夢の中の魔女 その3
一方その頃、サラとミナの部屋にて。
ケン王子は眠っている二人を眺めていた。ミナがテレパシーを使ってサラの夢の中に潜り込んでからもう30分経っている。サラを包んでいた虹色の光が消えていることからするとミナはなんとかサラの感情を抑えることに成功しているはず。なんでまだ二人は目覚めないんだ?なにかきっと夢の中で会ったに違いない、理由があって夢から覚められない。一体どうやって二人を助ければ?魔法には魔法で対抗するしか...。
ケン王子が必死に考えた結果馬鹿げているがもうこれしかないと心に決めた。そして呪文を唱える。
「スプラッシュウオーター」
ケン王子が呪文を唱えると同時にサラとミナに水が勢いよくぶつけられた。
時は遡ること数分前。
サラとミナはどうするか必死に考えていた。バッシャーンという音とともに突然津波がやってきた。ここは海から離れた内陸にある場所。本来ならありえない。
『なんで津波が!?一体どこから来たの〜!』
『サラ、いいから一旦逃げよう。』
二人は走り始めた、でも津波は二人に追いついてしまった。そして二人は津波に飲み込まれてしまった。
サラは目覚めるとそこは自分寮のベッドの上だった。
でもものすごい違和感が合った。なんで私こんなにびしょ濡れ!?サラは髪から足先までものすごく濡れていた。
隣を見ると一足先に目覚めたミナとケン王子が立っていた。ミナもサラ同様びしょ濡れだった。
『ケン王子が私達が目覚めないのを不思議に思い、起こすために思いついたのが私達をびしょ濡れにするだったみたい。』
『...。だから夢の中で津波が。』
『まさかと思ったけどこんなので君たちを夢から救えるとは。』
『確証がないのに私達をずぶ濡れにしたんですか!』
『しょうがないじゃないか。とにかく怪我はないね?ねえ、サラ君のブレスレットは細工されていてすぐ壊れるようになっていた。何か心辺りは?』
サラは考える。そういえばブレスレットを外してアトリビュートに触れてみんなが消えちゃったとき教室に来た人物はひとり...。
『そういえば、私が一人教室で泣いてたとき通すがりの方が私にハンカチを渡してくれました。』
サラはそう言うとポケットの中からハンカチを取り出す。ケン王子はハンカチを見るなりその通りすがりが誰かわかった。この紋章は、兄上に違いない。そう、その上等なハンカチには王家の紋章が入っていた。
『それは兄上のものに違いない。ということはブレスレットに細工したのもきっと兄上だ。』
『なんでケン王子のお兄さんがそんなことを?』
ケン王子はだいたい検討がついていた。きっと兄上、カイはサラがあのアレか調べようとしている。父上の命令に違いない。まだこの事はサラには話せない、まだ彼女のことをよく知らない。とりあえずこの場をうまく誤魔化して乗り切ろう。
『きっと君の力を実際見てみたかったのだと思う、なんせ兄上は新しい物好きだからね。』
『そうなんですね。』
なんとかごまかせたようだ。
『とりあえず兄上には近づかないように、いいね?』
『...はい、気をつけます。』
『じゃあ僕は失礼するよ、風引く前に服を着替え直したほうがいい。あとこれ、新しい制御ブレスレット。もし誰かが細工しようとしたら僕のかけた魔法が発動して水の中に閉じ込められて息ができなくなるようにしたからもう大丈夫。』
そういうとケン王子は去っていった。
ケン王子が出て行ったあと二人は服を着替えた。
『サラ、寒いからココアを作ってくるね!サラもいる?』
『うん、お願い。』
ミナは部屋を後にしキッチンに向かう前にテレパシーである人物にメッセージを送った。本当はこんなことミナはやりたくない、だけど家族を救うために。
ある人物とはそう、カイ王子に。
『カイ王子、どうやらサラは誰かによって記憶操作の処置がなされているようです。』
カイ王子はそのメッセージを受け取るのと同時に誰かに後ろから話しかけられた。
『兄上!』
この生意気な声と態度はケンだな。さては僕がブレスレットに細工したことに気付いたか。
『どうした、弟よ。そんなに声を張り上げて?』
『兄上がサラのブレスレットに細工しましたね?なんでそんなことを?おかげで学校内が大変なことに。』
『君は一体どっちの味方なんだ?』
その質問にケン王子は答えられなかった。




