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口だけ勇ましい軍人というのも困りますが、黙って毎日人殺しする先輩も困ります

帝国は大騒ぎになった。

街の襲撃は中途半端な成果で終わったが、交戦中の敵軍が前線を下げるのだ。


「いよいよ!我が軍が全力をもって殲滅する頃合いですぞ!」

軍人が勇ましく言う。


だが、アラニアとの交戦で活躍していたのは、ソレイユ様と、その領地の貴族の私軍だけである。


少数精鋭、というか、一人やべーやつが暴れていただけなのだ。


帝国の本軍は勿論、その貴族が所属する公国の都の軍勢もロクに参加していない。


私は龍姫様の命を受け、帝国の使者に来たのだが、そんな勇ましい軍人達の叫び声を聞くことになった。


多分ソレイユ様なら

「馬鹿じゃないの?今死ぬ?」

ぐらいは言いそうだ。

ソレイユ様、帝国と公国に対する忠誠心ないからな。


「龍族は、動けるか?」

陛下からの声

「お望みでしたら、前線を壊滅させるのは問題ありません」

事前に考えていた答え。


「しかし、ソレイユとやることは変わりません。下手に近くに味方がいても殺します。敵への容赦はありません。占領には向きません」


「うむ…龍族の利用は先先代の皇帝も否定的であった。単独での運用ならともかく、厳しいな…」


陛下は目を瞑ると

「奪取した砦に軍を派遣はする。だが、攻めるな。様子を見る」

「畏まりました」


これで会議は終わった。



さて、ここでいきなりだが、私はモテる。

龍族らしからぬ豊満な肉体だかららしいのだが、都に来るといつもこうだ。


「フェルライン様、もし貴族を選ばれる時には是非我が家に」

「ありがとうございます。嬉しく思いますわ」


龍姫様の使者も命じられているので

「あいつは使える」と思われるらしい。

ヘイルカリ様も、龍姫様の使者を行っていたせいか、かなり名門な貴族に受け入れられたしね。


ソレイユ様?もちろん、ああだから下級貴族だったわけですよ。ええ。


とは言えだ、ヘイルカリ様は旦那と疎遠だし、たった一人の子供とも離れて暮らしている。


ソレイユ様は、旦那とはラブラブだったらしく子沢山だし、子供達も懐いていた。


性格考えると逆だと思う訳なのだが、まあ分からないものだ。


だから名家ならいいというわけではない。

しかし、選択肢が多いのは良いことだ。

まだ止める気はないけれども。



そして館に帰還した。

龍姫様にご報告。

満足に聞いたあと

「ソレイユのところに行ってきて」

との事。

早速ソレイユ様に向かった。


そしたらこれ

「にゃーにゃー。おっぱいにゃー」

ソレイユ様の娘さんが離れない。

「本当にモテるのね。結婚すれば?」

「女同士ですが」


それはともかく

「帝国と公国から話があったと思いますが、龍姫様からも支援が必要なら動くとの事です」


「有り難いわ。遠慮なく、鉄と黄金が欲しいわね。軍資金と武器防具を揃えなければ」

ソレイユ様から、全うすぎる要望。


「お伝えします。後は」

「そうね。息子の結婚相手」

ダメだった。さすがソレイユ様


「冗談だけでは無いわよ。良い年なのよ。そろそろ子も欲しいわ」

「ああ、ご長男も成人ですものね」

「ドラゴンハーフだからか、中々相手が決まらなくてね」


多分お母さんに問題があるんだと思います。

ええ。

私も、旦那の母親が殺人鬼とか嫌です。


「妾じゃなくてもいい。って伝えてくれない?どうせ私も貴族になったんだから、今更龍族は正妃になれないなんて無いでしょ?」



話を持ち帰ると

「…ちょっと、みなに聞いてみてくれない?面白い話よ」

龍姫様は乗り気のようだ。


「ソレイユはあの領地から離れるわ」

「え!?そうなんですか?」

「ええ。奪った領地がソレイユ。長男が今の領地に留まる」

「な、なるほど」

確かに殺人鬼を中に入れる意味はないな。


「ソレイユは領地荒らしに集中するから、そんなにソレイユとの仲を気にしなくていいわ。その上で、あの長男は今では下級貴族でもなんでもないわ」


ソレイユ様が暴れた結果、あの領地は豊かになった。

領地を増やした実績もあり、身分が上がったそうな。


「以前の領地も戻るそうだし、最前線でもなくなる。貴族としてはかなりの優良案件。それの正妃でしょう?希望者がいたら構わないわよ」



真っ先に手を挙げたのはテルネイトだった。

「はい!やりたいです!なりたいです!」

目を爛々とさせる。


まだ人間の年で16ぐらいだ。

年齢はほぼ同じ。

希望だった貴族、それも正妃。しかもそれなりな領地を持っている貴族。


完全に希望通りである。


「ネイならソレイユの系譜だから賛成」

ウルやマディアは賛成だった。



一人だけなら問題はなかったのだが

「その条件ならやりたい」

と、もう一人いたのだ。


レインメル。


以前も人族と暮らすのもいいかな?と言っていた。


「ドラゴンハーフなら龍族に対する理解もあるでしょ?私はソレイユさんってよく分からないし、会わないらしいから気にならないよ」


さて、このようなケースは実は初めてだ。

館から出て行くことを決めてから、受け入れ先を探すのがいつもの流れだったからだ。


「メルが先輩だ。メルを選んでやってくれ」

カレンバレーなどはレインメルに賛成。


さて困った。

龍姫様に報告したら


「あらあら。大人気ね。フェルラインが選んでいいわよ」


と余計困ることを言われた。


「まあ、悩むだけ無駄ね」

本人に選んでもらおう。



「と、いう訳でして、御面談をお願いします。」

「素晴らしいわ、フェル。複数人から選んだ方が貴族っぽいわね」

ソレイユ様が喜んでいる。


「妾で良ければ二人でもいいしね」

ああ、確かに。それも聞いてみよう。



館に戻り色々準備をしていると

「あ!あの!」

廊下で声をかけられる。


「ああ、アディじゃない」

おの時以来だ。

「ご無沙汰してます!あの!」

なんだろう、また龍族とかか。


「ええ、なに?龍族の話?」

「ち、違います!テネシーさんからよく話を聞きました。私には無理です」

さすがテネシー。優秀。

あれ?だとするとなんだ?


「貴族の妃を募集していると聞きました。私はダメでしょうか…?」



「人族を断る理由はないわ」

「そうですね…」

いきなり言われて驚いたが、よく考えてみれば、別に龍族でなくとも良いのだ。


単に龍族に理解があるだけで。


「アディにも斡旋してあげてもいいわよ」

「はい。お願いします」

それと

「そう言えば、テネシーはどうしましょう…?」

いつまでもいてほしいが、ずっとこの館というのも。

そろそろ龍族のエネルギーの取り込みをし過ぎて、別種と呼べるものになりかねない。


「ああ、そうね。惜しいけれども、テネシーも募集しましょうか」



アディはとても可愛らしいし、なによりも若い。

テネシーは年齢もいっているし、器量はそうでもないが、ドラゴンハーフなみの身体能力を誇る。


二人ともすぐ話が来た。


「アディはそこそこの名家だけれども妾。テネシーは」

ちょっと絶句する。

「下級とは言え、貴族の長男の正妃…って本当に?」


ようは龍族って気持ち悪くて怖いわけで。


そんなやつが嫁とか妾って勘弁してくれという話なのだが、テネシーは人族である。


人族なのにめちゃくちゃ優秀。ボディガードも出来る。


それは分かるが本当に?と疑う。

しかし嘘ついても仕方あるまい。


二人に伝えると


「はい!ありがとうございます!」アディ

「ほ、本当ですか!?」驚くテネシー

それはそうだろう。

不安なので私も立ち会おう。



そして、ソレイユ様の長男の相手。

「あなたは違うのですか…」

と私を見てがっかりされたのだが、結局ネイが選ばれた。


やはり実年齢が近いのが決め手なようだ。

年齢大事。


レインメルは妾は断った。

すると

「次男で良ければ正妃で構わない」という条件が舞い込み、即断した。


一気に龍族が二人出る事になった。


そして、アディは問題なく受託。

テネシーは、その身体能力を高く評価された。

それと「以前の正妃が亡くなった後釜なのだがそれでいいか?」要は再婚。

相手は22だった。

しかしテネシーも19だ。

「お願いします!」

とテネシーも決断した。

基本的に帝国の中央軍は遠征ぐらいにしか動きません。

隣国との小競り合いは、各公国内の兵士でまかなうことになります。


アラニアとの10年以上に渡る戦争は、この小競り合いの領土争いが長引いているという判断なので、帝国の中央軍は参戦しませんでした。


貴族が所属している公国も都の兵士を、この領土争いには出していません。

理由は「敵味方の区別がまともに付かない、ソレイユ率いる辺境軍に関わりたくない」からです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 外から見たら怪獣が暴れてる領地って認識だよなぁ…… 急に龍と人が出ていく!
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