第3話 チェンジミラー/魔法名フワフワウェーブ&エメラルドビーム&アクアヒール/ルミちゃん(∞◍>◡<◍)…✧♡
背中に杖をロープでくくりつけ飛ぶこと数分。
俺が発生させた強風によって飛んでいった木が、見事地面にいたゴブリンへとぶつかった。
俺の視界に経験値を獲得しましたと表示された。
次のレベルアップに向けての、バーが上がっているのを見るに、もしかしたらドラゴンゲートⅡでバージョンアップして、レベルは9999以上を越えれるのかもしれないと期待が高まった。
『やったね。わくわく』
ちょうど、人の通る道に出たので、どちらに街があるのかは分からないが、人道の続く方へと進むことにした。
ゲームの世界だと仮定すると、中世ヨーロッパ風な世界。
なぜか、ゲーム内のアバターではなく、現実世界の俺のまま。
そうなると、黒髪、黒目は珍しい。
そう思った俺は、ホームメンバーのドワーフと魔族のサキュパス族の共同作成で作られたアイテム、『チェンジミラー』を使用して、髪の色を茶色、瞳の色を水色に変えた。
髪の色や瞳の色は、ゲームで俺が使用していたキャラクターの色だ。
正直、チェンジミラーを作成するのに必要なサキュパスをホームメンバーに加えるのがかなり苦労した。
娼館(キャバクラと似た感じの認識でお願いします)に、ゲーム内で何度も通い、素敵なプレゼントを渡して、好感度を上げるアピールしないといけないからだ。
普通の品を渡しても、なかなか喜んでもらえない為、工夫を施した品をプレゼントしなければならない。
「ヒヒーン」
空を飛びながら、マジックアイテムバッグから、プラスティック容器に入ったアイスカフェラテを取り出し、飲んでいると馬の声が聞こえた。
アイスカフェラテ、実に美味しい。
☆10個のコーヒー豆にミルクを使っております笑。
コーヒー豆育てるのが大変だった。エルフを30人以上ホームメンバーに加えたからね笑
ミルクは、羊獣人族と牛獣人族にお願いしたし。
「モンスターに襲われてるね」
馬の鳴く方向を見ると、馬車がモンスターに襲われているのが見えた。
▽オークのイノジジ
・レベル30
敵の種族や名前、レベルなどの分かるマジシャンのメガネを着用していた俺。
「馬を操る御者のおじいさんのレベルは、25で、馬車に乗っている女の子のレベルは5か。弱いな」
オークのイノジジの他に、3匹のオークが馬車を追いかけている。
2頭の馬は、足に弓が刺さってケガをしているようで、スピードがそこまで出ていない。
ドラゴンゲートⅠで、スピードの速い部類に入る、いのしし系統のモンスターオーク。
追いつかれるのは時間の問題だろう。
「お嬢様、安心してください。街までもう少しです。街の灯台の騎士の視界に入れば討伐隊の騎士が来てくれますので」
フライのスピードを上げて、馬車の近くまで来た俺。
馬車に乗っている女の子を心配する御者さん。
「爺や」
女の子は小さな言葉で御者のおじいさんに返す。
その声はとても震えていた。
『おぉ、かわいい』
馬車の小さな窓から見える女の子。
可愛くて、これは、たすけなきゃという気持ちになった。
可愛いは、正義。
「ブヒー!!」
槍、斧、弓を各々持ったオークたち。
「あっ」
馬が、転倒した。
そのまま馬車も横へと倒れて行く。
御者の人は、オークのいる方向とは逆の方へと吹っ飛んでいく。
「ふわふわウェーブ」
風や水などの合成魔法の1つ。
雲のようなふわふわで、御者を守る。
「よしっ、成功」
御者は気絶しているようだ。
マジシャンのメガネで、生きていることは確認。
「それじゃ、いっちょやっちゃいますか」
魔法の暴走をされたら困るので、とりあえず、左手にマジシャンの杖を持ち。
魔法名を唱える準備をする。
「エメラルドビーム」
風で作られた緑色の光線。
因みに、火ならフレイムビーム、土ならアースビーム、闇ならダークビーム、氷ならアイスビームなど幅広くご用意しております。
俺が一番好きなのだオーロラビームだ。
今回使用しているマジシャンの杖は、マジシャンの杖(風)のため、エメラルドビームを採用した。
「おおぉー。貫通」
杖の上部付近に急速にチャージされていく緑色のバチバチ。
オーク3匹を見事に貫通した。
ゲームでは、貫通するシーンはないので、実際目のあたりにすると驚く。
☆10個のマジシャンの杖(風)は、照準補正も☆10個で最大だ。
杖を振って、エメラルドビームを発動したと同時に、心臓付近を貫いた。
各々持っていた、斧、槍、弓、身体が地面へと落ちて行く。
「収納でいいのかな?」
アイスカフェラテを右手で持ち、ストローで飲みながら、俺はオークたちを見ながら杖を前に出し、収納と唱えた。
ゲーム画面では、自動で収納されるから、収納とは唱えない。
魔族とドワーフの共同制作で作るマジックアイテムバッグの容量がいっぱいの時に、『持つことができません。捨てるか諦めてください』と表示されるだけだ。
オーク3匹とオークの持っていた武器などを無事収納した俺は、馬車に近づくことにした。
「こんにちはー」
「こっ、こんにちは」
かなり怯えた顔で俺をみる女の子。
マジシャンのメガネで表示されている内容だと、身長152cmの小柄で小さき女の子、少女だ。
年齢は15歳。性格は、負けず嫌いと表示されている。
その15歳の少女は、小刻みに震えている。
とても可愛らしい女の子で、抱いているうさぎのぬいぐるみが可愛さを引き立てている。
抱きしめられているうさぎのぬいぐるみは少し変わいそうなことになっているが、口にするのは野暮と言うものだろう。
「えっと、御者のおじいさんが起きてくるまで、モンスターから守ってあげますね。良かったら、飲みますか?落ち着きますよ??」
ホットミルクをマジックアイテムバッグから取り出す。
容器もこだわっており、ガラス製だ。
コップには、うさぎが描かれている。
ほんと、ホームメンバー、良い仕事してますねー笑
「ありがとうございます。うさちゃんだー」
俺にお礼を言うときは真面目な顔だが、一転変わって嬉々とした表情でコップを受け取った少女。
「どうですか?お口に合いますか?」
「おいしいです。ありがとうございます。えっと……、お名前お聞きしてもよろしいですか?わたしは、ルミと言います」
うん、おいしいと言った具合に頭を縦に振ったあと、名前を教えてくれた女の子。
「自分の名前は、雪斗です。ルミさん、よろしくお願いしますね」
「はいっ。ゆきとさん」
『にこにこっ』とした顔で俺を見る女の子。
あっ、好きかも。
ずっきゅん、俺の中で何かが弾けた気がした。
ロリコンと言うわけではない。
もしも、俺に妹がいたらこんな感じなのだろうと思ってときめいただけだ。
これぐらいの年の女の子だったら、『俺の強さを利用してー』とか考えての俺へ向けた笑顔ではないと思う。
女の子の屈託のない笑顔は俺の心をあったかくした。
「たかーい。すごいです、ゆきとさん」
360度、馬車と御者のおじいさんを守る為、ルミちゃんをお姫様抱っこした状態で空に飛んだ。
お姫様抱っこしたのは、背中に背負うおんぶみたいなのもなんか、違うなと感じたからだ。
ケガをしている馬には、ちゃんと水魔法の一種である回復魔法の『アクアヒール』で治癒させた。
ケガを治した後、マジックアイテムバッグから木の桶を取り出し、水魔法で水をため馬に飲ませた。
それと、俺のゲーム内でのホームメンバーだった兎獣人族が栽培したラビットキャロットを馬に食べさせた。
2頭の馬は、満足そうに食べていたから、とてもおいしいのだろう。
俺も、後で焼いてから食べよう。
甘いニンジンのはずだから少し興味あるんだよね。
「わっ、わたしは……。おっ、お嬢様。お嬢様いらっしゃいますか??ご無事でしょうか?」
目を覚ました御者のおじいさん。
目を開け、なにが起こったのかを思い出したようで、お嬢様ことルミちゃんの心配を始めた。
「爺やー。ここだよー。ルミはここだよー」
空の上から聞こえてくるルミちゃんの声を聞いて、上を見上げるおじいさん。
驚いた眼で、ルミちゃんと俺の顔を見る。
一瞬、心配しそうな顔をしたが、ルミちゃんの笑顔を見て、なんとなく把握したのだろう。
俺はルミちゃんと一緒に地上に降りたのだが、特に敵意のある態度はとられなかった。
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