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僕とぼっちな彼女達  作者: 中高下零郎
高校1年(中) 僕とビッチな彼女(援交少女)
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少女の本音を知る夏

「ねえねえあたるくん、おいしゃさんごっこしようよー」

「……みたきちゃんはね、いつまでも小学生なんだよ。高校生の男女がそういうことをするのは、本来は駄目なのかもしれないけど、お盛んな時期だからしょうがないのかもしれない。日本の法律じゃあ、例え和姦だとしても、12歳未満と性行為をするのは犯罪らしいよ。幼いから、性に関して善いか悪いかの判断すらつかないであろうってことだろうね。つまり、僕がみたきちゃんとお医者さんごっこをするのは、それに近いものがあるんだよ」

「いみがわかんないよー!」

「……バイトまで時間があるし、少し眠いから一緒にお昼寝しよう」

「うん!」


 僕の部屋のベッドで、みたきちゃんと一緒に寝る。


「えへへ、あたるくんきもちいー」

「……これくらいなら、いいかな」


 一緒のベッドに入ったみたきちゃんが、すぐに僕に抱きついてくる。柔らかな感触を楽しみながらも、これくらいがみたきちゃんとの健全な関係になるのだろうかと思い耽る。

 白金さんみたいな人ははっきり言って不健全極まりない。自分のクラスメイトが援助交際をしていたと知って嫌悪感を抱かない人間なんてほとんどいやしないだろう。でも僕の場合は、同族嫌悪なのだろうか。




「うっす」


 みたきちゃんと一緒に寝るのが心地よくてついついバイトに遅刻してしまい、自分の不甲斐なさを戒めながら接客をしていると、レジに女性誌を持った私服の白金さんがやってくる。


「……また夜の仕事?」

「いやいや、今日は普通に映画見てたんだよ。ゼブラの新作。超面白かったぜ、最後の主人公とヒロインがアストラル体となって世界と同化するシーンとか感動もんだぜ」

「その映画さあ、僕今度見ようかと思ってたんだけど」


 レジを打ちながら白金さんと話す。今度の休日にみたきちゃんと一緒に見ようと思ってたのにネタバレをするなんて酷いや。


「すまねえすまねえ。で、お前バイトいつあがりよ?」

「今日は6時だけど」

「何だよすぐじゃねえか。だったらよ、終わったらカラオケいかね?」

「僕はおじさんじゃないけど?」

「お前なあ、ウチをカラオケにそれ目的でしか行かない女か何かだと勘違いしてねーか? 相談があんだよ、秘密を知ったからには責任取って自分語りを文句言わずに聞いてくれよ」

「……わかったよ」


 バイトの後に予定があるわけでもないし、特に断る理由もない。

 また迎えに来るからよ、と言って本屋を出て行った白金さんと入れ替わるように、今度は時さんがやってくる。白金さんはあれでもきちんと客だったし、会話をしたのも接客の間だけだったが、時さんは本すら持っていない。


「ハロー。バイト終わったら飲みに行こうよ」

「……残念ながらついさっき同級生とカラオケの予定を立ててしまったので」

「けっ、結局は若さかよ。それより聞いてよ、何とか派遣社員になったよ」

「おめでとうございます。他の客の迷惑になるので帰ってください」

「……所詮私はもう終わったヒロインなのね……最終話のエピローグあたりで思い出したようにその後が描かれるレベルの存在なのね……」


 よくわからない事をぼやきながら去って行く時さん。今まで引きこもっていた分寂しいようで、メールアドレスを交換してしまった僕は彼女の愚痴を家でも聞き流さなければいけない羽目になってしまった。


「おう、迎えに来たぜ」

「丁度今終わった所だよ。お先に失礼します」


 ともあれその後もバイトを続けて、バイトを終える頃に迎えに来た白金さんと一緒にカラオケへ向かう。同じバイトの人が僕を怪訝そうな目で見る。この間は時さんと居酒屋に行ったし、二股をかけていると思われたのだろうか。



「んじゃま、とりあえず軽く歌おうぜ。先に入れていいぜ」

「うん、わかったよ」


 多分白金さんは落ち着いて話がしたいからカラオケの部屋に誘ったのだろう。白金さんの立場上、ファミレスとかで気軽にできるような会話でも無さそうだし。ムード作りのため、お望み通り流行りの歌を歌う。


「うわ、すげえ下手くそだな。もう歌うな」

「……なっ!?」


 しかし1分程で演奏中止のボタンを押されてしまう。楽器は下手だけど、歌は下手じゃないと思っていたのに……


「まあいいや、私もこないだ歌ったばっかだし、本題に入るか。……やっぱウチ、おかしいのかな?」


 クーラーの効いた部屋の中で、歌なんて歌わずにフライドポテトをむさぼりながら悩み始める白金さん。


「……どうなんだろう。実際、女子って何パーセントくらい、そういう事してるの?」

「そんなには多くねえよ。まあ、そんなに少ないってわけでもないけど。割合で言ったら同性愛者よりは少ないってレベルだろうな。やっぱ男子から見ると、軽蔑すんの? それとも俺も金払うからヤらせてくれってなんの?」

「軽蔑するのは寧ろやってない女子じゃないの? 男子はやっぱり、そういう目で見る人とかも多いと思うよ」


 同性愛者がどのくらいいるのかはわからないが、白金さんみたいな人はクラスに1人くらいはいるものなのだろうか。特に女子高生って周りに流されやすかったりするって聞くし、友達グループでそういう集団が出来てしまったりするのだろうか。ともあれ、ほとんどの男子はいやらしい目で見ることだろう。時さんだって、そうだったみたいだし。


「そっか……でもなあ、しょうがねえんだよ」

「家が貧乏とか?」

「いや、エロいことと金が大好きなんだよ」

「……一瞬でも同情しかけた僕が馬鹿だったよ」


 ここまで欲望に忠実な人もそうそういないだろう。ある意味では尊敬すらしてしまいそうだ。


「んだよ……皆大好きだろ、エロいことも金も。ともかくウチはやりたいようにやってるだけだし。多分高校卒業したらすぐにでも風俗の道に走るんだろうな、親は頭のいい高校入ったから大学にきちんと入って真っ当な仕事につくもんだと思ってるけど、そんなレール糞喰らえだな?」

「そこまで芯が通ってるなら、文句とか言うべきじゃないのかもしれないね。でもさあ、妊娠とかしたらどうしようとか考えないの?」

「まー、そんときゃ中絶かな。案外孕んじゃったら産みたくなるかもしんねーけど、まあそんときゃそんときっしょ。親には勘当されるのかなあ」

「まあ、警察とかの厄介にはならない程度にした方がいいと思うよ」

「つーかさー、援助交際してる女の子を正義のつもりで晒しあげて公開処刑みたいな真似してさー、そんなことしたらその娘もう下手すりゃそっちの道にしか行けなくなると思うんだよな。幼気な少女の未来を壊してるのはお前等なんじゃね? どうせ年取ったら相手されなくなって真っ当な道に走るか、そのままそっちの道に走るかなんだから、ほっといてくれよ。中絶だって日本じゃ合法なんだから犯罪者扱いすんなや、そういうレッテル貼ってる方がよっぽど犯罪的だろうがよ」

「面白い意見だね」


 援助交際するような女の子はどうしようもない馬鹿だと思っていたけど、実際白金さんと話してみると意外としっかりした面を持っているような気がする。高校生なんて、正式に風俗の仕事につける人と高々2、3年くらいしか違わないのだ。女性は16で結婚できるらしいし、この際風俗の仕事も16からさせればいいんじゃないかな、と一瞬無茶苦茶な思考になってしまう。


「だろ? まーでもな、きっかけってのがあるんだよ、何事にもな」

「きっかけ?」

「ああ、ウチがエロいの大好きになった理由なんだけどな。小さい頃にな、近所に大学生のお兄さんが住んでてよく遊んでもらってたんだけどな、今思い返すとそいつ滅茶苦茶なロリコンだったな。純粋無垢な頃の私にエロいことしまくりやがってさ。そいつが就職していなくなった頃には、すっかりウチはエロいこと大好き人間に調教されちまったってわけだ。まあ今楽しいから、あのロリコンのやったことも不問にしてやるけどよ。 アホ臭い話だろ?」

「反応に困る話だね。……もしそういうことをされてなかったら、今の自分は無かったと思う?」

「だろうね。幼少期のトラウマを引きずる人とかもいるけど、ウチの場合は幼少期の快楽をずっとひきずってるんだろうよ。もう麻薬だよ」


 白金さんが少しみたきちゃんと被って見えた。僕がみたきちゃんを穢さなければ、みたきちゃんはお医者さんごっこを強請るような人間にはならなかったのだろう。


「……ねえ、ついでに僕の相談も聞いてくれないかな」

「ああ? まあ話してスッキリしたし構わないけどよ」


 同じ女性として、境遇が少しみたきちゃんと被っている人間として、僕は白金さんにみたきちゃんの件について相談することにした。


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