表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴブリンノート  作者: アルト
第一章 始まり
10/17

変化と進化 ②

 どうも、傷心中な種族不明のオルドです。


 どうやら長老も俺が誰だか判らないみたいです。ワイズとグラトは判ったのに、何で俺だけ判んないんですかね。しかも長老、小鬼ゴブリンから人鬼ホブゴブリンに変わってる上に何故か若返っています、しわくちゃから深い皺が刻まれた白髪頭に仙人髭の老年男性?な感じに。


 ちなみに小鬼ゴブリンの時にこめかみより少し額の中央寄りに有った瘤が、人鬼ホブゴブリンに変わった時に皮膚を突き破り角に成ったみたいで、二人とも二つの角が有ります。


 俺は…あ、まだ瘤のままですね。


「長老、何で俺だけこんな姿に?」


俺は耳や口を指で示しながら尻尾も見せるために

身体を捻りました。端から見たら大変お馬鹿な体勢です。


「う~む…まずは種族としての小鬼ゴブリンの説明からすれば良いのかのぅ。とりあえず聞いてくれるかの?」


長老は焚き火の近くに腰を降ろして薪をくべて、杖の先で焚き火の周りの石をこんこんと叩いき、座るように促してきます。長い話になりそうなので逆らわずに焚き火を挟んで長老の正面に座りました。


「まず、小鬼ゴブリンとはな、身体も角もナニも小さ…っと、三番目のはよい。つまり酷く弱い魔物とゆうことじゃな。何故そこから人鬼ホブゴブリンに変わったかとゆうと、その身に余りある力を身に着けたとゆうことじゃ。」


 身に余りある力を着けた…?


「それって、何で?」


俺の疑問に長老はホレと骨の小山を指し示しました。えーと…突進猪タックルボアの骨か?


「普段ワシ等が食うておるのは、芋や名も無き獣じゃろう。それらには微々たる量の、それこそ魂を維持することしかできぬ量の魔力しか含まれておらん。じゃが昨日皆で名の付いた獣の、突進猪タックルボアとゆう名の魔物、魔獣でもどちらでも良いが魔名の有る力有る獣の肉を食ろうた訳じゃ。そしてそれにより内蔵魔力の限界を超えた量の魔力をその身に取り入れる事になってしもうた」

「限界を超えた量の魔力を取り入れたら…どうなるの?」


雌の人鬼ホブゴブリンは俺の右斜め前、長老の左手側に座り込みながら俺も考えていたことを長老に問い掛けます。


「フム、まあ一般的には身に余る力はその身を滅ぼす事になるじゃろうな。だがワシ等には更に力強い種族、人鬼ホブゴブリンへ変化する余地が有った為に、皆無事に変化する事が出来たようじゃな。名の意味は聞いただけでも解るじゃろ?今のお前達は魔名を理解する力も身に付けたはずじゃし、言葉も知らん内に覚えとるじゃろ?」


黒色狼ブラックウルフ掃除屋鼠スイープラット大鬼オーガ食鬼イーター喰鬼グール突進猪タックルボア人鬼ホブゴブリン豺人コボルト。名前しか知らないはずの魔物も意味が判る、これが魔名ですか。


「ちなみに寿命も長くなっとるはずじゃしな。その上少しばかり餓えても食鬼イーターになることもないじゃろ。まあ、いくところまで行ったらもっとたちの悪い喰鬼グールに堕ちるがの。」


喰鬼グールは…飢えに負けて共食いした鬼種の成れの果て、か


「えーと、それで俺は、何なんですか?」

「お主か…お主は小鬼ゴブリンの群れと黒色狼ブラックウルフの群れとが死に果てた地での生き残り。群れの長たる黒色狼ブラックウルフに止めを刺したる者。小鬼ゴブリン黒色狼ブラックウルフ両方の生への渇望を一身に集めてしまった者。そして黒色狼ブラックウルフ突進猪タックルボアの魔力を取り込みし者。つまりは…」


「つまりは?」


黒色狼ブラックウルフ小鬼ゴブリンの、混合種。間の子じゃ。小鬼ゴブリンでもあり黒色狼ブラックウルフでもある、両方の特徴を持った新しき魔物じゃな。」


…タイム。ストップ。何でもいいからちょっと待って…、混合種?なにそれ旨いのか?…あ、魔力が多けりゃ旨いか、じゃなくて!つまり俺はもう小鬼ゴブリンとかけ離れた種族の魔物か?


「おそらくじゃがな、今のお前ならばウルフドッグと名の付いた魔物の声が言葉に聞こえるはずだしお主の言葉が相手にも伝わるはずじゃ。魔物じゃなくても大丈夫だったかのぅ」


へ?


「手懐ける事が出来ればお主は群れを率いることが可能じゃ。ま、黒色狼ブラックウルフの群れが近くに居たせいで近くには居らんようじゃな」


マジですか!?


「マジじゃ」

「!何で考えてたこと」

「そりゃ、狼の顔をしとろうがそんなに目ん玉ひん剥いてこちらに詰め寄ろうとしたのを見れば誰でも判ると思うがの」


じゃあ早速、狼を探しに行こうかと立ち上がりかけると―


「結局アンタは何なのよ」


雌の人鬼ホブゴブリンの一言に座り込んでいる理由を思いだし大人しく座り直します。


「名前はオルド。魔物としての種族名は何が良いじゃろうのぅ…小鬼ゴブリンウルフの名を合わせたものじゃろうなぁ」

「?」

「ああ、種族名は考えて決めるのではなく言い当てるとしっくりくるんじゃよ。ゴブリンウルフ…違う、ゴルフ…違う、ウルフリン…違う、狼人鬼ウルフゴブリン…あ。そのまんまじゃったか」


狼人鬼ウルフゴブリンか。俺は狼人鬼ウルフゴブリンのオルド。小鬼ゴブリン人鬼ホブゴブリンウルフの言葉を話す者」


俺はやっと判った自分の種族名を噛み締めるように呟きます。


「ちなみにワシは元々、老古小鬼エンシェントゴブリンじゃ。いまはただの人鬼ホブゴブリンじゃがな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ