私達はマナーを知らない
この日本は素晴らしい国だ。伝統を重んじ、文化を守り、人々は優しく、誇り高き民族である。
日本の国全体で見るとこんな風に見えるだろう。
日本のイメージはそんなに悪くはない。
しかし、外に出てみると様々な考えの持ち主がいる。
それはもちろん、環境や関わる人達が違えば考え方も変わってくる。
そんな彼らに文化を大切している社会の人々はマナーだよと言い、一般常識だよ、と言って考えを均していく。
たしかにマナーや一般常識を身につけないと文化を重んじる私たちの社会では恥をかいてしまう。
恥をかいてしまわないように上の世代から社会のマナーを教えていただかなければならない。
それが伝統であり、文化のはずだからである。
彼らはこれがマナーだよ。というだけで社会のマナーについてはいつまでたっても教えてはくれなかった。
なぜなのか。
それは上の世代は社会のマナーを知らない人達だからだ。
だから教えてはくれない。
上の世代が知らないんだから当然下の世代も知らない。なにが正解でなにが間違っているか誰も知らないのだ。
そこにマナーは存在しない。
存在するのは大多数の意見とその人の価値観だ。大多数の意見が善となれば善になるし、悪となれば悪になる。
皆、大多数の意見に合わせ行動しているのだ。
それに伴い、その人達の価値観によってマナーは構築される。
大多数の価値観が「マナー」なのだ。
それに則り、「マナー」を知っている上の世代は下の世代に伝えていく。
これが社会のマナーである、と。
だがマナーとは本来、自分と相手が快適に過ごせるための礼儀作法である。
そのため上記のマナーと言われるものはただの価値観の押し付けである。
お互いの価値観の話もせず、単に自分に都合よくしたいようにしか見ることができない。
もし、これがマナーだよ。一般常識だよ。と言っている人達が現れれば、それがなぜそうなったのかを自分で調べなければならない。
なぜならその人達はマナーを知らないからである。