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オクダタエコ



 オクダタエコ



小学校三年生のあの日


アダ名がノロコになった。


動きが緩慢でトロくさいのと、常時呪いを発動するとかなんやらでノロコとなった。


ノロコはあの日以来自分の容姿、特に目付きの悪さに凄まじいコンプレックスを抱くようになった。


他人と目を合わせないように、いつも下を向いていた。

ただずっと何もせずに下を向いていると、変に思われるので、小説を読み始めた。


以外に小説は面白く、形だけから本気になった。

小説の主人公に重ねて、自分が別人になったようで楽しかった。

恋愛小説にたどり着くまで、それほど時間はかからなかった。

頭の中では一杯一杯恋をした。

沢山の男達に告白され、タエコも沢山の男達に告白した。


でも現実は甘くなかった。

告られることも、告ることもなかった。


中学校でもノロコだった。

その頃。タエコは度が厚い黒縁メガネのオタコになっていた。


友達は誰もいなかった。


休み時間はいつも一人で本を読み、食事もいつも一人だった。

ただ、学級委員は押し付けられ、生徒会も押し付けられ、三年生では生徒会長をやらされた。



高校でノロコでは無くなったが、今度はオタコになった。

黒縁オタコだ。

クロブチオタコ

オクダ タエコ

何気に六文字中四文字も被るのに腹がたつ


相変わらず学級委員もやらされ、掃除もひとりでやらされ、生徒会もやらされた。


クラスではほぼボッチだったが、生徒会ではまあまあお話しできた。

三年生では副会長をやらされた。


そうそう高校では三回告られた。

全部罰ゲームの景品扱いだ。

ただ、バラされる前から罰ゲームだろうと思っていた。

だって、あんなイヤイヤな顔して告るヤツいないしね。

こちらから振ってやった。

ほんの少し良い女になった気分でした

まる



短大に入り、サークルにも合コンにも誘われず、ただ生息するだけで終わった。

合コンにも誘われない理由を面と向かっていわれた。



「あんた目が怖い。男がみんな逃げちゃうよ。あはは」



会社では、偉い親戚のコネで入った。

事務だった。

お茶汲み係からだ。

何故かわたしがお茶を出すと、皆様敬語になった。


お局様と呼ばれるまで三年もかからなかった。

25歳にならずに、先輩を差し置いてドンになっていた。


生徒会で命令を良く下していたから、そのクセを会社で何気に使っていたらそうなってた。

ある先輩は自分のミスをわたしに被せようとして、発覚し、わたしが一言も発せずただボーッと言い訳を聞いていたら、突然先輩が泣き出しわたしに絶対の服従を誓った。

それをたまたま来ていた社長も見ていて、間もなく庶務課の課長になった。


それからわたしは真面目に、ただ真面目に仕事に取り組んだ。庶務課のミスが激減した。

わたしがミスした者の言い訳をただボーッと聞くだけで、相手は降参し、そそくさと仕事に舞い戻った。


部長から、あまり後輩を睨むなと怒られた。


睨んだ事は一度もなかったので、試しに部長を睨んだら、ヒッと悲鳴を挙げ、その日からサービス残業が無くなった。



そして27歳では、部長になっていた。

社長がわたしをえらく気に入り、抜擢した。

理由はオクダタエコはそこに存在するだけで、皆の仕事の効率が格段にあがるからだそうだ。



訳がわからない。



わたしは部長の席で、定期的にといっても、一時間に一回位皆の仕事具合を席から動かず確かめていた。

ただボーッと眺めるだけ。パソコン画面ばかり見ているのは目が疲れるからね、その気分転換も兼ねてだ。


ある日そんな私と目の合った男子後輩社員は、突然その場に土下座して


「仕事中エロサイト覗いて済みませんでした!これからは心を入れ替え!誠心誠意お仕えいたします!!」


と叫んだ。

わたしはただ


「おっ……乙」


といっただけだが、それを社長と社長夫人が見ていた。



なぜか次の週。社長親族しかなれない常務に抜擢された。社長夫人がゴリ押ししたらしい。



そしてなぜかわたしは会社内では、社長の愛人となっていた。


わたしはもちろん誰とも付き合ったこともないし、男性とそのような関係になったこともない。

もちろん社長とは何もない。

後から聞いた話では、社長夫人が噂を流したらしい。

理由はわたしが愛人なら、誰も社長に手を出さないだろうということだ。

わたしは社長夫人公認の愛人らしい。



ホント訳がわからない。



で、28歳にしてわたしは会社の社長の愛人で常務で女子社員先輩も含めて全員のドンになっていた。


わたしがただ歩くだけで、女子社員はビシッと身なりを整え居住まいを正し、角度45度のお辞儀をするようになった。わたしが新入社員の頃、目付きが悪いと難癖を付けていたお姉様方もなぜか絶対服従をした。


男性社員からは影でアネゴと呼ばれ、一月もたたないうちに皆、常務の方々も含めて娑婆(シャバ)でもアネゴと呼ばれるようになった。


なぜか常務以下、全ての社員が角度45度10秒以上を徹底し、わたしにお辞儀をするようになった。




わたしは極道の妻か!





ヤバい

極道の妻で年齢バレるわ


若い子知ってるかな?

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