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鎖と星

あぁ、今の私は、左手を鎖に繋がれながら、夜空の星に手を伸ばしているようなものだ。

短い鎖をいっぱいまで引っ張って

短い手をいっぱいまで夜空に伸ばして

そうして、届くはずのない光に必死に無様に手を伸ばしているのだ。


始めは長く感じていた鎖。

むしろなぜもっと短くならないのかと、思っていたはずなのに。

今の私にはこれでも短いのだ。

たとえどれだけ鎖を長くしようとも、地に縛られた私の手が星に届くわけもないのに

あぁ、それでも手を伸ばさずには居られないのだ。


けれど鎖を外したいわけではないのだ。

むしろ、鎖が外れてしまうことに怯えてすらいるのだ。

鎖が外れることで、私の足が地から離れ、必死に星へと地面を蹴って飛び上がったところで

空しく地面に叩き付けられるだけだという、事実を知りたくないのだ。

鎖があるから飛び上がれない

そんなくだらない理由にしがみついて、安全な鎖を左手でつかみ

必死に星へと手を伸ばしているのだ。



あぁ、なんとも情けない

滑稽で

無様で

最低な私。

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