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★Ⅰprologue 01 カルア・ヘルメス エルフの女王

お待たせしました。第ニ章、開始致します。

新キャラを迎え、更に思惑が絡み合う第ニ章をよろしくお願い致します。


  挿絵(By みてみん)

 カルア・ヘルメス《カスタムキャストアプリ》



「以上が、アルシューン公国にて起きた事象の報告となります」

「いいわ、下がっていいわよ」


 謁見の間へ続く美しく煌めく水晶(クリスタル)の螺旋階段を降りていくエルフの部下を見送る女王。報告を受け、周囲の木々が静かに(そよ)ぐ。謁見の間を照らす木漏れ日を水晶が乱反射し、神秘的な輝きを空間へ演出する。新緑の生命力を纏った女王の羽衣は動じる事なく、ただ静かに脈動を打っている。


「聞きましたね、カルア。どうやら出番のようです」

「そうみたいですねメーテリア様。準備は出来ています」


 女王の座る新緑の蔦に覆われた玉座の前、白き渦と共に空間を歪ませ私とカーネリアンがその場へ顕現する。私達の姿を確認し、女王は薄っすら微笑む。


「状況は把握していますねカルア、カーネリアン」

「はい、アルシューン公国で起きていた事象の解析及び、悪意の調査。そして……」

「もう~~面倒くさいなぁ~~。有望な加護者を連れて来ればいいんでしょう?」


 うちが発言を終える前にそれまで毛繕いをしていた白猫が気怠げに答える。


「ええ、話が早くて助かります。世界に悪意が広がれば、緑が、大地が生気を失ってしまう。豊穣の女神として、それは食い止めなければなりません」

「既に冒険者登録を終え、うちのランクも(シルバー)迄あげておきました。接触する準備は整っています」

「う~~ん。あたいはあの黒猫(・・)と再会したくないんだけどなぁ~~」


 うちの白猫はやる気が無いようだ。それでもうちらのやる事は決まっている訳なんだけど。


「カーネリアン、貴女の〝乙女座の守護者〟としての役目があるのですから、そうも言っていられない筈ですよ?」

「あーーい。分かってますよ~~。でも人間の国に居る間はあたいの能力は使いませんからねぇ~~」

「いいよ、カーネリアン。でもうちがピンチの時はお願いね?」


 うちがウインクすると、踵を返し、白猫は謁見の間を後にしようとする。


「貴女の好きな妖精桃(エルフィナピーチ)

「……!?」


 女王の声に白猫の足取りがピクリと止まった。


「此処エルフの国〝エレメンティーナ〟に迫る悪意を見事排除出来た暁には、妖精桃(エルフィナピーチ)一年分を用意しますよ?」

「よし、決まりだ。カルア、今すぐあたいの空間転移でアルシューン公国へ旅立つよ?」

「えっ……うちの白猫、単純っ」


 女王は白猫の扱いに長けていた。女王はアルシューン公国を脅かしていた悪意がやがてエルフの国へ及ぶ事を懸念している。だからこそ、うちと守護者を呼んだんだ。


「ではエルフの女王、豊穣の女神――メーテリアの名に於いて命ず。乙女座の加護、カルア・ヘルメス、乙女座の守護者カーネリアンへ、アルシューン公国へ潜む悪意の調査及び、協力者となりうる加護者への交渉を行う事。但し無用な悪意との接触は避ける事。危険と判断した場合は帰還するように。お願いしますね」

「了」

「あーーい。了解よ」


 こうしてうち、乙女座の加護を持つエルフこと、カルアと白猫カーネリアンの冒険が始まる。


 このアルシューン公国への旅が、エルフの国を揺るがす大事件の始まりへと繋がるなんて、この時のうちは知る由もないのでした。


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