小瓶の中には妖精がいるんです
いつも、上から覗き込んでいる小瓶には、身体を青く発光させている妖精、ポポラが住んでいます。丸い瞳でにっこり微笑む女の子。
閉じ忘れた窓から入ってきたらしく、そよ風に運ばれて来たとかで、いわゆる迷子だそうです。
初めて見た時は驚きましたが、窓際の机で座り込んで泣き止まないポポラの様子が気になった私は思わず、鉛筆立ての隣に置いている金平糖が入った小瓶から一粒取り出してあげちゃいました。
砕いた金平糖の欠片を口で転がすポポラ。美味しそうに食べる様子をずっと見ていた私も、気がつけば椅子に座り、傍でずっと眺めてました。
しばらくすると、うたた寝していた私。
さっきの妖精さんは夢だったんだなと思ったのもつかの間、よく見ると金平糖がまだ半分くらい入ってた瓶は空っぽで、代わりに夢で見た妖精さんが眠っていました。どうやら瓶の中が気に入ったみたいで、それからしばらくの間は居座ってます。
たまに小瓶の上から手で蓋をしていじめると、あわわ、と瞳を潤ませて泣きそうになります。でも手を蓋から離すと、ひょっこり出てきては、机の上で私の手をぽかぽか叩いて、これがまた可愛いんですよね。
そんなこんなで、ポポラと遊んであげる毎日が、私は幸せでなりません。
話が長くなってしまいましたが、私の惚気話は以上です。
また宜しければ、ポポラに会いに来てください。
最後まで読んで下さり、ありがとうございます。
面白いと思って頂けたら、感想を頂けると光栄です。小説を書く練習として、考えたもので、まだまだ未熟なところがあると思います。