メガネ。

髪もさー美容院行ってないっしょー。

聞いてみた訳。自分で切ってるてサー。

そうだよね。納得した。


行ってもジョシリョク上がらなそう!


そんな女。

こんな女にはなりたくないわー。

マジで!


でもねー。オクダタエコ。

なんかねー。クセになるんだ。

目付きやたら悪くてサー。

初めケンカ売られてんのかなー?

って思ったけどー。

性格スゲー真面目子さん。

一生懸命教えてくれんのー。

分からない事あると同じ事でもー、嫌な顔しないで分かるまで教えてくれんのー。

わたしさー。腰掛けのつもりでー、入社したけどー。

真面目に庶務してた。

だってサー。あんなに精一杯されるとサー。

さすがにねー。

やらざるを得ないでしょー?


それにー褒めてくれんのー。


─よくできました─

─行間が綺麗ですね─

─字も綺麗になりましたね─

─これなら大丈夫─

─今日もサクラコさんいい香りしますね─


なんてサー。ぼー読みだけどサー。

クセになんだよねー。


それにサー。こんなに真面目子さんなのにー。

目付き怖いのにー。

いじめられてんのー。というか嫌がらせ。

いちばん年増のお局さーん。

取り巻きいっぱいでー嫌がらせー。


でもサー。オクダタエコ。

全然ヘーキみたい。

いじめられ慣れしてるっていうかーそんな感じ。

聞いてみるとサー。

小学生からずっとこんな調子なんだってー。

中学校も高校もずっとこんな感じ。

短大ではいないモノ扱いだったってー


『それが何か?』


みたいな感じで、こういうことが当たり前みたいで、

全然堪えてないみたい。

すごい。尊敬するわー。


でねー。毎年新人入るでしょー。

その新人さん達さー。

初めはみんなオクダタエコ馬鹿にしてんだけど、三ヶ月くらいしたらみんな家来みたいになってんの。

家来って言ったら変だよねー。

だってサー。オクダタエコ全然威張らない。

偉ぶらない。変わらない。

変わんのはわたしら。

オクダタエコのために、褒められる為に、とにかく分かんないけど『この人の役にたちたい』って思っちゃうんだ!


初めさーオクダタエコ一人で食堂で端ッコで弁当食ってたんだけどー。なんかさ。後輩みんな近くで食べるようになっていた。

わたしさー。隣にいること多かった。

あんまり話さないけどねー。それでいいんだー。

なんか安心すんだよねー。そんな感じかなー。


それであれよあれよと出世して、いつしか部長になってた。

そんなある日さー。わたしの彼やらかしたんだよねー。

仕事中エロサイト見てたらしいんだー。

仕事用の画面デッカク表示して、別窓で小さく開いて見てたらしいんだー。馬鹿だよねー。男って。

わたしいんのにサー。恋人なのにサー。

もうそんな関係なのにサー。

仕事中そういうの見てた訳。

『死ねよマジで!』

ってマジで思ったわー!


でさー。彼がさー。たまたま部長のオクダタエコと目が合った訳。

黙ってたら分かんなかったのにサー。

突然居たたまれない気持ちになってー、


「仕事中エロサイト覗いて済みませんでした!これからは心を入れ替え!誠心誠意お仕えいたします!!」


ってサー。気がついたら土下座してたらしいんだ。


それからオクダタエコすぐ常務になってサー。

今はもうすぐ社長になるんだって!


そうそう。社長の息子のコウサカジン。

身長も高くて、頭も良くて、格好よくて、入社仕立ての頃サー。誰が落とすか牽制し合ってた。


ところが初日にコウサカジン落ちてたんだよねー。

オクダタエコに!


だってサー。あんなに凛々しくて、素敵な王子様のような男子がさ。オクダタエコといる時だけ、だっらしない顔してんのー。

面と向かい合っている時なんて、ポケーっとした顔してお口は半開き!誰がどう見たってオクダタエコにベタ惚れって丸分かり!


そして驚くべき事に、それに気付かないのがオクダタエコ本人だけって!?

どんだけ鈍感なんだろう!


ビックリだよね!


そしてどうもコウサカジンを犬かな?ペット扱いしてんのー。


「ボンボン丸おいで!」


なんて何回聞いたことか!


そしてある日コウサカジン愛人の噂聞いたらしいんだ。

そしてしばらく死人のような顔で会社を徘徊していた。


そしてオクダタエコにバッタリ会って、愛人の事聞いてんの!

フツー本人に聞く?アリエナイッショ?


で次の日コウサカジン、やったら元気だった。

何があったんだろ?人間て1日であんなに豹変できるんだね?スキップ踏んでたよ。会社でサー!



そして週末!



ホテルでオクダタエコとコウサカジンが!

……何もなかったらしくて。


昨日


コウサカジンが『オクダタエコのアパートにお邪魔して

手作り夕食を食べたい!』

って!わたしら庶務課のお姉様方の前でぶっちゃけちゃったんだよー!

すごくねー!

やばくねー!

みんな仕事そっちのけでさー!


《果たしてオクダタエコはコウサカジンと無事くっつくのか?》


なんて賭けがはじまっちゃってさ!

でも賭けになんないの。

オクダタエコは難攻不落!


「一度や二度では落ちないわー」


みんなで見解一致しちゃってさー。

コウサカジンがさ。ホテルでも襲わないんだよー。

腑抜けか!じゃん!

きっとアパートでも無理っしょ?

オクダタエコサー。

コウサカジンのサー。

あの見た目100%のベタ惚れ好意にも気付かないんだよ。

まずはそこからだよねー。

仮に気付いたとしてオクダタエコ


『ではお友達から』


なんてどっかのドラマの嘘っぱちからやりかねん!

あの年して


─付き合うか?

─付き合わないか?


の二択しかないのにきっと気付かないよー


いつしか

『オクダタエコをどう女に目覚めさせようか』

ってコウサカジンそっちのけでさー。

話進んでた。


でもさすがに少しは進展してほしいんだよねー。

我々庶務課も他の課と協定結んでいてさ


《コウサカジンを攻略するのはオクダタエコと完全に別れてから!》


それよ。

若い娘はねー。

高スペックのコウサカジン狙ってんだわ!

みんな必死よ!

スタートラインに一斉に並んで、二人の仲をギラギラした目線でウォーミングアップ万全で見守っている!

まだ始まってもいないけど、破局した瞬間にみんな飛び出すよきっと!


わたしサー。彼いるしサー。

完全にオクダタエコの味方!

がんばれ姉様!

がんばれコウサカジン!

オクダタエコに春をあげてくてれー!

出来ればそのまま真夏に直行じゃー!




☆☆☆




そんなこんなで今日!

わたしー。彼のアパートにINだけどサー。



今頃。



オクダタエコもコウサカジンと二人同じアパートにINと思うと、もうサー!






ドキドキワクワクが止まらない!













怒涛のお局様ラッシュ!

みんな個性的でしたね。


いよいよ次回から

オクダタエコの恋がはじまるぞ!


やっとだよ(T^T)








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