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せっかくの異世界なのにハードモードな模様  作者: シャルシャレード
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第4話 異世界転生

かくゆう自分も中二病でした。

『仲良くなれそう』


その言葉を思い出ながらその後の授業を受け、あっという間に6時間目の授業が終わった。

大袈裟ではない。

そんな言葉を言われたのは生まれて初めてなのである。



今日の時間割では本当は7時間目まであるのだが、うちのクラスはなぜか6時間目で切り上げた。


授業後のHRが終わった時に、

『天城さんが親睦を深めるために少し時間が欲しいとのことなので残ってあげてください。』

と言い、先生は退室した。


なるほど、そう言うことか。


天城さんは立ち上がり、堂々と教卓の前に来た。

『みんなと仲良くなりたいので裏にある、丘まで付いてきて欲しいです。

なにをやるかは秘密です!』

そう言いながらウインクをする。それを見た男子からは歓声が上がる。


そして、俺からは悲鳴が上がる。

天城さん、丘はやばいですって、まさかあれを、あの病気をカミングアウトするんですか?その上で新しい学校生活を始めるんですか?


大志の心は止めるべきか行かせるべきかの葛藤と厨二病であった頃の自分とそれが元で心に傷を負ったことを思い出し、1人だけ別の意味で騒いでいた。

秋が深まる頃なのに暑い暑い。


しかし、止めるタイミングもないまま丘についた。

そこには精巧に作られた魔法陣と小さく書かれた漆黒の炎バルバロスの文字が。

葛藤する大志と天城の目が合う。

天城はニコリと笑う。

終わった何もかも。多分俺も巻き込まれる。

1人覚悟を決める大志。


天城さんが満面の笑みで口を開く。

『今から、アナタたちは私たちと一緒に、敵と戦ってもらいます。この世界で言う異世界転生ってやつです。ちなみにこの学校を選んだ理由はスポーツ、特に武道や体術系が特に強いからです。』

やった、やったよこの人。

怖いもの知らずの天城。

それを見てのたうちまわりたくなる大志。


しかし、そんなことはお構いなしに続ける。

『質問はまだ受け付けませんし、拒否権は無いです。すでに目星を付けた、いくつかの学校の優秀な生徒がいるところをクラスごと引っこ抜きます。』

全く隙を与えず、捲し立てるように言った。


しかし、クラスメイトの頭からは?マークが出ているのがはっきり見えた気がした。

俺を含めた厨二連中は全てを察し、哀れんだ表情で天城を見つめる。



『異世界ってなんですか!?戦うってなんですか!?』

クラスの委員長は天城に尋ねた。

さすが委員長。

しかし、その直後に委員長は倒れた。

『まだ質問するなと言いましたよね。』

急に倒れた委員長にクラスは狼狽た。

しかし、大志を含めた中二病連中は感心をしていた。

クラス委員長は理解してくれたのかよ。

しかも芝居うま!!

俺も後でやってみよう。


『彼は大丈夫です、気絶しただけですから。それよりも、私たちと一緒に頑張って勝ちをもぎとりましょう。あちらには案内もいますから。それでは。』


一瞬、魔法陣が光った気がした。


その刹那、目の前が真っ暗になったが、次の瞬間には森の中に居た。

理解は追いつかなかったが、異世界転生なのかと直感した。


『じゃあ、天城さんは厨二病患者じゃなくてガチの異世界だったのか。』



後で謝らなくちゃ。


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