プロローグ
どうぞよろしくお願いします。
少し広めの部屋の中で3人の少年少女を前にして1人の少年が神妙な面持ちで正座をしている。
『訓練じゃなかったら死んでいるぞ!』
立っている方の少年が声を荒らげる。
『すまん。』
この少年の名は千田大志。
座っている方の怒られている方の少年の名だ。
『ほんと、頭悪いわね。翔太を少しは見習ったどうなの?』
『隙があるときに、あそこでなんで詰めないの?アタッカーなのに。』
2人のクラスメイトの女子に詰め寄られる。
本来は詰め寄られたら喜ぶ男なのだが、
詰め寄られる少年──千田大志はそんな感情は一切湧かず何も言い返せず、ただただ下を向くしかなかった。
大志は訓練で失敗をしてしまったのだ。内容はランダムで4人組を作り仮想の魔物と戦うものだったが、大志は他の3人に全くと言って良いほど着いてはいけなかった。
『すまん。』
少年は謝ることしか出来なかった。
ここに来て1ヶ月ほどとはいえ、剣術や槍術など結構な努力はしているつもりだが強いスキルの恩恵を受けた者に対してはその努力の成長は無に等しかった。
彼らは高校のクラス30人全員で転生してきた。千田大志は最下位だった。いわゆる落ちこぼれだ。
そんな彼のできることは心の底から出る気持ちを精一杯叫ぶしかなかった。
(なんでせっかくの異世界なのに俺だけはハードモードなんだよぉ!)
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