初日で大失態!?の魔女 その2
サラは魔法を制御してくれるブレスレットをそっと外し机に置いた。そして再びきれいな玉に手を置いた。
なんだ何も起こらないじゃん、そんなことを考えながら手を玉から離そうとしたとき事は起こった。
『なんだこの色は!!』
サンダー先生が急に叫ぶ。玉が光を発したのだ。だがクラスの皆目を丸くしてサラの方を見ていた。なぜなら玉の色が白でも赤でも紫でも水色でもない、虹色に輝いていたからだ。クラスの皆がなんだあれはと騒ぎ始めてしまった。サラは急に注目を浴びとても緊張してしまった。だからこれは不可抗力だったことにしておこう。
サラは無意識に願ってしまった。お願いだからみんな一旦どっかに行って私を一人にしてと。
次の瞬間、教室内がまばゆい虹色の光りに包まれた。クラスの皆が目を開けるとなんと学校の庭の噴水の前だった。
生徒たちは皆混乱していた。
『一体何が起こったの!?』
『一体誰がこんなことを。』
サンダー先生が場を収めるためだろうか、魔法を使った。サンダー先生が呪文を口にした瞬間庭から植物のツル勢いよくが伸びて生徒たちに巻き付いた。
『いいから一旦皆落ち着いてくれ。』
サンダー先生はそう言って生徒たちに巻き付いてツルを解いた。
さっきの虹色の光は一体何だったんだ?あんなの今までで一度も見たことないぞ。そんなことを必死に考えていると一人の生徒が口を開いた。ケン王子だ。
『すみません、サンダー先生の考えごとを邪魔したくないのですがサラさんがここにいません。』
『何!?』
『おそらく教室内にいるかと。それに申し上げたではないですか。彼女は魔法をコントロールできないと、だから私は彼女に魔法を制御するブレスレットを差し上げたのです。』
『どういうことだ、まるでケン王子、あなたはサラさんが魔法を暴走させた結果このようになったと言っているように聞こえるが?』
サンダー先生はこの国でも上位5名には数えられるほどの実力の持ち主だが欠点が一つある。人の話をちゃんと聞かないのだ。普通これだけの力の持ち主だったら宮廷で王族に使えるマジックアドバイザーになれるのだが彼はこの欠点のせいで試験で落とされた。だからケン王子は思った。きっと職員会議での話を一切聞いていなかったんだと。ケン王子はサラについて学校内の教員全員に説明するように校長に言った。
魔法はとても複雑だ。魔法は誕生したときと比べて進化した。どうやら昔はただ願うだけで魔法が成立していたらしい。でもいつしか時を得て今では呪文を使わないと魔法は発動しない。
それでも例外はある。それは初めて魔法を使えるようになった日だ。その日だけは願うだけで魔法が発動してしまう。でもサラを連れてきた騎士に話を聞く限りサラが魔法が使えるようになった日、彼女は困惑していて何が起こっているのかあまり理解しておらず、何かを願った様子はなかったと。むしろ魔法を止めたがっていたと。サラが魔法を使えると発覚してから今日が二日目だ。
ケン王子はサラに小さな部屋で初めて会ったときなぜだか嫌な予感がした、ただ者でないそんなものを彼女から感じた。それに彼女の虹色の属性は未知なる存在だと感じた。だから制御ブレスレットを渡した。もし危険な存在になり得たとしてもブレスレットさえしてれば彼女は魔法が使えなくなるからだ。しかし、サラはブレスレットをアトリビュートで属性を調べるために外した。そして虹色の光に包まれ目を開けるとサラを除く皆が噴水の前にいた。ケン王子にとって予測を立てるのは簡単だった、タイミングがタイミングだ。
『サンダー先生、サラさんの属性は不明ですが1つだけはっきりしたことがこの件からわかりました。おそらくですがサラさんは呪文なしに魔法が使えるかと、そして無意識に私達を外に追いやったのでは?まあ皆がサラさんのことを見ていましたし。それにちゃんと職員会議に参加しなかったのですか?サラについて校長先生からお話があったと思いますが。』
『...。私は人の話を聞くのが苦手だ。それになぜ今サラさんのこと言う!ブレスレットを取るように言う前に言ってくれれば良かったのに。』
『僕も彼女の属性には興味があったので、アトリビュートではどのように光が発されるのか知りたかったのです。それにの時はまだ彼女は呪文なしに魔法が使えることを確信していなかった、ただ言えるのは彼女は普通ではないということです。』
嘘ではない、ケン王子は彼女の属性に興味があった。もしかして彼女の属性がアンダーワールドと何かしら繋がりがあるのではないかと。なんせ彼女はアンダーワールドと言う言葉を夢で聞いたのだから。彼女が重要な鍵になるのは間違えない。もしそれが兄上と父上に知られたら問題だけど。そんなことを考えてるとケン王子の近くにいたミナが口を開く。
『もしそれがほ、本当なら急いで教室に戻ってサラを助けに行きましょう!もっとサラの魔法が暴走しているかもしれません。』
『それもそうだな、生徒諸君!教室に戻るぞ。』
そう言ってサンダー先生は呪文を唱え始めた。サンダー先生の属性は土、本来ならこんな大人数のテレポートは気の属性の者でないと難しい、が彼はこの呪文を難なく使えてしまう。もう少し人の話を聞く能力があればいいのになんて才能の無駄遣いだ、なんて失礼なことを考えているケン王子であった。




