4話 身に宿る力
遅くなってすいません。
天原の掛け声で士気があがったのを見て王は口元を少し緩ませる。
ある程度情報が分かったからなのか、クラスメイト達も少し落ち着いてきたようだ。
「それでは次に皆様に宿っている力を拝見させて頂きます。」
そう言いながら玉座の後ろから、紫色のローブを着た人がプレートを持ちながら出てくる。
ローブの色が紫ってだけでも怪しいのに大きい目玉が描かれた仮面を被ってるもんだから、余計に怪しい。完全に敵役の魔術師なんですけどw
そんな事を思ってる間にもローブの人は話しを続ける。
「簡単に説明させて頂きますが、この国の人は何かしらの特殊な力を持っています。大体の方が1つだけですが、多い方で3個。過去の英雄と呼ばれる方達で5〜6個程でございます。」
それはどんな力なんですか?天原が質問する。
「簡単に説明させて頂きますが、様々です。」
……いやいや、簡単過ぎるだろwってか説明になってないし!その様々が気になるんじゃん。
分かった。
……えっ?分かっちゃったの!?天原君はエスパーの才能もあったの?なんて馬鹿な事を考えていたら天原が言葉を続ける。
じゃぁ、まずはオレから見てくれ。
どうやら説明なんてどうでも良かったらしい。なぜ聞いたんだ天原君よ。
「分かりました。では玉座の前にいらして下さい。」
そう言われ天原が玉座の前に行く。
「では、このプレートに血を一滴たらして下さい。」
天原はローブの人から針を受け取り指に刺す。そうして出た血をプレートに垂らす。するとプレートが光出し、文字が浮かび上がった。
プレートに浮かんだ文字を皆にも見えるように紫ローブが魔法で大きなモニターみたいな物を作り出す。
アマハラ コウ
天原 煌 (勇者)
(英雄の鼓舞) (不屈の意志) (窮地覚醒) (全能者)
(???) (???) (???) (???)
力が8個あるだと……。
王もさすがに驚いたのか、ちょっと面白い顔をしている。しかしすぐに冷静になり声をかける。
さすがは召喚されし勇者だ。お前の力はこの世界を救う鍵になるだろう。王は嬉しそうな顔で言う。
オレは全く自分の力について分からないんですが、説明してくれますか?
まぁ、確かにカッコいい事が書かれてるだけで力の内容は全く分かってない。でも紫ローブの説明からするに、力が8個は以上な部類だろう、現に王以外の人も驚いてるし。こりゃこの異世界の主人公は天原だな。
「この力は自分に宿る物です。今までは力の名前が分からない状態でしたが、分かった今なら自分の中で問い質せばどんな物かは把握できます。」
紫ローブにそう言われ、天原は自問自答をする。
「まだ分かっていない力に関しましては今後成長して行く過程でわかるようになると思います。
それでは次の方どうぞ。」
まぁ、最初から最強じゃ、試練いく意味とかもないしね。それとも試練の力は別なのか?
はーい、次は私が行きます!
そう言って前にでたのはクラスのアイドルの姫野だ。
ヒメノ アリサ
姫野 亜里沙 (勇者)
(絶対治癒) (リフレッシュ) (光の加護) (???)(???)
おー、姫野さんも5個ある!あれを見る感じだとヒーラっぽいな。クラスのアイドルでヒーラとか、この力を与えた人は分かってらっしゃる!
凄いじゃん、亜里沙!
良かったね亜里沙ちゃん!
おーい、姫野、身体が痛いから癒してくれ。
やめとけ、お前には天と地がひっくり帰っても無理だ。
おーい、姫野、心が痛いから癒してくれ。
さすがはアイドルだけあって皆から声がかかる。
天原君。わたし足手まといにならないように頑張るからよろしくね!満面の笑みで姫野が言う。
あぁ、よろしく頼むよ亜里沙。君の力は必ず役に立つからね。
完璧にお似合いな2人だと思う。1年の頃からこの二人は有名だった、でもクラスが違うから今までは接点らしい接点は無かったのだが、3年になりクラスが一緒になってからは交流ができ今では2人で一緒にいる時間が多い。
正に主人公とヒロインだな!まっ、主人公はハーレムだろうから、他にも女が出来るだろうけどw
せんな思考をしてる間にもどんどん力の把握が進んでいく。
ゴウダ ケント
豪田 拳斗 (勇者)
(拳王) (加重打撃) (一撃入魂) (???)(???)
豪田よ……拳王ってwどこの世紀末覇者だよwでもピッタリだよ!頑張ってこの世界の覇者になってくれ!!あっ、それだと天原と敵対する事になるからないか!
さーて、オレもそろそろ行くかなー。
「では貴方で最後です。どうぞ。」
げっ、一番最後かよ。まぁーいいやー!
ヒムロ ソウト
氷室 槍人 (???)
(魔獣の刻印) (氷特化) (???)
オレの力が映し出されると辺りがざわつく。
ってかなんでオレだけ勇者じゃないの?それに魔獣の刻印って何だよ!!確か試練の最奥も魔獣だったよね?まさか、オレを倒せば力が手に入るとか言わないよね。めっちゃくちゃパニクりながらふと思い立ち王の方を見る。
物凄く嫌な物を見る目でオレの事を睨んでいた。
力の詳細などはその都度やって行こうと思ってます。