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高等部二年

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213/289

213.高等部二年 学園祭の準備です 1


 学園祭の準備が始まった。

 高等部二年になると、あまりクラスで授業を受けることがない。そういうこともあって、二年生は少し結束が弱いところがある。


 今年は八坂くんがいるせいで、私たちのクラスは模擬店は不可だというお達しがあった。

 昨年の圧勝が問題視されたらしい。


「和もいるんだし……それくらいのハンデは必要でしょ?」


 という、淡島先輩の鶴の一声である。淡島先輩、案外身内に厳しい系である。

 自分のクラスを勝たせたいだけじゃないの? と思ったが言えないヘタレな私だ。




「ということで、今年は展示か発表の中から出し物を決めます!」


 ホームルームで二階堂くんが言った。クラスの中がザワザワとする。多分、八坂くんと一緒だったからみんな模擬店で通ると思考停止していたのだ。


「演劇とかいいんじゃない? 八坂くんが王子様をやったらいいわよ」

「無理。当日来れるかわからないし、そもそも事務所的にNGです」


 私が言えば、八坂くんが即座に断る。


「ええー? じゃあ被り物してバレなければいいじゃない」

「それって八坂くんである必要ないんじゃない?」

「それもそうね」

 

 詩歌ちゃんに突っ込まれて納得し、うーんと考える。二年生のクラスは一緒に何かをする行事が今までなかった。そのせいで、みんなの得意分野もわからないし、結束力も弱い。

 クラスのみんなもガヤガヤはしていても、手を上げて発言する人もいない。まだ空気を探り合っている、そんな感じがした。

 二階堂くんと私で顔を見合わせる。こういう時、私たちクラス委員がリードしなきゃならないのだけれど、私にはまだ名案が浮かばない。

 二階堂くんも同じようで、ウンウンと眉に皺を寄せて悩んでいる。


「ファッションショーはどうだ?」


 氷川くんが発言した。


「だーかーらー、和親。僕は駄目だからね?」


 八坂くんが呆れたように答える。


「晏司をモデルとして使うのではなく、晏司に監修してほしい」

「それってどういうことですか?」


 氷川くんの意外な言葉に思わず食いつく。

 氷川くんは私の勢いに少し驚いたように目を丸くして、そして笑った。


「昨年の仮装で思ったんだ。あれは晏司がデザインしたんだろう? 晏司から流行のポイントを聞いて、例えば皆で持っている服のコーディネートをするとかだな……まだ上手くまとまっていないのだが」

「確かにあれは可愛かったです!!」


 私が言えば、二階堂くんはちょっと苦い顔をした。


「いや可愛かったけど、あれは紫が可愛すぎて問題だったと思う」

「さり気なく惚気るのやめて」


 低い声で注意する。

 クラスの中で、いいかも、確かにヤギ可愛かった、などという声が飛び交う。

 八坂くんは驚いたような、照れたような顔をしていた。


「どうだ? 監修も無理か?」


 氷川くんが問う。


「出来上がったものにアドバイスするくらいならいいかな。名前を出されるのは困るけど」


 八坂くんの答えに、クラスがワっと盛り上がる。


「八坂くんにコーデのポイントを聞けるなんて役得だよな」


 クラスの男子が言えば、うんうんと頷くクラスメイトたち。


「できれば日常使いできるのが良いよね。制服アレンジとか、デート服だとか」


 女子からも声があがる。


「だったら、着て欲しいデート服とか知りたい!」

「たしかに。彼女に薦められて買ったはいいけど着方がわからない服とかあるし」


 ぞくぞくと意見が出てホームルームが活性化する。さすがに氷川くんは学級運営も手慣れたものだ。協力すると言った言葉通り、助けてくれた。


「理子さんってヘアアレンジ得意だったわよね」


 私が言えば、誰だれは手芸が得意だとか、メイクが好きだとか、鞄のコレクションが趣味だとか、そんな声も飛び交う。


「では、テーマをいくつか絞ってグループを決めようと思います! こういうのがしたいというテーマはありますか?」


 二階堂くんがクラスをまとめ始めた。

 日頃からファッションに興味がある子たちが手を上げる。

 詩歌ちゃんが綺麗な文字でホワイトボードに書き出していく。

 そうやって何個かテーマが決まり、採用されたテーマを提案した人がグループリーダーになることに決まった、そこから各グループにわかれて詰めていくことになった。


 ファッションショーのテーマは『手持ちアイテムで今年の冬ファッション』に決まった。

 基本、ファッションショーのために服を買い足さないのがルールだ。持っているものをリメイクしたり、小物をちょっと買い足すのは良い。あとは、高校生らしいこと。

 冬の制服のアレンジと、着て欲しいデート服、流行のファッションの三つのテーマで十のアレンジを作ることにした。

 コーデを作る前に、クラス全員で八坂くんから旬のコーデのポイントを聞き、各班で作ったコーデに八坂くんが目を通す。そういう流れになることになった。


 第一希望を発表と決め、第二希望を展示にしたところ、無事に希望が通った。


 イラストが得意な子たちが、コーデやヘアメイクなどもイラストに書き換えてパンフレットを作ってくれることにもなった。学園祭で購入できるアイテムや、組合わせのポイントなども書きこむ予定なのだそうだ。

 それは確かに欲しい。

 


 学園祭の準備も順調に進んでいる。ファッションに興味がある子たちが中心になって、色々アドバイスしてもらえることから、便乗して使い方に困ったアイテムを持ち込んでくる子たちもいる。

 外部生と内部生では微妙にファッションのカラーが違うから、情報交換も活発になっているようだ。


 私もそれに便乗して服を持ち込んだ。ニコちゃんたちと買ったモヘアのオフショルダーである。

 可愛くて気に入ってはいるのだが、結局あの一回しか着ておらず箪笥の肥やしになっている。でも、上手な着方があるなら是非教えて欲しい。


 教室でオフショルダーのニットを広げる。


「わぁぁぁ! 可愛い! あざとーい! 男子落とす系!」

「違うから! そうじゃないから!!」


 はしゃぐギャル系の女の子を慌てて制する。


「これは着るのが難しそうね」


 詩歌ちゃんは困ったような顔で笑った。


「そうなの。友達に薦められて買ってみたけれど、結局一回しか着てないわ」

「もったいない! 彼女に着て欲しいっ!」


 興奮したように言うのは彼女のいない男の子。


「絶対、外ではだめ!! 紫は絶対ダメ!!」

 

 わかったから、荒ぶるな、二階堂くん。多分、紫ちゃんは着ない。

 氷川くんは、肩を冷やすのは良くないだなんて、華子様でも言わないようなことを言う。


「うーん、確かに姫奈ちゃんがこのまま着るのはハードルが高いかな」


 八坂くんがオフショルダーニットを見て笑った。目がちょっと真剣マジ。すでに仕事モードなのだろうか。


「例えば、ギリギリ肩まで下げない辺りでやめておくとか、中にタンクトップを着て重ね着するとか?」

「重ね着!」

「そう、肩紐が太いサロペットの中に着るのもありじゃない?」

「サロペット?」


 八坂くんの提案に女子たちが食いつく。


「トップスがオフショルダーならボトムスはどういうのが良いの?」


 グイグイ行く、美意識高い系女子。目がギラギラしてるよ。


「上の露出が高い時は足を隠した方がいいかも」

「そうなの?」

「うん。細身のパンツを合わせればカッコイイ系だし、ワイドパンツならリラックス系、可愛らしいのが好きならロングフレア、タイトなミディ丈に合わせるとセクシー系かな」


 私も心の中にメモをする。うん、ロングやミディ丈のスカートなら色々持ってる。細身のパンツを合わせたらエレナさま風な気もするし、ちょっとチャレンジしてみたい。


「まぁ、バランスの問題もあるけど、外で露出が高いと自分の彼女なら心配でしょ? 部屋でオフショル、彼カーデとかなら、ドキドキして嬉しいけど」


 ウインク投げながら何を言っているのだ、八坂晏司。

 ドサドサと何人か膝をついたぞ、八坂晏司。

 なんでそれがセクハラにならないんだ、八坂晏司よ!!


「じゃあ、彼女に着て欲しいデート服コーデに姫奈ちゃんのオフショルをアレンジするでいいかしら?」


 詩歌ちゃんがサクッとまとめて、男子が「うぉぉぉ」と咆哮した。怖い。


 そんなこんなでクラスの方はどんどんと一体感を増していき、学園祭に向かって盛り上がって来た。クラス委員としては一安心というところだ。







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