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準備不足なデスゲーム

掲載日:2026/09/14

 気が付くと知らない部屋にいた。


 周囲には見知らぬ顔が数名。


 皆一様に戸惑いを浮かべて、お互いを見合っている。

 

 顔面レベルは総じて低い。

 

 そして部屋の真ん中には巨大なスクリーンがあり、プロジェクターによって台形補正が不十分な映像が映し出されている。


 

 その映像に、突如としてお面の男が映った。

 

 仮面ではない。


 お面だ。


 お祭りで見かけるあれだ。


 意外と1000円ぐらいして、驚くあれだ。



 しかも、お面のキャラクターはなんだか分からない。


 ちいかわにも見えるし。


 うさまるにも見える。

 

 その不明瞭さがいっそう不気味さに拍車をかける中、お面の男は頭を小刻みに動かした。


 誰かが叫ぶ。


 「ミュートになってるぞ!」


 誰かの言うとおり、画面左下のマイクマークに斜線が出ている。


 しばしあって斜線マークが姿を消すと、はじめてお面の男の声が明らかになった。



 「か…に…た…」


 スピーカーの性能不良なのか、はたまたWi-Fiの調子が悪いのか、お面の男の声は途切れ途切れにしか聞こえない。


 「べ…ほ…」


 「なんだなんだ、何を言っているのか分からないぞ!」


 若いのかおじさんなのか分からない男性が悪態をつく。


 お面の男が構わず続ける。

 

 「う…だ………い」



 「『カニ食べ放題』だとっ?!!」


 無職と言われても何も驚かない風貌の男性が、激しく興奮する。



 俺たちはいったいどうなってしまうのか?


 そしてお面の男は何者なのか?



 答えはカニのみぞ知る。

「カニ」好きですか?私は苦手です。

ときどき町中がカニだらけという悪夢を見ます。

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