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プロローグ
どんな物語にも悪役は必要だ。主人公を引き立てるためなら猶更そう思う。エンターテインメントを提供し、やられ役は見るものすべてに快感を与えるそんな役回り。
トラックの眩い光を見つめてフラッシュバックしたのは、親とか友達......じゃない。
学校には友達なんて少なかった。世界の中心で陽キャリア充が叫んでる中、俺は隅っこ暮らし。本当に無と言ってしまえばおしまいだ。
つまりはだ。半生のほとんどをアニメやらゲームやらに費やしていた自分がで死の淵で考えたことは、PCに残った積みゲーどうしよってことだ。
さようなら。俺のコレクション達。
目を閉じ衝撃が来るのをずっと待った。
だが、一向にそれは来ない。瞼を閉じ切った暗闇の中、耳元で囁く声があったのだ。
自分の死さえ碌に選べなかった俺にチャンスが降り注がれた。
―――――汝、試練を全うするか?――――
未だにこの声が誰の者かは分からない。
でも、今なら思う。俺はここで引き返すべきだったんだって。
俺は我が身助かりたさに首を縦に振って他人の人生を歩み始めた。
これは、きっと神が俺に与えた罰。授けられた試練なのだと。
大勢の人を害した自分が贖罪できるだなんて思わない。
これが御心なのだから。
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