至福のヒトトキ
掲載日:2009/12/08
風呂上り、ゆったりとしたスウェットに着替え、リヴィングへ。
すでに子供たちは眠っている。
妻も先程、寝室へ上がっていった。
俺はテレビを消し、徐に冷蔵庫の前へ。
そして、一ヶ月以上前から冷凍庫の中に放っておいたウィスキーを取り出す。
キンキンに冷えたウィスキー。
手触りのいい角瓶の凹凸についた霜を手で払い、キャップを開ける。
液体が注がれる時の、トクッ、トクッ、という音。
グラスに入ったロックアイスに溶けていく琥珀色の液体。
常温時よりも冷やされてトロみのあるそれを、恐る恐る口に運び、一気に飲み下す。
液体の通った舌先や咽喉や食道、胃袋が一閃冷やされ、あとからジワジワ痺れを伴い熱を持つ。
ついで体が温められ、口の中に甘さが広がる。
大きく息を吸い、吐く息が鼻孔を甘く痺れさせる。
俺は、温泉にでも入ったような顔をして、その一口を、味わう。
至福の一時。




