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龍姫様はめったに失敗を責めないので、怒られたらショックだろうなとは思います

「フェルライン!素晴らしいわ!暗殺部隊のクソ共を再起不能にして、恐怖心を植え付けるとは!最高の出来よ!聖女をわざわざ戦場に引っ張り出したりとか、本当に素晴らしいわ!」


にこにこしている龍姫様。


一方で

「龍族の唯一の良心とはなんだったのか」

死んだ目でマディア。


「ソレイユのババアの影響受け過ぎだからね、フェル」

ウルですら呆れた顔をしている。

どうにもやりすぎたらしい。


「ほら、館でのストレスがね。豚相手なら遠慮しなくていいし」


「素晴らしいですわ、フェルさん。私も見習いたいですわ」

ユレミツレあたりは尊敬の眼差しを送ってくるが

あ、そうだ。


「ミカミはどうなったの?」

「ミカミはともかく、ネイは責任もってフェルがちゃんと育てて」

「…なにやらかしたのよ…?」 


「姫様との逢瀬が終わって、帰ってきたらいきなり燃やして、火達磨のミカミを火かき棒で滅多うちよ。それも性器を執拗に狙ってんの」


「…ま、まあ、龍族と、考えれば…」

「間違い無くフェルの系譜だからよろしく」

「わたし、そんなことしてないからね!?」

大騒ぎしながらその日は終わった。



旅の疲れがあったらしい。

久しぶりに熟睡した。

「あーーー!いい朝だなー!」

いい天気だ。

中庭に出よう。


私達は龍姫様にお仕えする時間が決まっている。

全員が一斉に龍姫様のところにおしかけても迷惑なだけだからだ。


私は龍姫様のところに行くのが多い方だが、暇な時間も多い。


「身体でも動かすかな」

久しぶりの戦闘で、身体が活性化した気がする。

ジュブグランを倒せなかったのは残念だが、私的には随分追い込んだ方だとは思う。


「ジュブグランは例外にしても、龍姫様の敵を排除出来るぐらいには、一応鍛えないとね」

中庭に出ると


「ネイ!てめえ!ぜってー!許さねえからな!!!」

真っ赤なドレスでスレッジハンマーを振り回すミカミと


「あはははははは!!!!言葉使いがまだ直りませんね!先輩に対しては敬語って教えたでしょ!!!???その物覚えの悪い頭を入れ替えてあげますよ!!!」

両手にバトルメイスを構えたネイが大暴れしていた。


見なかったことにしよう。



「どこか平和な場所はないのー」

龍族フロアも似たようなものだ。

大抵諍いが起こっている。

龍姫様のいる部屋ぐらいだ。静かなのは。


「地下牢?あり得ないし」

たしかにアソコは諍いはない。

だが、オモチャをいたぶるチャズに洩れなく会える。

全然平和じゃない。



廊下を彷徨いてると

「あ、フェルライン様」

人族の少女に頭を下げられる。

「こんにちわ」

「はい!こんにちわです!」


笑顔。誰だろうか?憶えていない。

「最近入ったの?」

「はい!今年はいりました!ここは凄い良いところです!お給料高いですし!」

にこにこして平和そうだ。

羨ましい。


「快適に仕事出来ているのならなによりだわ」

「はい!最近リーダーも変わって、凄いよく…あ、なんでもないです」

「ふふふ。良いわよ。分かるしね」

ミカミは色々厳しかったんだろうな。

その教育方針が間違いとは思えないが。


「まあ、頑張って。期待しているわ」

「はい!龍族目指して頑張ります!」


「………は?」




即座にテネシー呼び出し


「待ってください!フェル様!アレは入ったばかりでなにも知らないだけです!ちゃんと躾ますから、報告とかは!」

必死なテネシー。


「わたしだって龍族増やしたくないわよ!テネシー、どうにか出来そうなの?」

「とりあえず、龍族のデメリットをよく伝えますから」


「私も混じって良いわよ。また、龍族の殺し合い見せるのも良いかもしれない。ちょうど龍族フロアの中庭で、ネイとミカミが殺し合いしてるわよ。見せれば?」


「ま、まあ、それはちょっと。アディは中々優秀なんです。龍族に怯えて館去られても困りますし」

それもそうか。


あの少女はアディと言うらしい。

とにかく全力で止めろ。これ以上増やすな。

とテネシーにお願いする。


「最近多過ぎでしょう…」

増えない時は増えないのだが。

しかし、私の世代も多かったのだ。こういうのは連続で増えるのかもしれない。


「まあ、テネシーが残ってくれて助かったな…」

報告は欲しかったが、テネシーはそもそも龍族に知られる事から怯えていたのだろう。


私がたまたまアディに会わなければ、淡々と止めていたに違いない。

あれは使える。いつまでもいてほしいのだが、あんまりいすぎてもな。人族とは違うなにかになりそうだ。



幸いアディはテネシーの説得が効いたらしく、公言することは無くなったそうだ。

少し安心する。


それからまたいつもの日常が始まる。

ミカミも慣れた。

元々性格的には龍族に向いていたのだ。


それよりも

「カリスナダはなんとかすべき」

カレンバレーから相談。


「マディアが教育しているわ」

「手緩い」

カレンバレーは龍族の性質をキチンと受け継いでいる。

そのカレンバレーから見て、カリスナダは歯痒いらしい。


「テルネイトの受け入れは驚いたが、フェル、あなたは見事に彼女を教育した。今では立派な龍族だ」


いや私、教育してないけれど。


「だが、カリスは駄目だ。最初の教育のウルが駄目だったのだろう。ウルとの闘争はするが、他の龍族との闘争に消極的だ」


それは分かるが、それを言うならば私もそうだ。


「闘争心をコントロールするのは、フェル、あなたのようなベテランになるまで待つべきだ。マディアも分かる。彼女の闘争心は私が良く知っている。だが、成り立てで自制心ばかり育てるのは良くない」

それは確かにそうだ。


「フェル、龍姫様にお願いして、カリスを戦場に送れないか?あいつはまだ人を殺していない。人を殺すことは必須ではないが、龍姫様の敵の人の殺害に躊躇うようでは困る」

カレンバレーの言うことはいちいちもっともだ。


「カレン、了解したわ。龍姫様に提言する」

「さすがフェル、よろしく頼む」

カレンは微笑んでいた。



龍姫様の報告の前にマディアと相談しようとマディアの部屋に行ったら、何故かこうなっていた。


「くすくす。マディアクリア、あなたどう思う?」

龍姫様。


私がマディアに

「カリスナダの教育は少し厳しくしたほうがいいかもしれない。今度戦場に連れていこうかと思う」と話をしていたら、突然龍姫様が現れたのだ。


「も、申し訳ありません!ご期待にお応えできず」

マディアは顔面蒼白で、龍姫様に跪いている。


「マディアクリアにお願いしたのは私だけれども、人選を間違えたからしら?」

「も、申し訳ありません!」


ここまで追い詰められるマディアも珍しい。

龍姫様はあまり失敗を責めるタイプではない。


「フェルライン、あなたの要望は受けたわ。ちょうど果たさないといけない約束があるの。そこに送り込みましょう」


そして

「マディアクリア、あなたも行きなさい」

「かしこまりました」


「がんばってね。あなたに失望したくないわ、マディアクリア」

そして龍姫様はいなくなった。


「…ま、マディア…?」

硬直しているマディア。大丈夫だろうか、あそこまで言われるのは、かなり珍しいのだが


すると

「うわわわわわわわわわわんんんんん!!!!!!!!ひめさまにおこられたーーーー!!!!!!!!!!」

大泣き


まあ、あれ私がやられてもショックだし。


「だってええええ!!!カリスはへんなんだもーーん!!!!わたしじゃむりだよーーー!!!!!」

わんわん泣いてる。

まあ放っておこう。

それよりも


「マディア、龍姫様の御命令よ。私もカリスの教育に立ち合うわ」

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― 新着の感想 ―
[一言] 絶望するよなぁ……と思ったらギャン泣きとは予想できなかったwww
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