見た目10代前半、中身40代とか本当に面倒だから
ここからしばらくフェルラインの一人称です。
三話までは連続投稿をして、そこから先は1日1話を目安に投稿します。
翌日
「あ、あの」
突然龍族に呼び出され怯えるネイ。
人族のリーダーに話を通して、私はネイを呼びだしたのだ。
最初に聞いたマディアがいるのはいいのだが、何故かウルまでいる。
「ウル、呼んでないんだけど」
「にゃはは。フェル大目に見てよ。ネイの龍族の話でしょ?」
無邪気に笑う。
見た目十代前半、中身四十代は本当に色々面倒くさい。
「…え、ええっと」
ネイの顔面が青い。
いくら普段龍族が、人族に優しいと言っても、複数人に囲まれれば話は別だ。
なにしろ、龍族の腕力はその気になれば一瞬で人の命を奪い去る。
過去には龍族に無礼を働き、犠牲になった少女も、一名だけだがいるのだ。
「単刀直入に言うけど、ネイ、龍族になりたいって本当?」
驚いた顔を見せたあと、恐縮したように答えるネイ。
「…は、はい。あの…もちろん、わたしなんか無理だと、思うんですが…」
俯きながら
「わ、わたし。このお給料で、家族が救われているんです。でも、わたしは12で入って、もうじき15。三年で多分出されてしまいます…」
ネイは三年目。
人族は基本は18までだが、3年超えて人族のままにいるのは珍しい。
今の人族リーダー、テネシーが5年と例外ぐらいだ。
「だから、龍族になりたいと」
「は、はい。わたしの器量じゃ難しいと思うんですが」
いやぁ、龍姫様が聞いたら気に入りそう。
わたしは天を仰ぐ。
龍姫様が龍族化を望む少女を拒むというのは聞いたことがないし、そもそもネイのようなタイプは好みだと思う。
なので
「ネイ、私があなたをあと三年雇えるように、龍姫様にお願いするわ。だから龍族は止めておきなさい」
龍族が増える=私の悩み事が増える。
である。
龍姫様が自ら選ばれるのならば構わないが、自分から売り込みにいくとか、勘弁してほしい。
他の解決方法でなんとかなるならそっちをお願いしたい。
「ここを出るときに特別金が出るようにもできるわ。お金が目的なら…」
と、ここまで話して、私は違和感に気付いた。
金の話であれば、これは喜ぶ話なのに、ネイはずっと戸惑った顔をしている。
お金の話はフェイク。なにかを隠していて、まだ先の話があるのか。
「…なにを隠しているの?ネイ」
「え?え?」
ネイはキョトンとする。
「嘘付いているわね。なにを隠しているの?」
思わず殺気が洩れる。
すると
「にゃはははは。さすがフェル」
ウルが無邪気に笑う。
「…金だけでは無いわよね」
マディアも邪悪な顔をする。
「…あ、あの」
ガタガタ震えるネイ。
龍族の殺気を初めて浴びればこうなる。
あまりの恐怖に失禁をしてしまうネイ。
「にゃははははは。お漏らし、恥ずかしいね」
ウルが楽しそうに拍手。
「あーあ。ちょっと威圧しただけなのになぁ」
マディアも威圧したらしい。
それは失禁もする。
「あなたたちねぇ」
わたしは、ネイを立たせて
「龍族になったら、殺し合いよ。私達は人族には優しいけど、龍族同士は文字通り殺し合うわ。あなたじゃ無理よ」
「…あ、あの、でも」
ネイは泣きながら
「わたしは!貴族になりたいんです!」
「面白そうね」ゾクッ
わたしの背後に龍姫様が立っていた。
この館の人族の仕事は掃除や料理などです。
龍族の食事や廊下掃除ぐらいはしますが、龍族の部屋の掃除や、龍族の衣服の洗濯など、龍族と関わりかねない業務はしていません。
出来うる限り、人族と龍族は接しないように配慮されています。




