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ドレスアップ

続いてやってきたドレスショップ。

エルヴィスはすごく入りづらそうにしていたけど、やっぱり私が率先して彼を導く。

いつかお店に入ることにも慣れてくれるよね……?


店内には豪華絢爛なドレスが所狭しと並んでいる。

輝くドレスやアクセサリーに、軽いめまいを覚えた。


「好きなだけ買っていい。とりあえずアフタヌーンドレス、イブニングドレス、カクテルドレスは買っておきたいな。令嬢の流行り廃れはわからんから、ディアナに選んでもらうか。それとも店員に聞くか……」


「好きなだけと言われましても……お気持ちは嬉しいのですが、逆に困ってしまいます。ええっとですね、エルヴィス。あなたにドレスを選んでいただこうと思うのです」


「お、俺にか……!?」


「はい。私もエルヴィスの礼服を選びますから。ダメ……でしょうか?」


「い、いや……ダメとは言わないが。俺はドレスのことなんて欠片もわからないし、壊滅的なセンスかもしれないぞ? ディアナには綺麗な服を着てもらいたいし……俺が選ぶのは気が引けるな」


「そんなことはありませんよ! エルヴィスに選んでもらったという事実が大事なのです」


必死な説得にエルヴィスは諦めたように首肯した。

流行のドレスはミレーヌから教えてもらっているし、それを彼にも伝えよう。


「ミレーヌさんからもらった流行のメモがあるんです。これ、参考にしてください」


「ありがとう。なるほど……今はこんなのが流行っているのか」


「それでは、ドレスを選び終わったら試着してみましょう! エルヴィスにぴったりのタキシードを選んできますね!」


私はさっそく店内をめぐり、エルヴィスに合いそうな服を探し始めた。


 ***


そして時が経ち。

私は試着室の中で感心していた。


エルヴィスのセンスは抜群だ……!

彼が選んでくれたのはリバーレースのドレス。

白を基調とした生地に、落ち着いた薄緑の紋様が幾重にも重なったアクセント。


試着してみると、すごくしっくりきた。

私がこんなにおしゃれなドレスを着られる日がくるなんて、夢にも思わなかった。

最後にルビーをあしらったネックレスをつける。


婚約者や夫婦間では、相手のイメージカラーを纏うことが多い。

私のドレスもまた、エルヴィスを想起させる赤と緑の色が印象に残る。


「ふふ……」


これは購入決定だ。

エルヴィスはセンスがないと自虐していたが、全然そんなことはなかった。

喜び躍る心を抑え、試着室から出る。


「その……どうだ。俺の選んだドレスは」


「はい、とってもすてき……っ!?」


試着室から出た瞬間、私の意識が固まった。

目の前には黒いフロックコートを着たエルヴィスの姿。

前面も背面も丈が長めの服が、背丈の長い彼によく似合っている。


これは似合うだろうなぁ……と想像しながら服を選んだけど。

私の想像以上を遥かに超えてきた……!


「ど、どうした。俺の着こなしは変か? 変だよな、そうか……」


「いえ、いえいえ! 全然変じゃありません! むしろお似合いすぎて言葉を失っていたといいますか……すばらしいです!」


「ほ、本当か? ありがとう……ディアナもすごく綺麗だよ。何を着ていても似合うが、より輝きが際立って見える」


「ふふ……ありがとうございます。今度夜会に行くときは、お互いが選んだ服を着ていきましょうね!」


こうして大切な人にドレスを選んでもらえる……そんな日々が夢みたい。

でも、これは夢じゃなくて現実。

私は幸福な現実を噛みしめて、エルヴィスに選んでもらったネックレスを握りしめた。

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