第八話 反乱
自己満小説を見て下さってありがとうございます!
まだまだ続くので何か有ればコメントお願いします。
第八話 反乱
〜1週間前の王都での出来事〜
「ここら辺で見た人がいるんだ探せ探せっ!おい、そっちにはいたかっ!?」
「いや、いません!」
「まだ王都を出ていないはずだっ!とにかく急いで探せ!」
「おい、そこの!」
「はい!」
「王都の全ての門は検問しているのか?」
「はい、4つの門全て検問中であります!」
「よし!後は、王都の隅から隅まで探し出すんだ!」
兵士達は財宝を盗んだ異世界人達を探していた。
その頃、盗んだ異世界人達は地下水道を通っていた。
真ん中に下水が流れているその横をリーダーらしき20代後半の男が先頭に立ち、その後を20代前半の男と女が財宝を抱えて歩いていた。
「あーあ、リーダーの次元バックいいよなぁー!国の金が全部入るってマジずるいよ!」
「仕方ないわよ。職業アイテムなんだから…その代わり攻撃はね…」
「そうだよな、リーダーって何で運び屋になったんだ?」
「…」
リーダーはそんな2人の話を無視して警戒しながら進んでいた。
「リーダー無視せずに返事してくれよ!この財宝はどうするんだ?それにここは兵士に見つからないよな?」
「そうよ、こんなにあるのはいいけど盗品って闇市にしか売れないし、ここは臭いわ!」
「はぁー、うるせぇーこれはそんな所に売るために盗んだんじゃねぇー!ごちゃごちゃ言ってると殺すぞ!」
「…」
「…」
2人はビクッと身体を硬直させて、口を紡いだ。
「そうやって黙って俺についてくればいいんだ。」
地下水道を歩いて1時間後、光が見えてきた。
「光が見えたわ。」
「リーダー、やっと出口だ!」
「分かってる、声が反響するから黙ってろ!」
地下水道を抜けると、森の中にある川に繋がっていた。
「ふぅ、やっと太陽が見えたな。お前らこれから取引相手と会いに行ってくるからここで待ってろ。」
「こんな事をさせる取引相手って誰かしら?」
「さぁね、僕は金が貰えたらそれでいいや。」
リーダーは、森の奥に一人で歩いて行った。
森の奥には木が生い茂っていて、今にでも源獣が飛び出してきそうな雰囲気をしていた。
「ちっ、歩きづれぇ。こっちか…」
少し歩くと、大きい岩が見えてきた。
近づいていくと、髑髏に似た目印が彫られていた。
「この目印、間違いない此処が待ち合わせ場所だな。」
…10分後
チリーン♪
鈴の音が鳴った。
「待たせたな…」
背後から声がする。
「来たか、約束通り依頼は達成した。金を寄越せ。」
リーダーが振り返ろうとするが身体が動かない。
「振り返るな…ずっと見ていたからな…全て知っている…それに主人から褒美を預かっている。」
金が入ってるであろう袋をリーダーの前へ放り投げる。
「へっ、悪いな。」
リーダーは、袋を取ろうとした瞬間…何かが腕に刺さった。
「うっ…何を…した…」
リーダーは金に貪欲な男であった為、いつもなら"見ていたなら何故お前がやらなかったんだ"という思考が過ぎるはずだが金に目が眩んで頭の中は金の事でいっぱいだった。
それ故に、予期せぬ事態にも対応が出来なかった。
「猛毒だ時期に死ぬ…お前らの役目は終わった…真実を知る者は消す…」
「ク…ソっ…」
それだけ言って、リーダーが死ぬのを確認すると後の二人の所に向かった。
「リーダー遅いなぁ、金を持って逃げたって事はないよな?」
「いや、リーダーならあり得るかもしれないわ。」
チリーン♪
「何!?」
音の鳴った直後、女は男の方に振り向いた。
すると、男の首から上が斜めに切断されてズレていく。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁーーー!」
女は何が起こったのか分からず、恐ろしさの余り財宝の袋を離し走り出した。
「面倒だな…」
依頼主の手先は木の枝から枝へと跳んで女を追いかける。
女は自分の能力を使い、森の中をひたすら走り回った。
女の能力は高速移動で5分間速度が上がる効果があった。
5分後…
「はぁ、はぁ、はぁ、」
5分間走り回って、さすがに体力が尽きてきて足が上がらなくなってきた頃、木の上で待っていた者がいた。
「そろそろか…」
木の上で見ていた依頼主の手下が女の前に飛び出した。
「おい…」
「きゃっ!何!?」
急に目の前に知らない男が現れて女は尻餅をついた。
「ここで死ぬか…俺について来るか…選べ…」
「急に何なの!?というかあなた誰?さっきの仲間の首を切ったのもあなた!?」
「そうだ…さぁ、選べ…」
「…」
「今、何を考えてるか俺には分かる…逃げたら殺す…」
「何なの!?選択肢一つしかないじゃない!」
「一つじゃない…死ぬという選択肢も与えてる…どうする…」
「はぁ…死ぬのは嫌だからついて行くわ。」
「懸命な判断だ…少しここで待ってろ…」
そう言うと、手下は木の上に跳んでどこかに行ってしまった。
「はぁー、最悪だわ…」
5分待っていると、手下が戻ってきた。
「終わった…ついてこい…」
手下の手にはリーダーの次元バックと盗ってきた財宝の袋2つを軽々と持っていた。
「それリーダーのバックと私達が盗んできた袋、どうする気?」
「お前には関係ない…ついて来る事だけ考えろ…」
「分かったわ…」
そして、手下と女は何処かに向かって森の中へ消えて行った。
その頃、王宮は…
「やばい、やばいぞ…あれが無くなったとすれば王としていや、人生終わりだ…」
トントンッ
ノックする音がした。
その音に王は仕事のスイッチに切り替えた。
「誰だ?」
「メイド長のザマスで御座います」
「どうかされましたか?」
「おぉ、メイド長か…王印を知らないか?確かここの机の中に鍵を閉めて置いといたんだが…」
「王印ってあの王印ですか?」
「あぁ、あの王印だ。」
「それは!!メイド達を呼んで私達も探します!」
「頼む!」
メイド長はメイド達を呼んで書斎の部屋を隅から隅まで探した。
「無いですね…」
「うむ、無いな…もしかしたら王の座を欲しがっている誰かの仕業かもしれんな…」
「もし、無いと知れ渡ったら陛下はどうなるんでしょうか?」
「あれはこの世に一つしかない代々受け継がれてきた王の為に作られた物…それを無くしたとなれば大罪。終身刑あるいは即死刑…わしに仕えているお主たちにも罪に課せられるかもしれん。」
「それは構いません。陛下が死ぬ時は私達メイドも一緒ですから!」
メイド長の言葉に他のメイド達も頷き合っている。
「すまんな…こうしてはおれん、妻と娘だけでも国外へ逃げさせなければ!メイド長、ヘレンとエレナを呼んでくれんか。」
「分かりました。呼んでまいります。」
2分後、メイド長は妻のヘレンと娘のエレナを呼んできた。
「あなた、どうしたのかしら?」
「お父様、どうしたのですか?」
2人は急に呼ばれた事に不思議に思っていた。
いままで急に呼び出された事がなかったから心の中で驚いていた。
「2人とも、落ち着いて聞くんだ。」
ヘレンは夫がおもむろに話しているを見て今までこんな風に話していることを見た事がなかったので何かあったのかと悟った。
「あなた、何かあったのね…」
「あぁ、王印が無くなった…メイド達と探したんだがな見つからなくてな、可能性があるとしたら何者かによって盗まれたのかもしれん。」
「王印が…それは、誰かがあなたを陥れてるかもしれないってことかしら?」
「そうだ、そんな事にお前達を巻き込みたくない…それに王印が無いとなれば罪に問われ他の王族から何をされるか分からない、特に弟とかな。だから国外へと逃げるんだ。」
「そんなあなた…」
「お父様と離れるなんて嫌です…」
「わしもお前達と離れたくないがお前達を救うにはこれしかないんだ。分かってくれ…」
「…」
「…」
「…分かりました。私も王の妻、娘と一緒に他国へ逃げましょう。」
「お母様!?」
「ヘレン…」
「エレナ、あなたももう18歳なんだから覚悟をしなさい!」
「…分かりましたお母様、私も覚悟を決めます。」
「2人ともすまんな。」
…
1日前の王都の出来事から1週間前と変更させて頂きました。