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【5巻電子書籍&POD化】神様のドS!!~試練だらけのやり直しライフは今日もお嬢様に手厳しい~  作者: 藍上イオタ@天才魔導師の悪妻26/2/14発売
高等部一年

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168.進学?カンファレンス 2


 結局お茶会では、私一人でお茶をすすることになった。いやよ、の一言で男子の興味は一気に冷め、まったく相手にされなかったからだ。席替えを提案され、ていよく端に追いやられ無視されている。それは清々しいもので、久々に八坂くんから前世でされていた仕打ちを思い出した。

 そう。男子は嫌いな女子にとことん残酷。


 ……違うわね。私も同じだわ。


 気が付いて笑えた。興味がない態度がきっと彼らのプライドを傷つけたのだ。合コンに来ておきながら、その態度は失礼だった。


 合コンから弾かれた私は、みんなの楽しむ様子を観察する。


 やっぱり女子は見た目重視で可愛い飲み物を選ぶのよね。男子は炭酸率高いのね。食べにくそうなお菓子は残っているから、私が食べよう。男子は甘いものよりしょっぱい系かと思っていたけど、案外甘いものもガッツリ食べるんだ。高校生男子、食べるわねー。帰ったらチェーン店メニュー表を勉強してみようかな。


 そんなことを考えながら、ナポレオンパイをモグモグ食べる。見た目は美味しいが食べにくいこのパイはティースタンドに残されていたからだ。流石百合ちゃんの選んだお店だけあって美味しい。どうしよう。余っているからもう一つ食べてもいいかな? バレないよね?

 そんなことを考えながら、私にすれば食事を堪能するだけの会となった。


 お開きになった後、百合ちゃんから謝られた。


「ごめんね。姫奈ちゃん」

「ううん。私ももっと興味を示せばよかったわ。空気を悪くしちゃってごめんなさい」

「無理に誘ったのは私だもの。もうほんと、さいてーよ。嫌味も通じないし、マウントとってくるし、馬鹿じゃないの」


 さっきまでニコニコと連絡先を交換していたのに、がらりと手の平を返す百合ちゃんが怖い。


「ああいうところで、人間性って出るわよね。やっぱり氷川様や八坂様はスマートだわ」


 美佐ちゃんもため息をついた。


「まぁまぁ、芙蓉と違って花桐は男子校だもの。女性の扱いに慣れてないのよ」


 なぜか私がフォローする。


「でもね?」

「ええ、人としてどうなの? って思うわ。付き合えそうな女なら優しくするって馬鹿にしてない? 人間として見てないんだわ。姫奈ちゃんのおかげで本性が見えたって感じね」


 桜庭というだけでお姫様扱いされてきた彼女たちにとっては、私のされた扱いを見たこともなかったのだろう。憤っている。

 桜庭女学園は女子校なので、求められるお嬢様像を演じることにはたけているが、内面はリベラルで強いのだ。女性を人として扱わない空気を敏感に嗅ぎつけてしまうのだ。


「あとでブラックリスト、回しておかなくちゃ」


 そう言いながら参加者女子全員が、先ほど交換したばかりの連絡先を一斉にブロックした。


 失敗したな。花桐男子よ。ご愁傷様。女子の団結は結構怖いぞ。

 

 私の初めての合コンはこうやって失敗した。



 この後お返しに芙蓉の男子と桜庭で合コンを主催したが、まぁ、私に何かあるはずはない。まず、男子の人選をどうしようかと思って綱に相談したのが第一の間違いだった。


「突然、なんです? 桜庭と進学カンファレンスだなんて。まるで合コンですね?」

「か、カンファよ、カンファ! ほら、桜庭は女子校じゃない? 皆さん出会いを求めているから、芙蓉なら安心かなーって……」

「やっぱり合コンですね?」


 真っ黒な綱の瞳に見つめられ、思わず目をそらす。


「先日の桜庭の進学カンファは合コンだったんですね?」

「い?」


 なんでわかるの!?


 私の顔色を呼んで、綱がジロリと睨む。あ、カマかけたな!!


「どこですか? 花桐?」

「……だから、なんでわかるのよ」


 推理力凄すぎる。


「やっぱり、なにかめかしこんでいらっしゃると思いましたよ。お嬢様はもう芙蓉の花をお持ちです。花桐よりもっと相応しい方が周りにたくさんいるでしょう? 軽率な真似はお控えください」

「あーあーあー。煩いわねぇ! 周りにいくら立派な人がいたからって、私が選ばれるわけないじゃない!」

 

 お説教モードの綱を前に、両手で耳を塞ぐ。

 綱は、ハァとため息をついた。


「連絡先は交換したんですか?」

「芙蓉だと言ったら相手にされなかったわよ。私、絶対桜庭にいた方がモテたと思うの!!」


 力説すれば、綱が小さく笑った。馬鹿にして。


「だから! お返しでやらなきゃならないの! でも私、男子にあんまりつてないし」

「いいですよ。私が声をかけましょう。男子の幹事をします」

「もしかして、綱も桜庭に興味があった?」


 あんまりあっさり引き受けてくれるから、ちょっと不安になって聞いてみる。だって、私の友達は皆魅力的だ。前に麗しいとか言っちゃってたし。


「お嬢様はお嬢様だけで十分です。お嬢様が学院で男性を合コンに誘いまくってるなどと噂が立ったら良くありません。白山家のためです」

「合コンじゃないもん!! 進学カンファ!!」

「はいはい。する必要のない進学カンファ、ですね」


 綱が呆れたように笑った。


 それから綱にお願いして、男子を集めてもらった。桜庭の名前を出したらあっさりと集まったらしい。やっぱり、私、桜庭にいるべきだった。


 男子の人選は綱がしてくれたし、桜庭の友人たちは綱には興味を示さないしで、けっきょく綱と二人でお茶をするという奇妙な合コンになってしまった。

 完全に、「後は若い人同士で」と言った後の仲人役である。私たちは出会もへったくれもない。仕方がないので二人でノンビリよもやま話をしながらお茶をした。家の人の目のないところで、ゆっくりとお茶をするのは久々で、綱には内緒だけどデート気分を味わえた。


 まぁ、桜庭の子たちには満足いく合コンになったようでよしである。

 ただし、私は合コンは少し休もうと思った。


 綱を忘れるためにしたところで、結局相手と比べてしまい綱への思いが際立つだけだ。

 当分は恋など無縁そうである。





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