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僕とぼっちな彼女達  作者: 中高下零郎
高校1年(中) 僕とビッチな彼女(援交少女)
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性と向き合う夏

「お前何でずっと休んでたのに俺より成績いいんだよ!?」

「アンタがずっと遊んでたからでしょ、高下君は家で勉強してたのよ」

「あはは……」


 夏休み前の期末テスト、そこそこいい点を取って煉獄君に驚かれる。引きこもり中はネットゲームくらいしかやることなかったし、ネットゲームも人が多くなってきたらログアウトしてたし。独学とは言えど、毎日真面目に勉強していた甲斐があったようだ。でも、これからはきちんと授業を受けて勉強をしないといけない。



 不登校から脱した僕は『事故でしばらく入院していた』という設定で事情を知らない人間には通している。まだ復帰して日は浅いけど、なんだかんだ言ってクラスの皆はいい人そうだ。煉獄君と郡山さんという、心強い仲間もいる。どうして今まで僕は学校に行かなかったのだろうと昔の自分を馬鹿だなあと思う。


「まあ何はともあれ夏休みだな。高校生になったし、バイトしようと思うんだ。俺カッコいいからホストとかどうよ?」

「そう。じゃあ私はキャバクラで働くわ」

「お、おい、ふざけんなよ彼氏がいるのにキャバクラで働くとか、何考えてんだ」

「とんでもないブーメランね。そもそも高校生じゃ働けないわよ」


 仲良さそうな二人を見て微笑ましくなりながら、バイトもいいなと考える。

 勉強面ではともかく、人付き合いでブランクがあるのは確かだろう。時さんのやってるという換金所のバイトとかは論外として、軽い接客業とかで少し慣れておきたい。みたきちゃんだってやってることだし、社会勉強という意味もある。




「んじゃ、また9月にな」

「うん、またね」


 終業式を終えて煉獄君達と別れた僕は、そのまま赤石さんの入院している病院へ向かう。もう来るなと言われてしまった僕ではあるが、今の僕はもう昔の自分とは違う。


「……こんにちは、赤石さん」

「高下君か。……顔つき変わったね、学校に復帰したのかい?」

「わかる? うん、おかげさまで学校に戻れたよ」

「そう、おめでとう」


 病室の中で赤石さんはノートパソコンをかたかたと操作しながら僕の顔を見て微笑む。醜い顔ではあったけれど、不快な気持ちになんてなるはずがない。


「赤石さん、手は治ったんだ」

「うん。まだ足とかはボロボロだし、後自分が思ってるより心もやばいみたいだけど、本が読めてタイピングもスラスラできる。割と今は幸せだよ。君は今幸せかい?」

「まだわからないや。それを確かめるためにも、殻に閉じこもるのはやめるよ。夏休みだし、アルバイトもしようと思うんだ」

「そりゃいいや。だったら高下君、私の代わりに本屋でアルバイトしてよ。私夢だったんだ、華の女子高生になって、文学少女として本屋でアルバイトをするのが」

「いいね。わかった、赤石さんの夢を叶えるよ」


 本屋か。アルバイトをなめているわけではないが、接客という面ならそこまで大変でも無さそうだし、確かにいいかもしれない。早速募集しているところはないか帰って探すことにしよう。姿は醜いままでも、心は澄んできている赤石さんと談笑をした後、僕は病室を出てみたきちゃんを迎えに行く。




「みたきちゃん、僕夏休みはアルバイトしようと思うんだ」

「あるばいと? たしかおしごとするんだよね」

「うん。みたきちゃんと一緒だね」

「えへへ、いっしょ、いっしょ」


 部屋にみたきちゃんを招いてみたきちゃんとお喋りをする。

 もう僕は高校生。同じ年齢で働いている人もいるし、半分大人になったようなものなのだろう。

 不登校からも脱出することができたんだ、自覚をもって、みたきちゃんとも真摯に向き合おう。


「そろそろ、おいしゃさんごっこしよ?」

「……」


 決意を固めた僕の前でみたきちゃんが服を脱ぎ始める。


「……駄目だ」

「?」


 その様子を眺めていた僕であったが、服を脱ごうとするみたきちゃんを制止する。

 もう子供じゃないという自覚を持って、真摯にみたきちゃんを見た結果、気づいてしまう。

 もうみたきちゃんも女の子ではなく、女なのだ。


「……今日は、お医者さんごっこやめよう」

「どうして?」

「僕は弱い自分をどうにかしたいんだ。みたきちゃんに甘えたらまた弱い自分に戻りそうな気がするし、そろそろ罪悪感を誤魔化すのも、多分無理があるんだよ」


 そして同時に僕はもう男の子ではない。高校二年生だ。ただくすぐりあったり、添い寝するだけで我慢できるような年齢ではないのだ。


「? よくわかんない、わたしのことすきじゃなくなったの?」

「違うんだよ。お医者さんごっこは、本当は悪い事なんだよ」

「ふたりのひみつにしておけば、だいじょうぶだよ!」

「そうだね。でもごめん、今日はやめよう。少し考える時間が欲しい」

「うー、きもちいいことしたい……」


 不満そうに服を着るみたきちゃんの頭を撫でながら、僕はどうすればいいのか悩む。

 不登校になっていた時はみたきちゃんくらいしか依存できる相手がいなかったから、いくら罪悪感に押しつぶされようが、そうでもしないと僕は壊れていただろう。けど、もう僕はこの前までの僕とは違う。高校生になって、分別だってつくようになったはずだ。だから僕はみたきちゃんと、『きもちいいこと』を認識できるようになってしまった彼女とどう付き合っていくのか考えないといけないのだ。

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