表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【5巻電子書籍&POD化】神様のドS!!~試練だらけのやり直しライフは今日もお嬢様に手厳しい~  作者: 藍上イオタ@完全無欠の悪女です2月下旬発売
高等部三年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

265/289

265.高等部三年 クリスマスパーティー 3


 にぎやかな会場へ戻る

 氷川くんのお母様と目が合って、軽く会釈する。お母様は氷川くんと連れ立って歩く私を見て、にこやかに微笑んだ。お父様は相変わらずのちょっと怖い顔でチラリと私を見ただけだ。

 彰仁は来年度の生徒会執行部のグループと混ざって挨拶や歓談に忙しそうだ。

  

 紫ちゃん、明香ちゃんを見つけて合流すると、一条くんと一緒に詩歌ちゃんが合流した。


 ふーん、と思うが何も言わない。ふーん、って思うけど!


 そこへ、綱がやってきて、さらに八坂くんも合流する。

 氷川くんが苦虫をかみつぶしたような顔をして、八坂くんに話しかけた。


「悔しいが、良いドレスだと思う。とても姫奈子さんの美しさを引き立てているな」


 私は氷川くんの言葉に恐縮してしまうが、八坂くんは自信満々だ。


「当たり前でしょ? 姫奈ちゃんのために作ったんだから」

「私のため?」

「そう。姫奈ちゃんは僕のミューズだからね」


 八坂くんの飛ばしてきたウインクを手で払えば、氷川くんが苦々しげな顔を八坂くんに向けた。


「勝手に姫奈子さんを巻き込むな」

「和親に人のこと言える?」


 バチリ、二人の視線がぶつかり合って、思わず綱を見れば恐ろしいほど無表情で彼らと私の間に立った。


「二人がどう思おうと、姫奈の将来は姫奈が決めます」


 ビリリ、三人の間に見えない何かが爆ぜた気がした。


 私を守る綱の背中がたくましくてかっこいい。

 それに、綱のいう通り。


「そうね、自分のことは自分で決めるわ」

 

 前世みたいに、お母様の価値観に流されるのではなく。

 みんなの憧れだからだとか、みんなが勧めるからだとか、他人の評価を自分の価値観にするのではなくて。

 今度は、自分がどう思っているかを大切にしたい。

 みんながどう思おうが、親に反対されようが、自分が好きなものは好きだと胸を張って言いたいのだ。


 ハッとした顔で、氷川くんと八坂くんが私を見た。

 隣にいた詩歌ちゃんが、コテンと頭を私のほうに傾けた。


「私、姫奈ちゃんのそういうところ好きよ」


 穏やかに微笑めば、明香ちゃんも笑う。


「そうそう、口に出して言えちゃうところ」

「私も、ちゃんと言えるようになりたい……。ううん、なるわ」


 紫ちゃんがギュッと握りこぶしを作る。なかなか二階堂くんの件も難しいのだろう。今日も二階堂くんは招待されていない。生徒会執行部になったとはいえ、それだけでは氷川家のパーティーには呼ばれないのだ。


 高校卒業まであと少し。その先の未来はみんなバラバラだ。私とは違って、旧家の彼女たちは親からのプレッシャーも大きいに違いない。選択の自由なんて言ったって、選ぶべきだと示されるルートは広く明るく大きいのだ。その大きな道を無視して、いばらの道を選ぶなんてきっと馬鹿だと叱られる。修吾くんのように、だれもが覚悟を持てるわけではない。


「ゆかちゃん、一人で頑張らなくてもいいのよ?」


 ニカッと笑えば、紫ちゃんがウルっとした目を私に向けた。


「……うんっ!」

「俺だって二階堂が有能なことは知っている」


 氷川くんが当たり前のように言うから、みんなで微笑んで頷きあう。

 

「ちゃんと、見ている人は見ているものよ」


 明香ちゃんの言葉に紫ちゃんは大きく頷いた。


 今年もみんなで写真を撮る。

 いつもと違うのは一条くんがいることくらいか。

 いつか二階堂くんとも一緒の写真が撮れたらいいな、なんて思いながら紫ちゃんを見る。

 目が合って二人で思わず笑いあう。


 大きな窓ガラスに黒い空。

 ふわふわと大きな雪が舞いだした。

 どうりでさっきは寒かったわけだ。

 

「雪よ!」


 思わず駆けだそうとすれば、手首をひかれて振り返る。


 綱がびっくりしたように、手首を離した。


「どうしたの?」

「……いえ」


 綱が目をそらせば、その肩を八坂くんが組んでにやにや笑う。


「ほら、姫奈ちゃん天使みたいだから、天に帰っちゃいそうだと思っちゃったんじゃない?」

 

 プレイボーイの発想に思わず吹き出してしまう。


「そんな心配ないわよ。だって、天国よりここがいいわ!」


 答えれば、八坂くんがいつもの通りおなかを抱えて笑い出し、みんなつられて笑いだす。


「確かに、今が楽しいものね」


 詩歌ちゃんが笑うから、私は大きく頷いた。




皆様に応援していただいたおかげで、別作品ですが

「私、転生悪役令嬢なので、メリバエンドは阻止させていただきます!!」の書籍化が決定いたしました。

ベリーズファンタジー様より、2020年11月5日発売予定となっています。

異世界転生とジャンル違いではありますが、興味があったら読んでやってください。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ