問.男女間における友情は成立し得るのか
処女作です。拙い文ですがこの作品をよろしくお願いします
「───好きです。付き合ってください。」
答えは「成立しない。」
僕達は三年間の友情を「嘘」にした。
───遡ること三年前
僕たちが今よりもっと小さく、幼稚だった頃、僕は入学早々いじめられていた。理由としては姉の影響で趣味が女性よりだったことくらいしか挙げられない。理由なんて無い。なんとなく。だから擁護する人間がいればすぐに終わった。君だけが僕を守ってくれた。
それからと言うもの僕たちは同級生の隙を見て「日曜朝のアニメ」の話をするようになった。この話題に関しては彼女も話し相手に困っていたらしく、それはもう毎週のように語り合っていた。
そうして一年が経ち、二年生に。学年でもトップクラスき勉強ができる君はこの頃から受験を視野に入れていて、僕も勉強ができるようになった。僕ばかり教えてもらって申し訳ないなと思っていたら声に出してもないのに君は
「教えることは自分の理解にも繋がるから気にしないで大丈夫だよ」
と言ってくれた。
そしていつだったか同じクラスの人と話しているのを聞いてしまったので友情から発展するタイプの恋愛小説について聞いてみた。答えは「ナシ」だった。曰くそれは「友情を嘘に貶める最低の行為」だそうだ。
そしてまた一年が経ち、三年生。君のお陰で勉強も心配無い。受験を控える中でもでも僕たちは余裕を持てた。この頃だった。余裕があるからこそ気付いてしまった感情。僕はきっと君に恋をしている。しかしそんな僕に過去が襲い来る。
「友情を嘘に貶める最低の行為」
その人に近付くために話を合わせて、友情を育み騙してきた。誓ってそんなことはない。ない筈なのに僕は僕を信用できない。この想いに気付いてから丁度、君と予定がすれ違うことが多くなった。
君はたくさんの人に頼られるから僕なんかに構ってる暇はない。君は優しいからどんな人にでも同じ笑顔を向けられる。きっと君の前で口に出せばそんなことないと言って僕に予定を合わせてくれるだろう。いや、只の幻想かも知れない。
そんな想いを抱えたまま受験本番。心にドス黒い感情を抱えていたが、二年生の時から積んできた実力は裏切らない。驚く程すらすら解けて結果が出る前から合格を確信していた。
受験が終わってからはこれまで以上に会う回数が増え、卒業までとても充実した日々を送ることができた。しかし、心にある恋情を消すことはできなかった。
そして迎えた卒業式当日。君は顔も整っているし頭も良いし声もよく通るし人当たりが良い。僕が一番知っている。式が終わったあとはたくさんの告白を捌くのだとか。本人曰く向けられた好意に対しては真摯に受け止めたいらしい。それじゃ叩き落としてるだけだろなんて軽口を叩いて式に臨む。
式を終え駐輪場で君を待っていた。スマホ持ち込みは不可と言われた筈なのに何故か生徒達の手元にはスマホが握られている。同級生と写真を撮る者、勇気を出して連絡先の交換を申し出る者、もっと思いきってストレートに告白する者。
───僕にそんな勇気はない。たくさんの人を見つめていると君が来た。
「ごめん遅れちゃって!」
全然大丈夫。だって君を待っているから。明日の合格発表でも学校に来て会うのにみんな大袈裟だなだとか春休みはどう過ごすかなんて話していると不意に今日どうしても伝えたいことがあると言われた。
大方高校でも仲良くしようだとかもし、万が一どちらかが高校に落ちていたらどうしようだとか当たり障りのない話だと思っていた。しかし違った。君は息を整え、大きく吸い込んで言った。
「───好きです。付き合ってください。」
一瞬思考がが止まった。絶対に君はそんなことはしないと思っていた。僕が言葉を失っていると、君は泣きそうな顔で続ける。
「あの時……話したこと覚えてる?」
覚えている。黙って頷いた。恐らく思い浮かべる言葉は一緒だろう。
「友情が嘘になる。友情を貶める最低の行為。」
僕たちが思っていたこの言葉は少なくとも一年前の時点では心の底から真実だと思っていた。
ここで告白を承諾すればあの言葉が、三年間紡いできた友情が、嘘になる。でも断って今までの関係に戻れたのなら、友情は永遠の真実となり、君の想いと僕の想いはなかったことになる。
どちらを取るか。その答えは───考えるより速く口を突いて出た。
「こちらこそよろしくお願いします。」
僕も君も驚いていた。でも欲には逆らえなかった。特別な関係でありたかった。君もそうだろ?
僕たちは三年間の友情を嘘に貶めた。しかし、一生の愛は真実と成った。
最後まで読んでいただきありがとうございます!




