自称ヒロインと勘違いする女が多すぎてヤバすぎる。婚約破棄なんかしませんから!
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どこかの魔女が世の中の男女の仲を壊すのが楽しくて、魅了の腕輪やら指輪やらを露天で売り出したお陰で自称ヒロインが増えて困る。
俺は、俺達は婚約者を愛しているから、今に満足しているのだから、そっとしておいて欲しいんだ。
それなのに、王妃になりたいだの、主人公のヒロインは私なんだと、魔女の魅了魔道具を手にした女達は次から次へと言い寄って来る。
鬱陶しくて仕方ない。
同じ学園に通い俺と同じ境遇の者が4人いる。俺を含めてみんな生徒会の役員だ。
俺、アルフォンス・トルーシャ帝国皇太子。
シオン・アルガード公爵令息。
ロドルフォ・リュクサンドール公国王子。
パウロ・ニコライ侯爵令息。
皆それぞれ婚約者がいて、婚約者と恋愛中だ。
俺自身婚約者のマチルダを愛してるし、マチルダ以外の妻など考えれない!婚約破棄なんかするわけない!
最近は愛しのマチルダが悪役令嬢だ!とかイジメの首謀者とか謂れのない罪で断罪されそうになっている。
俺の愛しの人を断罪するなんて許さん!
「マチルダ様、どうしてそんなに意地悪するんですか!?私が何をしたって言うのですか?」
大きな目に涙を溜めて訴えてきた少女。
「何の事ですか?貴方どなた?」
急に現れた少女に戸惑うマチルダ。
「ほら、そうやって私の事知らないふりして虐めるんですね。私はヒロインのエミリーです。アルフォンス様は私の事を愛しているのですから、さっさと身を引いて下さい!!貴方は悪役令嬢なのでしょう!!」
語尾を強くマチルダに言い放つ。
「誰が誰を愛しているだって?」
マチルダの肩に手を置き少女を睨みつけた。
「アルフォンス様!私に会いに来てくれたんですね!」
睨まれても気にせず会話を続ける。
「俺は君を知らないし、俺が愛してるのはマチルダだ!君ではない!!
それになんでマチルダが悪役令嬢なんだ!訳が、分からん!」
そんな相手にイライラは限界に近づいていた。
「そんな!嘘です!私達あんなに愛し合ったのに!!」
エミリーは上目遣いで目に涙を溜め訴える。
「嘘を言うな!俺の素肌に触ったことがあるのも俺が触れた女性もマチルダだけだ!」
「ア、アルフォンス様!!」
マチルダはアルフォンスの爆弾発言に真っ赤になっていた。
「アルフォンス様!」
パリッン
名前を呼びながらアルフォンスに抱きつこうとしたエミリーの指輪が、アルフォンスに触れた途端砕け散った。
「え!?なんで??なんで指輪が???」
エミリーは座り込み壊れた指輪をただ見つめていた。
アルフォンスは皇族である。皇族には自身を守る為一人一人に魔法がかけられている。意に沿わない魔法を解除する上級魔法が。
エミリーの魅了がかけられた指輪はその為砕け散った。
♢♢♢♢♢♢♢♢
生徒会室で俺達は現状に頭を抱えていた。
「いったいいつまでこの状況が続くんだ!?」
「だよなぁ……」
「俺達も良い加減疲れたよ」
「俺はもう追いかけられる心配は無くなったよ」
「「「……!?なんでだ!?」」」
シオン・アルガード公爵令息に目を向け叫んだ。
「先日エミリアと入籍だけ済ませたんだよ。結婚式は準備出来次第だけどさ。
そしたら女どもが綺麗に引いていったよ」
シオンは嬉しそうに話した。
「そ、そんな手があったか……。」
「いいよなぁ。俺は式を上げなければ籍も入れられないからなぁ」
「僕もだよ。王族としての責任があるからね……」
「この状態をなんとか出来ないのか……」
「そういえば、北の森のドクシャ湖の側にある小さな家に光の魔女とクリスタルドラゴンの夫婦が住んでるって噂知ってるか?
その光の魔女は魔女の中でも実力はナンバーワンらしくて、他の魔女のどんな魔法も無効に出来るらしいんだ。
その魔女に頼めば魅了の指輪とか無効に出来るんじゃね?」
軽い口調でパウロが話した。
「「「行こう!」」」
次の日4人は早速魔女を訪ねた。
「すみませーん、誰か居ませんか?」
静まり返った小屋のドアを叩き声を掛けた。
静寂の中、頭の中で声がした。
「それぞれ覚悟があるなら1人ずつ扉に入りな。それぞれの試練をクリア出来たらお前達の願いを叶えてやるよ」
4人共躊躇せずドアに手を掛けた。
「はぁい。いらっしゃ〜い」
ドアを開けると超絶美女が居た。クラクラするくらい魅力的な妖艶な美女だ。
「私を気持ち良くさせてくれたら試験はクリアよ。ねぇ、早く抱きしめて!」
ベットの上でシーツに包まれた裸の美女が呼んでいた。
「ご、ごめん!俺にはマチルダしかいない!マチルダ以外は抱きしめたくない!」
断ってドアを閉めると
「アルフォンス様!」
マチルダが立っていた。
「マ、マチルダ?なんでここに?」
「アルフォンス様、いつものように私を抱いてください」
マチルダはアルフォンスに抱きついた。次の瞬間アルフォンスはマチルダから離れた。
「だ、誰だ?お前はマチルダじゃない!」
「アルフォンス様、どうされたのですか?
私の事嫌いになったのですか?」
マチルダは目に涙をいっぱい溜めてアルフォンスに近づいた。
「違う!声も姿もマチルダだが、マチルダじゃない!マチルダはもっと恥じらいがある!もっと可愛い!全てが違う!!
貴様は誰だ!!!」
目の前のマチルダがニヤリと笑ったかと思ったら、違う女性の声した。
「大変良く出来ました。花丸あげます」
周りが明るくなり4人が揃って立っていた。目の前にはクリスタルドラゴンと先程見た美女が立って居た。
「まさか4人ともクリアするとはねぇ。それぞれ恋人の事本当に愛してるのね」
目の前の美女は俺達を見て微笑んでいた。
「この魔石一個ずつあげるから持って帰りなさい。この魔石はダーリンの体の中で出来た魔石に私が魔法陣を刻んでるの。一国くらいの広さなら一個で十分魅了の魔法を無効にする効果はあるわよ」
「ありがとうございます!やったな皆!」
4人は喜びを隠せなかった。
「それから良い子達にはもう一つご褒美よ。
クリスタルドラゴンの加護の証のクリスタルよ。結婚指輪にでもしたらよいわ。
ダーリンから私の魅力に負けなかったご褒美だそうよ。ドラゴンの加護なんて滅多に貰えないんだから良かったわね」
「「「「あ、ありがとうございます!!!!」」」」
一同とんでも無いお宝を貰い恐縮していた。ドラゴンの加護など貰った者など、歴史的にも数人しかいないのに、4人に貰えるなど考えられない事だった。
それと同時に目の前の美女とドラゴンの仲睦まじい姿を見て自分達もああなりたいと、大好きな大切な人を頑張って幸せにしようとそれぞれ心に誓っていた。
その日から流行っていた魅了の魔力の効力も消え去り、皆平和な日々が続いていた。それぞれがドラゴンの加護を貰った事で、婚約者とも無事に結婚する事が決まり4組合同の結婚式をした。
光の魔女とクリスタルドラゴンにダメ元で招待状を持って行ったら快く承諾してくれ、結婚式を夫婦で祝福してくれた。
子供が生まれれば、光の魔女とクリスタルドラゴンに見せにいった。
それぞれの交流は絶えること無く、幸せに安寧に暮らしました。
ハッピーエンド
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