「婚約破棄? 結構です」――悪役令嬢に仕える俺(執事)、性格が悪いと追放されたが、冷酷無比な『知略』で没落予定の主をプロデュースし、俺たちを捨てたアホな王子と聖女に完璧な復讐(ざまぁ)を叩き込む
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「たかが執事の分際で、俺の『聖女』を侮辱するのか!」
俺、ヴィンセントは、公爵家(悪役令嬢)に仕えるただの執事だ。
だが、その実態は『知略』と『交渉術』で主家の全てを裏から支える、冷酷で『性格の悪い』影の実力者。
ある日、俺が仕える主(お嬢様)が、アホな王子とその隣に立つ『聖女』によって、謂(いわ)れなき罪で断罪される。
もちろん俺は、完璧な論理(ロジック)で王子たちを『論破』し、お嬢様を弁護した。
だが、逆ギレした王子によって、俺とお嬢様は二人揃って「追放」処分。
着の身着のまま放り出されたのは、魔物が跋扈(ばっこ)し、人も住めぬ最果ての『ゴミ領地』だった。
絶望に泣き崩れるお嬢様。
だが、俺は冷ややかに笑うだけだ。
「婚約破棄? 結構です。むしろ好都合だ」
「お嬢様。ここからが本番です。俺の『冷酷無比な知略』で、あなたを最強の名君にプロデュースしてみせましょう」
これは、全てを失った『性格最悪』の有能執事が、没落予定の主(悪役令嬢)を『最強の領主』に育て上げ、自分たちを捨てたアホな王子と聖女、そして王国そのものに、陰湿かつ完璧な復讐(ざまぁ)を成し遂げるまでの物語である。