第8話 ドラゴンハウス
商会を出て、いただいた土地まで来た。
隣が孤児院と聞いていたが、広い土地ということもあり、特別近いという感覚もない。
孤児院の目の前に、騎士所があり、その騎士所の横に教会があるようだ。
教会の後ろがスラム街のようで、少し覗いてみたが空気がちょっとだけ淀んでいるように感じた。
伝えた通り、冒険者ギルドも近くにあることを土地に辿り着く前に冒険者ギルド横を馬車で通ってもらい確認した。
土地にたどりつき、『フライ』を心の中で唱え、自身の土地になった範囲をおおかた確認した。
「無詠唱なのですね」
地上に降り立つと、少し驚いた様子のフェリスさんが聞いてきた。
フライができることをジーズさんが伝えていると思ったのだけど、違ったのかな?
あっ、俺がルミちゃんと空を飛ぶとき、ジーズさんは気を失っていたから無詠唱については知らないか笑笑
「風魔法得意なんですよ」
すべての魔法属性カンストの☆10個だが、風魔法に秀でているということにした。
嘘はついていない。
フライは因みに、風魔法☆6個に位置する。
フライを覚えたら、1人前と認められる旨を、ゲームをしていた際、NPCが言っていたことを覚えている。
「大工の紹介も致しますが、どうしますか??」
「家なら、マジックアイテムバッグに入ってますので大丈夫です」
「はい??」
フェリスさんは、右横に首を傾げる。
「えっ!?」
俺とフェリスさんの話を聞いていたルミちゃんは尊敬の眼差しのような顔で俺を見てきた。
キラキラとした笑顔で可愛い。
あぁー、結婚してくれないかな笑笑
「よいしょっと」
そこまで怪しくない大きさにしとこうと思い、一戸建ての大きさの家を出した。
家と一緒に、庭にテラス席や噴水などが設置された。
『ちょっと、ホームメンバー気合入りすぎだよ』と、心の中で思った。
実際に、目のあたりにするのとゲームの中でこんなのがありますよーと説明されるのとでは大きく違うことが分かった。
ゲームしているときは、へぇー噴水かーと思ったけど……。
いざ、噴水に近づいてみてみると、なんとも心が落ち着く。
見ていて気持ちが良い。
噴水の下の部分に俺の名前『ゆきと』と彫ってあるのは少し恥ずかしい。
☆☆☆☆☆
フェリスさん達は、庭の中に設置されたテラス席などを見た後、帰って行った。
腰を抜かした様子のフェリスさんとジーズさん。
そして、ひきつった顔をしているお付きのメイドさんたち。
ルミちゃんの輝いた瞳が記憶に残っている。
「さすがに、ホームメンバーはいないか」
もしかしたら、建物を出したら出てくると思ったのだが、出てこなかった。
とても残念。
『メモ』
・主人公の拠点はゲーム内で、ドラゴンハウスと呼ばれています。
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