目覚めた魔女 エピローグ
ここはブリンデル王国。この世界では【魔法】というモノが存在する。しかし誰でも使えるわけではない。言い伝えによると魔法の起源は数百年前まで遡る。当時この国では大災難が起きていた。国全体が火に包まれてしまったのだ。一体どのように火に包まれてしまったのか誰もわからなかった、考えている余裕何て誰一人なかったのだ。そんな中一人の少女レナが神様に願ったのだ。
『神様、どうかこの国を助けるための力をください。』
次の瞬間レナは不思議な声を聞いた。
『我、アークなり。お主の願いを叶えてやろう。人間に力を与えてやろう。来たり時に備えるのだ。秀でた力を持つものがこの国を救うだろう。』
それは馬にツノが生えた生き物、ユニコーンであった。レナは来たり時とはと疑問に思ったが口に出さなかった。すると次の瞬間雨が空から降ってきたのである。レナを含め当時外にいて雨に濡れてしまった人に不思議な力が宿ったのだ。それが魔法である、とは言っても当時の魔法はただけ念じるだけの物だった。彼らは魔法を使って国を救ったのであった。魔法が使えるようになった者たちは魔法の向上を目指した。そしてこの頃から人々は魔法が使える人とそうでないものを区別するようになったのだ。魔法が使える人たちは崇められ、魔法貴族と呼ばれるようになった。これが何百年もの間伝えられてきた言い伝えである。
時は今現在、この国はスコット一族によって治められている。王であるキーランド・スコット、第一王子カイ・スコット、第二王子ケン・スコットそして彼らの母である妃ミラ・スコットだ。もちろん彼らは魔法が使える魔法貴族である。隣国とは敵対関係にあるもののブリンデル王国は豊かな国であった。魔法貴族も非貴族も特に仲違いすることもなかった。魔法を使えるものたちが魔法を使って国に貢献し非貴族はその行為に対して感謝しているからだ。
そんな国に生まれた一人の少女がいた。名をサラ・クラークという。サラは魔法が使えない家系に生まれた。仮に先祖に魔法が使えるものがいたとしても5歳後ごろまでには魔法が宿る。しかしサラはもう15である。サラにとって魔法は無縁なはずだった、今日までは。