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もの凄い短いです。すみません。
ドレスを着たい、
スカートは穿きたい。
誰にも言わないが、それは俺の願いだ。
母親にいえばスカートは穿かせてもらえるだろう。だけど、一度穿いて女装扱いされてから、もう二度と穿きたくないと母親に言った。
男顔。
骨太の体。
せめて中性的な顔であればと思うが、俺は男顔だ。
不細工ではないけど。
普通の男顔。
俺はそんな「女の子の夢」を馬鹿みたいに抱きながら、見習いから一人前の調理人になる為に働いた。
一カ月後。
「あ!」
「うわ、何やってんだよ」
「すみません!」
「後始末は俺がするからお前は着替えてこいよ」
「そうします。ありがとうございます」
井戸から水を汲んでる途中、よろめいてしまって桶からかなりの水をこぼしてしまった。
床は拭いておくからとピーターに言われ部屋に向かう。部屋はピーターと同じで今のところ女だとバレていない。
部屋に戻って新しい服を引っ張り出して、濡れた服を脱ぐ。胸に巻いている布も濡れていたので取る。それで新しい布を手に取ったとき、
バンっという音と声がした。
「ピーター!」
「え?」
音は扉が開いたもの、声はリアム様だった。俺を凝視するリアム様。それからその顔が一気に赤く染まって、扉が勢いよく閉められた。
粗末なものを見られた!?
慌てて布を巻いて服を着る。部屋の外に出たがリアム様どころか、誰もいなかった。
やばいかな。
性別の事で嘘はついてない。だって調理見習いに性別は関係ない。募集にも指摘はなかったし、俺は別に自分が男だって言ってない。村の長の推薦状にも性別は書かれてない。長は性別に関係ない仕事を見つけれるようにって言ってたっけ。
だから女だってバレても大丈夫!
そう言い聞かせて、俺は厨房に戻る事にした。