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仄暗く温かな部屋で漂い、その日を待つ。

君に会える日だ。

長い間、君には無理を強いてきた。

もうすぐ、もうすぐ会えるよ。


最初に僕に触れるのが君じゃないことは我慢するよ。


眩しいくらいに明るい世界から、一瞬にして絶望の世界へと突き落とされた気分だ。

声を張り上げる僕の傍らで、君の命の灯火か消えようとしている。

慌ただしい室内で、僕は何も出来ないまま、ただ泣き叫ぶしかない。非力だ。


「残念ですが、母体が持ちませんでした……」

何を言っているの?

やっと会えたのに。ずっと君の中にいたのに。

嫌だ。

また離れ離れになるなんて。

ひとり残されるなんて。


恋敵に育てられるなんて、真っ平御免だ。

ああ、神様!

いっそ僕も彼女の元へ……!

それが叶わぬのなら、せめて僕の記憶を奪ってください。


ああ、愛しい君よ。

今度は僕が、君を産んであげる。

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