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僕とぼっちな彼女達  作者: 中高下零郎
中学校2年 中二が厨二で何が悪い(中二病)
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六月六日に嘘をつく

 初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。

 高下中、中学二年生になりました。

 小学校の時に知的障害者であるみたきちゃんと知り合って、みたきちゃん係となった僕は、友達以上恋人未満な関係を続けています。

 中学校一年の時に地味で友人のいない文学少女、赤石京子さんが友人が欲しいのではないかと勘繰った僕は彼女の所属している文芸部に入り、そこでその予想が間違っていなかったことを知ります。

 そこで赤石さんをイメチェンして、友人ができるようにしようと意気込んだのですが、

 赤石さんは髪をおろして眼鏡を外すだけで美少女でした。僕の手助けはいりませんでした。





「あ、高下君」

「や、やあ赤石さん」

「……」

「……」

「じゃ、じゃあ僕行くね」

「うん」


 劇的にビフォーがアフターした赤石さんは、友達もできて、部員も増えて、彼氏もできて、一気にリア充に。

 文芸部を去る時『これからはいちクラスメイトとして接させてもらうよ』なんて言ったけど、彼女にどんどんスクールカーストで差をつけられてしまい、なかなかいちクラスメイトとして接せないまま、2年生になってクラス替え。彼女とは別のクラスになってしまいました。

 まあ、彼女はもう僕がいなくたって大丈夫なんだし、彼女の事は忘れる事にしよう。




「さいきんね、むねがくるしいの。びょうきなのかな?」

「……多分、ブラが合ってないんじゃないかな、今日の帰り、新しいのを買いに行こう」

「ぶら、じゃー!」


 みたきちゃんは成長期なのか体がすくすくと成長していきました。特に一部分が。

 ……触りすぎたのかなあ、中学二年生にしては相当でかいぞ。

 中学二年生になって性欲の増してきた僕にとっては悩みの種です。

 何より心配なのが、体だけ大人になってしまったみたきちゃんを狙う男がいないとは言い切れない。

 みたきちゃんを言葉巧みに騙してあんなことやこんなことをする……これって僕の事じゃないか。


「みたきちゃん、僕以外の男の人に服を脱がされたり、胸を触られたりしたらぶん殴って大声で助けを呼ぶんだよ」

「はーい!」


 独占欲だよ悪いかよ。




 さて、僕の趣味はぼっちな女の子に優しくすることなのですが、幸か不幸か教室にぼっちな女の子が見つかりません。

 良いことなんだろうけど、なんだかねえ。

 行動範囲を広げて別のクラスや別の学年にしようか、流石に面倒くさいなあと教室で考えていると、


「何か最近さー、六月六日さん付き合い悪くない?」

「思った思った、何か感じ悪いよねー」

「何かウチらの事見下してる感あるしさ、もう絶交しちゃおうよ」


 女の子の陰口合戦が聞こえてきます。

 どうやらクラスメイトの六月六日青光えんばん・せいこうさんが中学二年生になってから印象が悪くなったので友達やめようよという内容のようですね。

 僕は中学一年の時の彼女を知りませんが、クラスメイトとしての彼女は何だかクールな印象です。



 女子勢の会話通り、数日で六月六日さんはぼっちになってしまいました。

 女の子って怖いですね。

 ただ、彼女の変化が女子には不評でも、男子にはそれなりに好評だったそうです。

 何でも中学二年生になってから、彼女は3人の男子に告白されたとか。

 確かに背は高めだし、整った顔立ちをしているし、クールな印象とマッチしていて人気の出そうなタイプだと思います。

 しかし彼女は全て断っています。



 タイミング良く、席替えで僕は六月六日さんの隣の席になりました。

 というわけで彼女とのコミュニケーションを図ってみましょう。


「やあ、よろしくね、六月六日さん」

「……よろしく」


 席替え後の休憩中、僕は精一杯のスマイルで話しかけてみましたが、向こうはつまらなそうにこちらを一瞥してきました。

 しかしめげません、みたきちゃんと、赤石さんとコミュニケーションを取ってる僕なら、できる!


「何聞いてるの?」


 六月六日さんの耳にイヤホンがはめられていることに気づいた僕は、音楽の話でコミュニケーションしようと考えました。


「……」


 六月六日さんは面倒くさそうにイヤホンを片方こちらに寄越してきます。

 その表情からはお前なんかに私は興味ないんだよという感情が読み取れます。

 イヤホンをはめると、聞いたこともない音楽。

 歌詞も聞き取れません、恐らくは洋楽でしょう。あんまり女の子が聞くような音楽ではないと思います。



 時には、優しい嘘をつかないといけないこともあるでしょう。


「ああ、この曲か」

「……! 知ってるの?」


 途端に彼女の顔色が変わります。


「え、ええと、うん、父親が聞いててね。その影響で」

「そうか、いや、この曲知ってる人がいるなんて、思わなかったよ。私、六月六日青光って言うんだ」

「うん、知ってる。僕は高下中だよ」


 彼女は随分と上機嫌だ。彼女は携帯電話を取り出すと、


「ねえ高下中君、携帯かパソコン持ってる? アドレス交換しない?」


 なんと自らアドレスの交換を申し出たのです。


「え、うん。携帯もパソコンも、アドレスは持ってるけど」


 言われるままにアドレス交換。学生が携帯電話を持ってて当たり前の時代ではなかったので、

 なんと始めての女性メル友が彼女となりました。



「それじゃあ、私はこっちだから。また明日」

「う、うん」


 放課後になり学校の正門で彼女と別れた後、みたきちゃんを迎えに養護学校まで歩きながら、罪悪感に苛まれます。

 軽い気持ちでついた嘘で、あそこまで彼女に好印象を与えてしまうとは。

 困ったぞ、あの曲について僕は全然知らないから、話を合わせるために調べることも難しい。

 インターネットを駆使してどうにか調べようと考えているうちに、養護学校の前につきました。


「あ、あたるくん。うう……」


 学校の前でみたきちゃんが待っていましたが、何だか今日は悲しそうです。


「どうしたのみたきちゃん、何があったの?」



「きょうね、しんたいそくていってのがあって、おいしゃさんがわたしのふくをぬがそうとしたからおもいきりなぐったの。そしたらすごくおこられちゃったの。なんで? わたしあたるくんのいうとおりにしたのに」

「……」



 本当にごめん。



 家に帰って彼女の聞いていた曲について調べようとパソコンを開くと、早速六月六日さんからメールが届きました。

『このグループもお勧めだよ、あのグループのギタリストが昔いたバンドなんだけど』

 という文章と、添付ファイルとしてmp3ファイル。

 ファイルにはグループの名前と曲名が書いてあったので、それと彼女の文章を頼りになんとか今日聞いていた曲の情報を手に入れることができましった

 さて、話を合わせるために勉強しておかないとな、とその日は音楽鑑賞に勤しむのでした。




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