夢の中の魔女 その1
ほんと自分が嫌になる。サラは自己嫌悪に陥っていた。
サラは自分がクラスの皆に迷惑をかけてしまったことを引きずっていた。ミナに連れられ教室をあとにしてしまった。皆に明日ちゃんと謝らないと。どうしよ、謝っても許してもらえなかったら。
そもそもなんで自分がこんな目に。普通な魔法無しの生活に戻りたい。ママに会いたいなそんなことを考えながらベッドでコロコロしているとベッドの隣のサイドテーブルにサラは手首をぶつけてしまった。それと同時に何か壊れる音がした。そしてサラは意識を失った。
サラが目を開くとそこはよく知っている場所だった。そうサラの家のリビングだ。あれ、なんで私自分の家に?そんな事を考えていると母ミランダがキッチンからサラの方に向かって歩いてきた
『サラ、ねえ一緒にお花のブーケをお店用に作らない?』
『...。うん、作る。』
サラは何が起こっているのか全く理解できていなかったが、自分の母親に会えたことをとても嬉しく感じ考えるのは後回しにした。
『ねえママ、サラのこと好き?』
『急に何を言い出すの?もちろんサラ、あなたのことを世界で一番愛してるわ。』
その言葉はサラにとってとても嬉しいものだった。
『ママ、私もママのことが世界一大好き!!』
気づくとテーブルの上にはたくさんのブーケが積み上げられていた。これからもずっとママとこんな生活がしたいな、魔法とかアンダーワールドとか選ばれしものだとか自分にとってはどうでもいいことなのに。ふとサラはなぜも自分が魔法が使えるのか気になった。そういえば初めて魔法が使えるようになった日、急に魔法学校に連行されちゃったからママからなんで魔法が使えるのか聞いてないや、もしかして今がチャンスかも。
『ねえ、ママ一つ聞きたいことがあるんだけど?』
『急にどうしたの、真剣な顔をして。』
『なんで私って魔法が使えるの?なんか知ってる?』」
『何?魔法?そんな言葉聞いたことないけど。』
『え!?』
サラは考えた、必死に考えを巡らせた。そういえばミナが自分を寮まで送ってくれてその後ベッドの上でコロコロして。そういえば普通な魔法無しの生活に戻りたい。ママに会いたいって考えてたけど、でもブレスレットをしていたはずなのに。一体どういう事!?でも、もしここが魔法なしの世界ならママと一緒に今まで通り暮らせる。サラにとってこの状況は決して悪くなかった、なんせ自分にとって好都合な環境だったからだ、魔法から離れられるそんな環境。だから心の底からずっとここに居たいと思った。
『ママ、少し疲れちゃったから外に気分転換にでも行ってきていい?』
『もちろん、でも日が沈む前には危ないから帰って来てね。』
サラはブリンデル王国の中心に位置するウェスリアンの方面に向かって歩くことにした。サラの家はウェスリアンの隣、ダーラナという場所に位置する。すぐ隣に位置するので歩いて大体30分ぐらいの距離である。
ウェスリアンまでの道中サラは今起こっている事をもう一度落ち着いて整理することにした。
今起こっていることはきっと全部私の魔法のせいよね?そういえばよく思い返せばサイドテーブルに手首をぶつけたとき何かが割れるような音が...。もしかしてその時ブレスレットが壊れたってこと?じゃあきっと、元に戻るためには念じればいいよね...。でももう少しだけこの世界を楽しもうかな。気づくとサラはウェスリアンの商店街に到着していた。たくさんの人で賑わっていた。
『よく小さいときにママと来たな。』
サラが小さい時サラの母ミランダはよくサラをこの商店街に連れてきていた。当時ミランダの知り合いがこの辺に住んでいたからだ。そういえばママの知り合いってどんな人だっけ?あれ、思い出せないな。サラは記憶力には長けている。一度会った人の名前や顔ははっきり覚えられるタイプだ。まあすごく小さい時だったから覚えてないのかな?サラはそう考えあまり気に止めなかった。サラは人混みを抜け誰も人がいない広場に出た。ここはサラのお気に入りの場所だ。疲れたときや考え事をしたいときにサラはよくここに来ていた。
『私は一体どうしたいのかわからないな。』
サラはただただ疲れていた。だから近づいてきた人物に全く気が付かなかった。その人物がサラの背後からサラの方に触れた。
『過去を思い出せ。』
その人物はそう呟くと去っていった。
何だったんだろう今の?過去とは?まあ考えても仕方ない。きっとこの世界は本物じゃないんだし。そうこの世界は偽りの世界、ここにいるママもきっと本物じゃない。よし、気分転換にはなったし元の世界に戻りますか。
サラは願った、元の世界に戻してと。だが目を開けてもなんの変化もない。あれ、なんで?何で元に戻れないの!?
もしかしてここは魔法がない世界だから、私も魔法がないってこと!?じゃあ一生元に戻れないじゃん。あーん、私のバカー!サラは感情を抑えきれなくなってしまった。




