陶器の指輪
冒険者ギルドのエルフ族の受付に、今日の採集品を渡す。
体力草が20本と、消毒草が10本に、今日もゴブリンを1体討伐した。
モデル体型のエルフ族の女性職員が、事務的な動作で、俺に1ギンコと20ドンコを渡してくれる。
「明日はダンジョンでアンデッドの討伐をして下さい。溢れ出る前に間引く必要があります。これは冒険者ギルドの強制指令です」
珍しく話かけてくるなと思ったら、こんな話か。
家を買う金を優先したから、装備が心もとない。ハッキリ言って安物なんだ。
嫌な予感がする。ギルドが用意する聖水が頼りだ。
今日のご飯も、固いパンと、肉煎餅だ。
何かの肉と固いパンを水で流し込んだら、少女の夢を見よう。
今日も何か変化があるかも知れない。
今日の少女は、昨日よりもっと濃くなった。
ピンク色の唇が、濡れたように瑞々(みずみず)しく光っている。
「キスしたい」
俺は少女の唇を奪いにいった。
少女は、慌てたように後ろに下がった。
あれ、動いたぞ。
「キスさせてくれないの」
少女は、困ったような顔で顔を赤らめている。
どうせ、突き抜けるんだけどな。
胸を触ろうとしても、後ろに下がる。
ワンピースの裾をめくろうとしても、後ろに下がる。
潜り込んで下着を見ようとしても、後ろに下がる。
遠くへは逃げはいが、後ろに下がってしまう。
これは困ったな。
「君、何とかならないか」
少女は、しばらく考えてから、ワンピースを手で掴んで裾を少し持ち上げた。
ほんの僅だ。膝小僧が見えただけだ。
「下着までとは言わないが、太ももまで頼むよ」
少女は、プルプルと頭を振って、顔は真っ赤だ。
「うーん、それじゃ。この寝台で一緒に寝てよ。添い寝だ」
少女は、しばらく考えてから、おずおずと寝台に横たわった。
乱れたワンピースの裾を慌てて直している。
少し鼻の上に皺が出来ている。寝台が臭いのだろう。
俺も少女の横に寝転んだ。
少女は、真っ赤な顔のまま、天井を見上げている。
「横を向いて、僕の顔を見てよ」
少女は、ぎこちなく横を向いて、僕の顔を見た。
「君は、とっても可愛いね」
少女は、恥ずかしそうに微笑んだ。
でも、このままじゃ目的が果たせない。
俺は、下着を脱いで、あそこを少女の目の前に持っていった。
少女は、慌てて両手で顔を覆う。でも、指の隙間から見ているのは知っている。
俺のあそこが大きくなると、少女の喉が動いた気がする。唾を飲み込んだのかな。
身体は震えているようにも見える。
少女は男性のあそこに興味があるのだろう。年頃だしな。
でも、少し怖いとも思っているのかな。
そんな、少女を見ていたら、限界が来て、少女の胸に汁がかかった。
少女は、吃驚したように胸を押さえて フッと消えた。
今日も満足だ。
でも、明日は嫌だな。
朝から、ダンジョンでアンデッドの討伐だ。
もうすでに、身体が怠い。肩に何かが乗っているように重い。
冒険者ギルド員たちが、5人づつのパーティーを組んで、洞窟に入っていく。
殿の僧侶が持っている聖水の樽が命綱だ。
アンデッドには、聖水で濡らした武器しか通用しない。
僕達のパーティーは、最初は順調だった。
ゴーストやスケルトンを次々に葬り去っていく。
運の良いことに、銅の宝箱も発見している。
しかし、間抜けな虎獣人がやってくれた。
力任せに聖水の樽にバスターソードを差し込んで、底をぶち壊してしまった。
パーティーは恐慌状態になって、皆一目散に出口を目指して、駆出した。
でも、俺は身体がだるくて、殿になってしまった。
それでも、重い体を引きずって出口を目指す。
スケルトンは足が遅いから逃げられるけど、ゴーストは空を飛ぶから逃げられない。
ゴーストに行く手を塞がれてしまった。
聖水が乾いた剣を振り回しても、ゴーストには何の効果もない。
もうダメかと思ったが、ゴーストをビンタする白い手が見えた。華奢な手だ。
それで、ゴーストは霧散して消えた。
その後も、白い手はビンタでゴーストを消し続けた。
俺は命からがら逃げ帰った。
パーティーメンバーは、俺の活躍で生き残れたと、銅の宝箱をくれた。
中には、陶器の指輪が入っていた。陶器? 子供の玩具だ。
中身がこれだから、俺にくれたんだな。
冒険者ギルドのエルフ族の受付に、強制指令の報酬を貰う。
胸が突き出たエルフ族の女性職員が、事務的な動作で、俺に50ドンコを渡してくれる。
「ダンジョンから直ぐに出たから、この報酬です。あるだけましです」
俺は悪くないのに、言葉が冷たいな。
身体の芯から疲れた。何かの肉と固いパンを今日は食べる気がしない。
もう寝て、少女に逢おう。
今日は話したいことがある。
今日の少女は、昨日よりもっと濃くなった。
もう、見た目は普通の人間と変わらない。
「今日は助けてくれて、ありがとう」
少女は、照れたような顔で、手を左右に振っている。
「お礼をしたいけど、何も無くてね。この玩具の指輪で良いかい」
少女は、うんうんと頷いて、とても嬉しそうだ。
俺に左手を差し出してきた。どういうことだ。
薬指を強調している。
ここに嵌めろということか。
指輪を薬指に嵌めようとしたが、落ちてしまう。
それはそうだな。
少女は、とても悲しそうな顔になって、今にも泣き出しそうだ。
指輪の、タンポポなのか、ヒマワリなのか、お日様みたいな絵柄をづっと見ている。
可哀そうだな。命の恩人だし、何とかしてあげたいな。
俺は自分のあそこと指輪を交互に指さした。
少女は、初め怒った顔していたが、何度も繰り返したら、分かったようだ。
複雑な顔をしている。
しばらく悩んでいたようだが、俺のあそこを見て、うんうんと頷いた。
俺は、下着を脱いで自慰を始めようとしたが、立たない。
それはそうだ。興奮する要素がない。
俺は、あそこと少女を交互に見た。
少女は、困ったような顔をしている。
俺は、脱いだ下着をもう一度履こうとした。
今日は怠いんだ。
少女は、慌てて手を振って、「待って」という意思表示をしてきた。
少女は、真っ赤な顔になって、ワンピースの裾を握った。
膝小僧まで引き上げて、俺を見る。
俺は頭を左右に振った。
少女は、俺を責めるように見ていたが、「ふうー」とため息をついたような感じで、目を伏せた。
少女は首まで真っ赤になっている。
太ももの半分くらいまで引き上げて、俺を見る。
白くて細い太ももだ。でも、肌は艶々しているし、触ったら柔らかそうだ。
俺のあそこは大きくなった。
でも、もう少し刺激が欲しい。
俺は「もっと上」と手振りで伝えた。
少女は、咎めるような目で俺を睨んできた。
全身が赤く羞恥に染まって、太ももがピンク色になっている。
少女は、ワンピースの裾を下着が見えるところまで引き上げた。
俺の方は見ないで俯いている。
恥ずかしいのだろう。
少女の下着は純白で、細かなレースの縁取りがある、可愛らしいものだ。
俺の手の動きは早くなって、白い汁を少女の下着に飛ばした。
少女は直ぐに裾を離して、顔を気持ち悪そうに歪めている。
「変な顔をしてても、君は可愛いな」
少女は、「ツン」っていう感じで顔を上にあげたまま、指輪を指した。
俺は指輪の内側に白い汁を塗った。
自分が出したものだが、ニュチャとして気持ち悪い。
少女が差し出している、左手の薬指に、指輪を嵌めた。
少女は、手をひらひらさせながら、うっとりと指輪を見ている。
しばらくすると、俺にお辞儀をして、すーと消えた。
身体全身が怠くて目が覚めた。
とても、起きられそうにない。ヤバイ感じだ。
今日は身体を休ませよう。そうするしかない。
夢か、意識が混濁しているのか、少女が寝台の横に立っている。
もう、現実の少女がいるとしか思えない。
でも、声を出す気力がもうない。
「辛いの。苦しいの」
声を出せるようになったのか。優し気な声だ。
返事をしようとしても、声が出せない。
「声が出せないの」
頷くのも辛い。僅かに頷くのが精一杯だ。
「あなたは、このままでは死ぬわ」
そうだろうな。
俺の夢か、意識はここで途切れたようだ。
次に夢か、意識が戻った時には、少女が横で添い寝をしていた。
「目が覚めたのね」
俺はもう僅かに頷くことも出来ない。
「これが最後の機会よ。白い汁を出しなさい」
今の俺では、とても無理だ。
「しょうがないわね」
少女が服を脱ぎだし始めた。顔は真っ赤に染まっている。
俺の横に赤い顔の真っ裸の少女がいる。手で胸と股間を隠しているのが、いじらしい。
細いけど、均整のとれた綺麗な裸だ。
「これで良いでしょう」
立つはずのない、俺のあそこが大きくなっている。
「やったわ」
でも、手も動かない。
「私に、こんなことをさせるなんて」
少女は、俺のズボンを脱がしながら、文句を呟いている。
文句が終わらないうちに、俺のあそこに、何か冷たい物が触れた。
陶器の冷たさが、熱を持った身体に心地良い。
少女が、俺のあそこを手でしごいてくれているようだ。
邪魔にならないよう、髪の毛を手で押さえている姿が、艶めかしい。
初めは冷たかった陶器が熱を帯びたのか、俺のあそこは、柔らかで温かいものに包まれた気がした。
俺は、白い汁を少女の手の中に放った。
いつ、どうして、放ったのかは分からない。もう、あまり感覚がないんだ。
少女は、顔をしかめながら、白い汁を自分の唇に塗っている。
そして、俺の頬に両手を添えて、軽くキスをした。
「さようなら、あなた。あなたは、生きるのよ。また、きっと逢えるわ」
「チン」と鳴った、陶器の指輪が落ちる音を残して、少女はすーと消えた。
俺の夢か、意識はここで途切れた。
次の日、俺は何事もなかったように起きられた。
身体はもう怠くなかった。
そして、もう少女の夢を見ることは出来なくなった。
[ 完 ]