モテ男から告白されました。でも断る!
私、男爵令嬢のファムファと申します。
貴族の端くれとして王立アカデミーに通っていますが、そこでのポジションは『その他大勢の中の1人』です。
実年齢よりも幼く見える童顔におさげ髪と、起伏に乏しい体型。成績も精々が上の下程度。
家柄もパッとせず、趣味も読書とこれまた地味。ちなみに友人からは「文学少女っぽい」と言われています。なんですか、ぽいって。普通の文学少女ですけど。
そんなわけで、謙虚に日々を生きていたんですが、本日、生徒会長である伯爵令息のオーム様から生徒会室に呼び出しを受けてしまいました。
あれ、私なんかやっちゃいました?
いや、そんな事はないはず……
「ファムファ、僕と付き合ってくれないか」
「……は?」
これは所謂ドッキリというやつでしょうか?
しかし、周りに隠れている人はいなさそうですね。あと、オーム様って人を貶めるような真似をする方でもないはず。
「本気ですか?」
「勿論だとも」
「わかりました、ごめんなさい」
「……はい?」
どうしたんですか、鳩が豆鉄炮食らったような顔をして。
「もしかして断られるとは全く思ってなかったんですか?」
「あー……うん」
凄い自信ですね。でもまあ、オーム様はお顔も良く『アカデミーで結婚したい令息No.1』と噂になっている方だし、そんなものなのかもしれません。
気持ちはわかります。
実は私も告白されてちょっとキュンとしましたし、個人的な事情がなければ二つ返事でOKしていたとおもいますから。
だが断る。
というのもですね、私……実は大金持ちになりたいんです。
実家は代々清貧な暮らしをしておりますが、せっかくの一度きりの人生、もう少し派手に、ドカンと楽しく生きたいなぁ、なんて。
え、文学少女の割に野心的だなって?
やだなあ読書好きなんて、内面は激情を秘めた人しかいませんよ。
だって愛憎劇や冒険物語を貪るように読む人種なんですから。ちなみに私のバイブルは、ヒロインが金の力で無双する系の物語です。
だから入学後しばらくは、官僚として出世しいずれは大臣にでもなってやろうと勉強を頑張っていたんですね。
でもある日父に言われました。卒業後官僚の試験に合格しても、性別と家格の問題で出世できる目は無いんですって。
なので現在、卒業後は、アパレル関係の事業主として頑張るか、良縁を見つけてお金持ちに嫁ぐことを考えています。
ちなみに前者が第一候補。今はその前段階として、ハンドメイドで小物を作って売るスモールビジネスをしています。
そして、ここからが重要なのですが、事業主と玉の輿、どちらにも大切なのは『他人からの好感度』です。
「すまないが、僕ではダメだった理由を教えてもらえないだろうか?」
「私、初めて付き合う相手を最後の相手にしたいと思っているんです」
なにせ、私が大金持ちになるプランBとして玉の輿を狙う場合、容姿を考えるとターゲット層は『男性経験のない女』を求める魔法使い予備軍の方やドロ沼恋愛に疲れた方になるでしょう。
つまり今交際することはマイナス。
驚いた顔をされるオームさま。
まあそうでしょうね。なにせ、結婚相手とは別に、学生時代は自由恋愛を楽しむと言うのがアカデミーの常識ですから。
貴族の結婚には様々なしがらみがありますからね。でも貴族の常識って、平民の非常識だったりもするんですよ。面白いですよね。
「それに、今は恋愛よりも優先したいことが沢山あるんです」
また、オーム様と交際したら私は顧客である女学生達から嫉妬されることもあるでしょう。
私が将来事業主になることを考えると、これまたマイナス。今のうちから彼女達とはいい関係を作っておきたいですからね。
「と、いう訳で今回はご縁がなかったという事で……あ、本日の件はどうか周囲にはご内密にお願いします」
嫉妬されたり噂になっちゃうと困りますからね。
私が。
◇
〜オーム・タアル伯爵令息視点〜
僕には早急に彼女を作るべき理由があった。
馬鹿げた話だが、『アカデミーで結婚したい令息No.1』なんて噂になっているせいで年配のサロメ・ルー女公爵からアプローチされたり、第三王子のジバゴ殿下から嫉妬されたりと心労が多いのだ。
サロメ様と面識は薄いんだけど、いわゆる『妖艶な美魔女』で、若い燕とのアバンチュールを楽しんでいる方らしい。
で、僕がアプローチされていることを知ったジバゴ殿下が「なんだそれは羨ましい!」とか「俺もおねショタされたい!」とか怒っているそうだ。
うーん、殿下とは趣味があわないなぁ。
僕は年上で豊満な女性って苦手なんだよね。極秘情報なんだけど、昔欲情したメイドに性的に喰われそうになったことがあったから。
あと、殿下「おねショタ」はないでしょうよ。僕達、もう17ですよ?
はあ……まあジバゴ殿下だしな。
王族なのに生徒会長に選ばれなかった方だし仕方ないか。
でも、目の仇にされるのは勘弁だ。王位継承はまずないとはいえ、仮にも相手は王族だし無下には出来ないんだから。
それを父上に相談したら「彼女を作ればいいんじゃないか」と言われた。
目からウロコだった。
そうか、確かに彼女がいれば、僕と結婚したいなんていう令嬢はいなくなるだろう。そしたら、サロメ様からアプローチされる事もジバゴ殿下に嫉妬される事もなくなる。万々歳だ。
それに僕だって年頃の男なんだから、所謂『恋人』って奴にも興味がない訳じゃないからね。
「ただ、今好きな女の子っていないんだよなぁ……」
そんなことを呟きながら廊下を歩いていると、同級生のファムファが周りの令嬢達から紙を回収しているのが見えた
「アンケートにご協力頂きありがとうございます。次の製品開発に反映させますね」
そんな事を言うファムファ。
なんだか気になって後で情報を集めてみたら、彼女はハンドメイド小物のスモールビジネスをはじめていて、将来的にはアパレル関係の事業を起こそうとしているらしい。
しっかりしてるなぁと思った。
そういえば今まであまり接点がなかったけれど、彼女は成績も良かったな。
僕にグイグイ話しかけてくる同世代の令嬢って、夢と恋と不安で世界が出来てる娘ばっかりだから、ファムファみたいに現実的な努力をしている娘って、なんだか新鮮だ。
その時ふと、父上から「彼女を作る際は、別れる時に拗れない相手かよく考えるんだぞ」って言われていた事を思い出した。
学生時代に自由恋愛する相手と結婚相手は別というのはアカデミーでは常識なんだけど、別れ話の段になってドロ沼になり……みたいな話が毎年春の季節報にみたいになっているもんな。
確か、家格が同じくらいだと特によく揉めるんだよね。「同格なんだから結婚してもいいじゃない」ってな具合で。
そう考えると、彼女にするにはファムファが最適な気がしてきた。
家格が離れているし、現実がよく見えている彼女なら別れ話で拗れることはなさそうだ。
それに努力家な面や可憐な容姿にも好感がもてる。恋をしているわけじゃないけれど、彼女とデートしたりするのは楽しそうだ。
もちろん学生の間はうんと大切にするつもりだし、彼女にとっても悪い話ではないんじゃないかな。
と思っていたのに、まさかフラれるとは思わなかったよ!
「私、初めて付き合う相手を最後の相手にしたいと思っているんです」
動揺して理由を聞いた際彼女が言ったセリフがこれだ。
ガンと、頭を殴られた様な衝撃を受けた。
学園に、こんな貞淑な娘がいたんだなぁって。
「それに、今は恋愛よりも優先したいことが沢山あるんです」
それに、やっぱり凄くしっかりしている。
「と、いう訳で今回はご縁がなかったという事で……あ、本日の件はどうか周囲にはご内密にお願いします」
このセリフは、僕に対する気遣いだろう。
僕に告白され、そして振ったと言う事実を自慢話にするつもりは無いと、彼女からお願いすると言う形で伝えてくれているのだ。
きっと、僕に恥をかかせることないように。
なんと奥ゆかしい……
どうしよう。
告白した当初、彼女に恋心があった訳じゃ無いんだけど、一連のやり取りを通して本当に好きになってしまった。
なんとか将来、彼女と結婚できないかな。
だって、フラれはしたけど生理的に無理とか言われた訳じゃないし、彼女の言葉の裏を返せば僕が『最初で最後の相手』になればいいってことだろ?
そうだ、彼女に事業援助を申し出てみようかな。
ほら、彼女の計画しているアパレルと僕の実家の綿花や裁縫事業って相性が良さそうだから。成功すれば我が家にとってもプラスになるし家格の差を埋める材料にもなる。
他に彼女と結婚できる根回しになりそうなことは......あ、そうだ。
僕が彼女に惚れているって言うのも、今日の件とは別に皆に伝えとこう。
他の男への牽制になるし、片思いしている相手がいるっていうのはサロメ様のアプローチやジバゴ殿下の嫉妬をかわす理由としても丁度良いもんね。
◇
〜ジバゴ第三王子視点〜
オームは余を差し置いて生徒会長になり、『結婚したい令息No.1』と噂にもなっている。
また美貌とグラマラスで有名なサロメ女公爵からアプローチなんかもされているときく。
くそ、羨ましい!
そんないけすかないオームだが、奴に最近、片思いの相手ができたらしい。
相手はファムファという、同級生の男爵令嬢。
とくに目立った点もなく容姿も童顔で平坦ボディのちんちくりんだ。
ふふん、女の趣味は余に軍配があがるな。
と、そこである案が閃いた。
ファムファという女、男からモテては来なかったはずだ。だってちんちくりんだし。
それで、彼女にアプローチし余に惚れさせれば、オームよりも余の方がいい男ということになるのではないだろうか……
うん、名案だな。まあ、それで告白されても付き合う気は無いがな。
「断る!身分差を考えるがいい……でいいか。振るときのセリフは」
いや、流石に感じ悪いか?悩ましい。
全く、モテる男は辛いものよ。
◇
オーム様からの告白をお断りしてから一月、周囲の私を見る目が変わったのを感じます。
微笑ましいものを見る眼差しが3割で、好奇や嫉妬混じりのものが7割という塩梅。
気になって仲の良い友達にきいてみたら、オーム様が私に惚れているとウワサになっているみたいで。
ちょっとオーム様、勘弁して下さいよ!
最近、スモールビジネスもコネ作りもどうも上手くいかないと思ったらそれが原因でしたか。
そんな感じで困っていると、ある日私がやろうとしている事業にオーム様が破格の条件で援助をしたいと申し出てきました。
将来、事業が成功すればタアル家にとってもプラスになるからだそうです。
どうやらオーム様は私の事業を高く買ってくれているご様子。
ビジネスコンセプトの『下級令嬢向けのニッチなニーズを安価で満たすアパレル』って言うのは、自分でもなかなかいい線いっていたと思いますしね。
あの日「なんでオーム様は私に告白を?つるぺたボディがお好きなのかしら?」なんて不敬なことを考えていたんですが、これが真相の様子。
つまり、『付き合おう』というのはビジネスパートナーとしてって意味で……
「え、ちょ。うわ恥っず」
思わず口に出してしまいました。
でも、どう考えてもアレは『愛の告白』みたいな紛らわしい言い方でした。勘違い系の物語なら絶対に引っかかるレベル。だから私、そんなに悪くないですよね。
なるほど、彼もその自覚はあったから、過日は「いや、愛の告白ではなくてねビジネスパートナーとしてね……」っていえず、日を改めて申し出てきたと。
しかも、私が誤解した内容をあえて噂にする事で自分と組むのが一番利益がある様な状況にして……
オーム様やってくれましたね......って気持ちは正直あります。
でもビジネスパートナーにするならこのくらい抜け目ない相手の方が頼もしいなという気持ちも大きい。
大きな商売って時には絡め手も必要といいますし、現在、私は大きな商売をするのに先立つものがないので、好条件でタアル家の援助を受けられるのは実にありがたいです。
と、言うわけで二つ返事でお受けして、オーム様とは時々ビジネスの話をする仲になりました。
望ましい結果です。
ただ、それを原因として二つほど面倒事が起きました。
一つ目は、なんか最近、やたらジバゴ殿下が絡んでくる事です。
「ファムファ。ちょっと茶に付き合え」
こんな感じて話しかけてきます。
殿下ったらグラマラスな年上がタイプと公言しているのに、なんで私をお茶になんて誘うでしょうね。
まあ大方、オーム様に嫉妬でもしていて共同事業計画について探りを入れたいとか、妨害でも考えているってところでしょう。まったく、王族なのに小物臭い。
ただ正直うざいけど、一応相手は王族なので無下にするわけにもいきません。正直、すごくうざいけど。
そしてもう一つ厄介な事があります。
「貴女がファムファちゃん?いい男2人を弄んでいるって噂になっていたからどんな娘かと思ってみたら、可愛らしくて驚いたわぁ」
どう言ったわけか、サロメ女公爵にお茶に誘われてしまったのです。今、テーブル越しに向かい合ってますけどプレッシャーを感じます。
サロメ様って私から見たら遥かに格上の存在です。
そして色んな産業に影響力を持つ方だから絶対に敵対したくないんですが、なんか凄い誤解をされているみたいですね。
とりあえずこちらのスタンスを表明し、現状把握に努めなくては。
「まず、私に関する事で不快な思いをさせてしまったのであれば謝罪いたします。申し訳ありませんでした」
「……あら、できた娘ねぇ。単刀直入に聞くけれど、貴女はオームちゃんかジバゴ様とお付き合いしているのかしら?」
「ビジネスパートナーとしてならば、オーム様とは良いお付き合いをさせて頂いている……と言えるかもしれません。」
「あら、そこに男女関係はないのかしら?」
あー、はいはいなるほど。
つまり若い燕を囲う事が好きなサロメ様はオーム様の事が気になっており、私の存在が邪魔になっていると。
うーん、正直オーム様は良いビジネスパートナーで、良き相談相手でもあるから、このまま良いお付き合いを続けたいんですよねぇ。
だから彼女に囲われちゃうのはちょっと困る。
あ、そうだ。ジバゴ殿下の方を彼女に押し付けるのはどうでしょうか。
私はウザ絡みが無くなって良し、サロメ様は若い男をゲットできて良し、ジバゴ殿下は好みの女性に遊んで貰えて良しの三方良しでは?
それと、どうせならこの機会に、サロメ様にも共同事業に一口噛まないかプレゼンもしてみましょう。
◇
〜サロメ女公爵視点〜
年配の夫を腹上死で失い事業を全相続して以来、若い子との情事はわたくしにとって趣味と実益を兼ねた活動なの。
なにせ若い子をメロメロにすると、色々と『お漏らし』してくれるのよ。可愛いわよねぇ。
亡き夫に悪いと思わないかって?
彼なら、草葉の陰で涙を流して喜んでいるんじゃないかしら。書斎に隠されていた御宝本のラインナップ的には。
そんな訳で最近は、見目麗しくて実家は綿花や裁縫事業に明るいオームちゃんを狙っていたんだけど、どうにも反応が良くなかったの。
それで気になって調べさせたら、ファムファちゃんって男爵令嬢に首ったけみたい。
わたくし、これでも若人の恋路を邪魔するつもりはないから、いつもならさっと身を引く案件ね。
でもそのファムファちゃん、オームちゃんから事業の援助をされていながらジバゴ殿下からもアプローチされているらしいの。
それで、私の敵になりそうな悪女かどうか見極めるために茶会に呼んでみたんだけど……悪意とは縁遠そうなお嬢さんだったわ。
でも、いい意味で面白い娘だった。
何せ第一声が「不快な思いをさせてしまったのであれば謝罪いたします」よ。
私の気持ちに寄り添う様でいて、具体的な行動の非は認めず情報収集に徹する。
そして、オームちゃんの代わりにジバゴ殿下を押し付けて、のみならず共同事業に一口噛まないかとプレゼンする彼女には私と同様に商才があるのがわかった。
だからわたくしも、将来有望な彼女の事業計画には喜んで一口噛ませてもらったわ。いわゆる青田買いという奴ね。
有力者同士でグループを作ってより豊かになっていくのが世の常だから、彼女に目をかけておくのはわたくしにとっても利のある事なのよ。彼女はそれくらいの有望株。
ただ一方で男女の機微には疎いみたいね。
オームちゃんの事業援助に恋心は全く絡んでないと思っているのよ。そんなはずないのにねぇ。
ただ、そこも逆に面白い。
彼女に首ったけなオームちゃんは少々不憫だけど、焦れったく甘酸っぱい恋をするのは若者の特権よ。
そして、それを見守りながら、面白がってニヨニヨするのは年長者の特権。
そうそう、ジバゴ殿下の事を言うのを忘れていたわ。
楽しく見守ると決めた二人の恋路を邪魔しない様に引き取ってみたら、とってもお馬鹿で可愛いの。王族だから、変なトラブル元にならないかって敬遠していたんだけど......もっと早く手出しすれば良かったって思っちゃうくらい。
可愛すぎて時にはついハードにいじめちゃったりもする。
そしたら王族のプライドも放り投げて、涙でぐしゃぐしゃになるの、とっても無様でそそるのよ。
◇
オーム様が私の作った小物を毎日身に着けるようになると、そのペア商品が飛ぶ様に売れる様になりました。
生産が追いつかず、嬉しい悲鳴の毎日です。
広告塔にもなる良きビジネスパートナーに恵まれたお陰で、スモールビジネスの収益も、未来の事業計画も、当初の予定よりもずっと順調な今日この頃。一度歯車が噛み合うと、トントン拍子にうまく行くと言うのは本当なんだなあって感じます。
うざったかったジバゴ殿下もサロメ様にメロメロになり、私の視界からはフェードアウトしました。
サロメ様って凄いんです。
初めは身構えていたんですが、よく働きよく遊び、しかもその間に恋愛まで楽しんじゃうという人生のお手本にしたい方でした。
まあ、私とオーム様の間にラブがあるんじゃないかって勘繰って面白がったりするところもあるんですけどね。
ないない、ないですよサロメ様。
オーム様が私に声をかけたのはビジネスパートナーとしてですもの。
でも、もし本当に彼が私の事を好きだとしたら……?なにせ私だって年頃の女の子、結婚に憧れる気持ちだってない訳じゃないですし恋愛小説も大好きです。
もしその相手がオーム様だったら……なんて言うのは流石に欲張りすぎでしょうか。
「なんて、そんな夢物語みたいな事いっている場合じゃないですね」
え、もしも今、誰かに愛の告白をされたら?
もちろん嬉しいですよ。でも、断る!
まず今はお金持ちになるためにがっつりと仕事仕事!
なにせ将来、どんな道を辿るとしてもがっつり稼ぐ力がある事は楽しい人生を過ごすのに絶対プラスになるはずですから。
あと、お金を稼ぐのって純粋に楽しいですしね。
でも、もし将来お金持ちになれたならその先は……ええ、サロメ様みたいに、よく遊んでよく働く合間に、『ちょっと恋愛をひとつまみ』とかあってもいいかもしれません。
何にしたって、せっかくの一度きりの人生、『派手にドカンと楽しく生きたいなぁ』って初志は貫徹しますよ私は。
だって私、そんな物語が大好きな文学少女ですからね!