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第七十一話【応接間での会話】

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  「ウルルルル………」


  「ドゥベコグ、このジョッキは素晴らしいだな」


  モルドを一口飲んだウェイランは、寒さを放っているジョッキを長い間に掲げていて、向かいのドゥベコグは考え込むような表情でウェイランを見つめた。


  たった今、ウェイランに大事な話があると聞いたドゥベコグは、すぐにウェイランを応接間に招き、水晶玉で作ったジョッキとモルドを取り出した。


  水晶玉はフェリ二ヤ氷原にしか存在しない鉱物の一種で、その特徴は周囲に冷気を絶え間なく放ることである。


  人間社会では、この鉱物は通常、食品が腐らないように保存するために使われる。もちろん、食品の保存だけでなく、グラスなどの容器にも使われる。水晶玉で作った容器は、中に入れた液体の温度を非常に低くするため、飲み物やドリンクを完璧な状態にすることができ、その味はすべての生き物を酔わせるほどである。


  「カハハぁぁ、ウェイラン、ジョッキの材料が水晶玉だ」


  「荒野にそんなものはないぞ」


  ドゥベコグは首を傾げ、大笑いした。


  笑いながら、ジョッキを手に取り、その中のモルドを大きく飲み干した。


  「ところで、お前は先、俺を闇影クランに参加させたいと言ったか?」


  「お前は何故、荒野の弱り竜に服従するとはな」


  「何故だ、ウェイラン?」


  ドゥベコグはジョッキを置くと、明るい笑顔は完全に消え、真剣な表情だけが残り、体は前傾し、ゴツゴツした顔がゆっくりとウェイランに近づいてきた。


  「見ての通り、俺は今フェリ二ヤにいる全てのアイスオーガを支配し、何百キロもの領土を占領している」


  「ここに、俺はこのすべてを支配する王だ」


  「なぜ、すべてを諦めて、あの若くて弱い黒竜の眷属にならなければならないのか?黒竜を選ぶなら、なぜもう一匹の成年青竜を選ばなかったのか?」


  「答えよ!ウェイラン!」


  ドゥベコグとウェイランは顔を見合わせながら、数え切れないほどの疑問が彼の口から一言ずつ出てきて言い続けた。


成年の青竜?

若くて弱い黒竜?


  「友よ、強力な成年竜である【ディープブルー】トリクシスは、アバドン様に殺されたのだ」


「そうだ、アバドン様はあの若い黒竜だ」


  ウェイランはドゥベコグの言葉を聞いて、やや困惑した表情を見せた、青竜?青竜はもうアバドン様に殺されたのでは?しかし、オーガやオークは常に素直で考えることが苦手なことは誰もが知っていることで、彼はすぐにすべての事実を話した。


  それはかなり正常で、何しろ、荒野とフェリ二ヤ氷原は、生き物が少なく、情報の伝達が非常に遅い場所だ。バミア王国が荒野の情報をいち早く入手できたのは、石火戦役に参加した兵士が命を懸けて、カランス町にその情報を持ち込んだからである。


  「カハハぁぁ」


「青年の黒竜が成年の青竜を殺した?馬鹿にするな」


「カマミール大陸では、黒竜が巨竜の中で最も弱いことを誰も知っている。ましてや、若い黒竜が成年の青竜を殺そうとしたなんて」


  ドゥベコグはまず大声で笑い、信じられないという表情でウェイランを見た。

  

  記録によると、現在の巨竜は七つの種類がある。土の魔法を得意とする土竜、水の魔法を得意とする青竜、火の魔法を得意とする火竜、風の魔法を得意とする緑竜、雷の魔法を得意とする紫竜、光の魔法を得意とする白竜、酸の魔法を得意とする黒竜、全ての属性の魔法に優れた金竜と銀竜である。


  遠い昔のことに、黒竜はもともと暗の魔法が使えたが、ある事件で古代の黒竜王が龍神を怒らせて黒竜一族に呪いをかけられ、それ以来黒竜一族は暗の魔法が使えなくなり、下位の酸の魔法しか使えなくなったという。


  竜が得意とする魔法の大半は七つの基本属性だが、黒竜の酸は?酸は、暗の魔法の下位、つまり、劣等品だ。


  当然、黒竜は、巨竜の中で最も弱い存在である。そして、青年竜が成年竜を殺そうとする? 成年竜はすでに魔法の能力を完全に備えており、まだ成長中の青年竜には到底及ばないから、なおさら無理な話だ。


  ウェイランは友人として言葉をかけただけで、相手を納得させられるほど自信がないのだ。相手に信じてもらうためには、信じてもらえるような証拠を出すしかない。


  例えば………


  ウェイランはジョッキを置くと、部屋の奥にいる部下たちのほうに顔を向けて、「持ち出せ」と指示した。


  ダンッ!


  その直後、四人の成年のオーガが、巨大な鉄の箱を担いで、それを地面に置いた。


  箱を開けると、様式や種類の異なる三つつの武器が置かれ、強力な魔力のゆらぎを放っている。。


  薄暗い応接間に、古くて精巧に作られた三つの武器が紫色の光を放ち、これが何を意味するのか、カマミール大陸にはわからない生き物はいない。


  三つのエピック級の武器だ。


  エピック級の武器は大きな富と力を表し、小さな町を買うのに十分な価値がある。


  エピック級の武器、どれも極めて希少な材料を用いて巨匠によって作られたもので、それぞれのエピック級の武器には何らかの特殊効果があり、上位の剣士が負けずに剣王と戦うことさえ可能になるのだ。


  「こ……こ………これは」


  ドゥベコグは箱の中の武器を見て、口を大きく開けて驚いている。


  「もう信じるか?ドゥベコグ」


  「これは青竜の宝物庫から取り出したエピック級の武器だ」


  ウェイランが言葉を終えると、ドゥベコグはたちまち不気味な沈黙に陥った。


  膠着状態の中で時間は静かに流れ、応接間の沈黙は恐ろしかった。


  「アバドン様は………言葉では言い表せないほどの力を持っている」


  「信じろ、ドゥベコグ、お前の野心はこの数百キロに限定されるべきではない………」


  ずっとしかめっ面をしている友人を見て、ウェイランは話しを続けた。


  「近年、千年もの間フェリ二ヤ氷原を支配してきた永遠の夜の都は、何が起こったのか知らないが、あの吸血鬼の王が時折フェリ二ヤの各地を徘徊していた」


  「彼に見られたら、これまで生き残る生物はなかった」


  「部下からの情報によると、数年前に永遠の夜の都の姫が家出したようだ」


  ドゥベコグはウェイランに語りかけるように、自嘲な気味に低い声で言った。


  「ならば、この機会に、お前の言った黒竜に会いに、荒野に一緒に行ってみよう」


  そして、何か重要な決断をしたかのように、その口調はほっとしたようになり、ゆっくりと言った。


  「俺を信じろ、これは最高の決断になるでしょう」


  二つの水晶玉ジョッキが空中で合わさった。


  「乾杯」


  「乾杯」

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