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乙女ゲーム転生

エンディングまで、待っていられない

作者: ちゃとら
掲載日:2017/01/29

目にとめて頂き、ありがとうございます。

乙女ゲーム転生シリーズ、これにて最終話です。

楽しんでいただければ、嬉しいです。

「ルチア、私が、隣国へ旅立ったら、どうする?」


私に話しかけているのに、どこか遠くを見つめているお兄様。


ヒロイン様が退場してから、数日後、学園のお休みを利用して、幼少の頃から一緒に行っていた

湖畔にお兄様と二人で訪れていた。


今日も湖は穏やかで、キラキラと輝いていた。


「…行かないで。と、止めますわ。それでも無理なら、着いていきます。」


どこか、ぼんやりとしながら、そう答えた。

今日の、お兄様は、酷く脆い。

正確には、ヒロイン様が退場した日から…だ。


「ルチア、私は、独占欲がどうやら強いらしい。そして、酷く心が弱いようだ。」


「…知ってますわ。」


私が、大事、なんでしょ?

それでも、復讐を、忘れられないんでしょ?


心のどこかで、感じてた。

お兄様が、私を妹として、見ていないんじゃないかと。


それでも、あえて、妹としてふるまっていた。

何故なら、お兄様には、ヒロイン様が居るから。

後に、自分とは違う女性をみる人とわかっていて、好きになるのは辛い。

なら、最初から、妹でいるしか、ないじゃないか。


そして、妹としての、その一線を引いている限り、お兄様を完全に癒してあげられて

いないことも。


でも、ヒロイン様ではなく、私を選んでくれるというなら。

私を傍に置いてくれるというのなら。


「私が、大切なら、ここにいて。ここにいるのが、辛いのなら、一緒に連れて行って。_____ジェード。」



お兄様は、自分の心が脆いというけど、それは私も一緒。

自分が傷つきたくないから、一線を引いてた。

癒したいとか、言ってるくせに…だ。


愛を注ぐにしても、同等の量をかえして欲しがる私こそ、独占欲が強い。


そんな私で、いいなら。


一緒に、いさせて。



いつもみたいに、飛びつかない。

横に居る、居てくれるお兄様…ジェードの顔を両手でつかみ、そっと自分の胸に押しやる。

そして、そっと耳元で囁いた。


「…大好きです。」


私はヒロイン様じゃないけど、好きでいさせて、下さい。

そう、精一杯の告白をした。


………。


ジェードの反応が無い。

私の胸のところに顔を埋めたまま、動かない。


告白失敗?

そう思い、顔を覗き込もうとしたら、顔を赤くしたジェードと目が合った。


「…ルチア、大きくなったね。胸…成長した。今後が楽しみだよ。」



「~~~~~!!!!!」



忘れてた!18禁スレスレエロエロ攻略対象者だった!!

返せ、私のシリアス先生返せ!!!


酷いと言いながら、ジェードをバシバシ殴った。

本当に私の覚悟を返せーーーーー!


笑いながら、私の攻撃を軽く受けとめた後、両手をギュッと握られ、

そのまま抱きしめられた。

今度は、私が、ジェードの胸の中だ。


「ルチア、ありがとう。」


まだ、私は弱いままだから…

そう、震えながら言葉を紡ぐジェード。


「君の傍にいさせて。ルチア、君と未来を歩きたい。」


また、心が曇って、雨の音が止まない日がくるかもしれないけど

君がいれば、きっとまた、前を向いて歩ける。


そう呟いて…

そのまま、いつものように、髪に、頬にキスを落としてくれた。


でも、今日は_____________。


ジェード、唇に、キスを、下さい。




ゲームとは、違う未来。

エンディングスチルとは、ほど遠くて。

それでも、私は、幸せで。

私を抱きしめてくれる、ジェードも幸せそうだから。

このまま、二人で、ハッピーエンドを目指してもいいですか。



お読みいただき、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ハピエンですね。良かったです。 いろいろ書いていただいて楽しかったです。 できればヒロインが誰を攻略したのか知りたいです。
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