皆さんが納得しないだろうから強い言葉を使っただけですよ。ええ
「なーんーでー」
龍姫様、なんかあると、わたしに頼りすぎです。嬉しいですけれども。
今回は帝国の使者なのだ。
そして私と付き添うのは
「お久しぶりですね」ジュブグランだった。
「…ガジャロブは大分回復したのだが、まだお前と会わせるのは怖くてな」
「ヒルちゃんは?」
「お前のせいで女漁りの淫乱になった。どうしてくれる」
呆れたように言う。
「まあまあ、久しぶりにやりたいわ」
「やめてくれ」
そして、聖女の元へ。
「和睦の申し出だと期待していたのですが」
憂鬱そうな聖女
「和睦する前にやるべきことが沢山あるかと」
戦後処理だ。結局どっちらけで話が終わっていてそのまま。
「先帝暗殺自体が、前皇太子の手の者なら話はし易いのですが、暗殺実行はあなたの狂信者ですし」
本当に困ったという顔をしている聖女。
「今更あなたの命を取れ。みたいな話にはなりません。ですが、なんかしらの形は必要かと」
「龍族が暴れたじゃない」
「被害なかったじゃないですか」
ジュブグラン、ガジャロブは予想していたが、ヒルハレイズ率いる5人がかりが想定より手ごわかった。
サウザント投入直前だったのだ。
5対1では仕方がない。と思いがちだが、龍族の前に雑魚が何人いても意味はない。
よほど連携がうまくないと複数人で囲んでもむしろ脚をひっぱるのだ。
「…んで、どうしろと」
聖女が面倒くさそうにしている。
「領土割譲が一番良いかと」
「この前アラニア割譲したでしょ」
そうなのだ。なので
「この大陸に足掛かりを与えるのはどうでしょう?」
ザワッ!
一気に広間がざわつく。
この大陸に帝国が入る。
それは相当な拒絶反応が出る。
「…この大陸にくるの?まあ、砂漠で良ければ良いけれども」
聖女はその土地のコントロールが出来る。
豊かにすることも、砂漠にすることも。
「港町一個貰えればいいかと。そこで貿易交渉して、関係改善としましょう」
「港町ねぇ…」
聖女がチラッと横を見るが溜め息をつく。
「そうだ。あなたがいるからザディアが出せないんだ。分かったわ。少し考えて返事します」
「良いご返事をお待ちしております」
「ええ。では転移妨害を解きましたので、転移でお帰りくださいな」
……
「せっかくなので、旅行してから帰るというのは…」
「勘弁してくれ。頼む」
ジュブグランの懇願。
「仕方ありませんね。それではご機嫌よう」
私は転移で戻った。
交渉は纏まりつつあったが、龍族内で意見の相違があった。
「あの五人とリベンジしたいですわ」
ユルミツレ。
ヒルハレイズ達五人に苦戦したのが許せなかったらしい。
しかし
「まて、なんでお前が連戦なんだ。闘いをするならば、次は私だろう」
サウザント。
「ジュブグランと互角という評価では不満だ」
カレンバレー。
この3人は「和睦前にもう一戦できないか」派だった。
マディアやウルは「小競り合いで手の内を見せるのは反対」派。
「いずれ当たるんだ。大戦の時は多分あいつらじゃない。あいつら相手に私達の手の内を見せるのは得策じゃない」とした。
その上で
「カリスとミカミの二人の実戦経験を積ませるというなら賛成」
どちらも分かる。
なので
「龍姫様、和睦の流れは決定的です。だからこそ、最後にもう一戦すべきではないでしょうか」
「フェルライン、素晴らしいわ。許可します、3人ほど選びなさい」
3人。
なので龍族を集めて会議をしたのだが
「うるせえな!まずはてめえを血祭りにあげんぞ!」
サウザント。
「ジュブグラン相手は私以外は無理だ。だから二人だけ選んで終わりでいいではないか」
カレンバレー。
「フザケないで!カレン!平等に3人を選ぶに決まってるでしょ!」
ユレミツレ
大騒ぎ
なので
「いい、もう一人は決めてます」
私が言うと周りが静まる。
「カリスナダ、これはガジャロブと当てる」
「な!?」
周りが一斉にざわめく
「ウルと五分だぞ!ガジャロブは!」
「五分じゃない。ウルはかなり押していた」
「それにしても!」
驚かれるが
「カリスナダ」
「は!はい!」
そして
「負けたら殺す」
ざわついた周りが静かになる。
「龍族の敗北は即ち死だ。絶対に負けるな。負けたと私が判断すれば、龍族の誇りにかけてお前を消滅させる」
「は!はい!!!」
これぐらい言えば周りも納得するだろうと見渡すと、みんなビビっていた。
いや、みなさん。これはあれですよ。皆さんが納得しないだろうから強めに激励したんですよ。なんでそんなに引いてるんでしょうか?
というか、カリス、半泣きするな。
すると
「フェルライン!素晴らしい!その通りだ!龍族の誇りにかけて負けるわけにはいかんのだ!ジュブグランと勝てるとしたら私だけだろう!」カレンバレー
「…私は異論はないわ。ジュブグランは手強い」
「うむ」
この二人は決まり。
そして
「サウザント」
「ああ」
「5人がかりだ、奴らは連携が恐ろしい。一度戦ったユレミツレの方が勝ち目はあると私は睨んでる。サウザント、勝てる?」
「ぜってー勝つ」
即答した。
「よろしい。ユレミツレ、譲ってあげて」
「残念だけど了解。恥かかせないでね、サウザント」
「当然だ」
ミカミはまだ身体が慣れてない。
カリスを投入。カレンは変えようがない。あと一人はどっちでもいいのだが。
サウザントに決まった。
龍姫様に報告するが
「二人にしろって、豚が」
「はあ?」
思わず汚い言葉が出る
「ヒルハレイズが動けないって」
「残り四人でいいではないですか」
「全滅するから止めてくれってさ」
「…もう3人選びましたよ…」
「誰と誰?」
「カリスナダ、カレンバレー、サウザント」
「ガジャロブにカリスナダを当てる気だったのね?ガジャロブにサウザントにしなさい。カリスナダに四人ならバランスが取れる」
「龍姫様の御命令とあれば」
「豚にはそう伝えるわ」
戻ると、ウルとカリスが闘争していた。訓練だろう。なかなか良い動きだ。
「カリスナダ!そのまま私に向かってきなさい!」
「え!?」
棒立ちになるカリス
「突っ立つな!戦いなれていない相手と戦わないと意味がない!ガジャロブの戦闘は私もわかる!さあ!きなさい!」
「は、はい」
私は龍族では戦闘能力という点では最弱に近い。だが弱いわけではない。ジュブグラン相手に五分だったのだ。それは頭脳戦ができるから
「ぐふっ!」フェイントかけてからの蹴りでカリスが吹っ飛ぶ。
「こんなものを喰らうな!アホ!」
一気に距離をつめて
「が、ガアア!!!」
「立ち直りが遅い!龍族の利点は痛みが瞬間でなくなることだぞ!倒れてる先から立て直せ!!!」
思いっきり床に叩きつける。
そして
「反撃しろ!馬鹿!」
明らかな隙を見逃したカリスを吹き飛ばす。
そして
「あなたね!こんなんじゃガジャロブに勝てないわよ!」
お説教。ここから入れ替えを提案しよう。そう思ったら
「フェル、その通り。ガジャロブ相手では不安。このユレミツレが戦いたいですわ。私はカリスが消滅するのを見たくないの」
笑顔のユレミツレ。
「フェル、ユレミツレの言うとおりだ。ガジャロブ相手にカリスはやはり厳しいと思う。ユレミツレならば良い勝負するだろう」
カレンバレーが擁護。
この二人、仲はあんまり良くないんだけどな。
「龍姫様からお話がありました。ヒルハレイズが来れないそうよ」
「あらあらまあまあ」楽しそうなユレミツレ。
あいつがいなければ楽だと思っているのだろう。
「カリスはあの四人に回して、サウザントがガジャロブかなぁと」
不満そうなユレミツレと、それでもいいみたいなカレンバレー。
「どちらにせよ、カリスは育てないとダメだから」




