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僕とぼっちな彼女達  作者: 中高下零郎
中学校2年 中二が厨二で何が悪い(中二病)
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六月六日に忠告する

「高下君、ほら、これが前言ってたCD。是非聞いてみてよ」

「う、うん」


 六月六日さんの聞いてる曲を知ってると嘘をついただけで

 びっくりするほど好かれてしまい、数日でCDの貸し借りをする仲に。

 最初は嘘だったけど、聞いてるうちに段々と詳しくなり、今では堂々と彼女と音楽について語れます。

 この調子なら後1ヶ月もあれば落ちる……じゃなくて。




 大分彼女の信頼を得たと思うので、そろそろ本題に入ろうか。


「そのさ、六月六日さん。……最近さ、女子の間で良くない噂が流れてるよ」


 放課後、彼女が一緒にCDショップに行かないかと誘ってきたのでそこへ向かう途中に、彼女にそう告げる。

 中学二年生になって孤立してしまった六月六日さん。

 しかし周りなんてどうでもいいと言わんばかりの彼女のツンとした態度は、更に女子に悪いイメージを植え付けてしまったようで、陰口をよく聞きます。


「……どうでもいいよ」


 彼女はニヒルに笑います。本当に彼女はどうでもいいと思っているのでしょうか?


「でも……エスカレートして、いじめがあったらさあ」

「高下君、私を心配してくれるのかい。私の趣味は理解してくれるし、いい人だね本当に。……それに比べてあの連中ときたら、陳腐な邦楽ばかり聞いてさあ」


 段々と彼女が不機嫌になっていくのがわかる。


「まあまあ、人の好みはそれぞれだよ」

「そうは言うけどね、生理的に無理なものだって、あるでしょ?」


 彼女にそう言われて、生理的に拒絶されてきたみたきちゃんの事を思い浮かべる。

 確かに、人の好みはそれぞれとは言うけれど、実際のところ無理な物は無理なのだろう。

 それでも、理解ができるように努めるべきだとは思っている。


「私はね、これでも中学一年の時は我慢してきたの。低俗なあの女共と仲良くしようと頑張ってきたの。でももう無理。無理な物は無理! あんな顔がいいだけのアイドルの曲を、きゃーきゃー言って褒め称える連中だよ? だから中学二年になったと同時にね、私は我慢をやめたの。私が変わった? 私は最初からこうなの……ご、ごめん。何か愚痴っちゃって」


 ストレスをため込んでいたのか、まくしたてるように彼女が喋る。


「いや、構わないよ」

「そう。とにかくね、あんなガキなんかと私は仲良くするつもりなんてないよ。女子だけじゃない、見た目だけで告白するようなお猿さんもね。……っと、CDショップに着いた着いた。何か掘り出し物はあるかなあ」


 CDショップに到着し、この話はおしまいとばかりに彼女は店内へ。

 クールだと思ってたけど、結構喋るなあと思いつつ僕も店内へと向かう。




「いやあ、ここのCDショップの店長はわかってるね。いい趣味してるよ。それじゃ、また明日ね」

「うん。またね」


 彼女のCD選びに付き合った後、店の前で彼女と別れる。

 彼女は、『周りの人間はガキしかいないから話が合わない』、そう考えて自ら孤立する道を選びました。

 でも、本当の大人から見れば彼女もガキでしかないのだと思います。

 むしろ、彼女のような人間は社会に出て苦労することでしょう。

 彼女の将来のためにも、彼女に協調性といったものを持たせるべきなんでしょう、けど。





「……うー」

「あ、ごめんみたきちゃん。すっかり忘れてた」

「またあたらしいおんなをつくったの!?」

「みたきちゃん、ごめん、ごめんって。だから昼ドラのセリフ覚えないで」


 養護学校前で忘れ去られていたみたきちゃんを回収。

 ちょっと不機嫌そうなみたきちゃんの横顔を見ながら、六月六日さんとどう接すればいいのか考えます。

 彼女を否定して、まともになれと言うべきなのでしょうか。

 この先社会に出て苦労したくなければ、例えソリが合わなくてもクラスメイトと接するべきだと言えばいいのでしょうか。

 多分だけど、六月六日さんは僕に好意を寄せている。

 趣味の合う僕を、自分の中で大人認定して、付き合うべきクラスメイトとして接している。

 それを利用して、彼女をどうにか説得するという手もあるのだろう。



 いや、僕に彼女を否定できるはずがない。

 みたきちゃんという、周りから否定されてきた人を肯定した僕が、彼女を否定できるはずがないんだ。

 けどどうすればいい? 僕がみたきちゃんを肯定したところで、周りはみたきちゃんを肯定してはくれなかった。

 みたきちゃんを皆に認めさせることのできなかった僕が、六月六日さんを皆に認めさせることができるのか?

 僕はどうすればいいんだ!?


「むずかしいかおしてどうしたの?」

「……ごめんみたきちゃん。みたきちゃんと帰ってる時に他の女の事考えるなんて、僕は最低だね」

「わたしでよければ、そうだんにのるよ?」

「……ありがとう、みたきちゃん。それじゃ、僕を慰めてよ」



 みたきちゃんを部屋に連れ込んで、くすぐりあって、一緒に抱き合って寝る。

 僕自身、六月六日さんと同じ人種なのかもしれない。

 心の底では、みたきちゃんを否定してきた周りの人間を、見下している。

 赤石さんに手のひらを返して接する周りの人間を、見下している。

 そんな僕が、六月六日さんにどうこう言う資格なんて、ない。

 ならば、せめて僕だけでも、彼女を肯定しようじゃないか。

 決意を固めた僕は、疲れ果てて眠ったみたきちゃんを抱きしめる。

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