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Ep.0.5 異世界は、案外いい場所なのかもしれない


教室を出た瞬間、

教室側から、慌ただしくバタバタと走る音が聞こえる。

このパターンは、大体把握できている。

このまま、まっすぐ歩いていると後ろからぶつかられて、

「キモ」と、一言、言われる未来が俺には見えた。


だが、俺も、そんなに甘くない。

左足を右へスライドさせ

その足についてくように体をワンステップ。

そして左肩を、前に向けると、ぶつかられることは...



ドン!!



これだけ、道をあけわたしたのに

何故かぶつかられる。

メガネは飛ばされ

運動不足の俺は、簡単に地面に這いつくばってしまった。


「ごめんね! よそ見しててぶつかっちゃった! メガネ取るね」


よそ見してて? 絶対嘘だろ

躱したのにのに、ぶつかられるなんてわざととしか...

そいつは、メガネをもって、俺の側にやってきた


そのぶつかってきた奴は、表情から優しさが滲み出ている

アイドルみたいな顔立ち

ピンクの髪色が、このサイリウムみたいな頭の奴しかいないこの学校の中でも

やけに目立ち、肩下くらいまでの長さの毛先はしっかりと巻いてある。

元気そうな声で話かけてくる。


「あれ? 君」


そう言ってピンク頭の女の子は俺の手を掴んでまた走り出した。

妹以外の女の子に手を握られたのは

生まれて初めての事で三島君に話しかけられたことに続き、これまた舞い上がった。

しかし突然の事で嬉しさや下心よりも混乱が勝った。


なんで、俺、どこに連れていかれるの?


俺の腕を引っ張って走ってる女の子は

富士ヶふじがみね 美狐みこさんだ。

教室に入った時、ピンク色の髪色が気になって

自分の席を、確認する際に

名前を見てしまっていた。


「ちょっとー、どこいくの?」


後ろから、追いかけてくるショートカットの茶髪の女の子。

元々、運動部に所属していたのだろうか、

スカートの下にスパッツをチラつかせ

若干つり目な目と、アヒル口が特徴的な活発そうな子だ。

おそらく、富士ヶ嶺さんの友達なのだろう。


走りながら、富士ヶ嶺さんが叫ぶ。


「この男の子、磨けば光るよ! うちのサロンに連れていく!」


サロン?


「えぇ?! あんた、本当に勢いばっかりだね!」


富士ヶ嶺さんの友達が後を追いながら言う。


そして、到着したところは...


美容院!


サロンって、美容院の事だったんだ...

人生初美容院。

なぜ連れてこられたのかも

なぜこうなったのかも分からないまま、

富士ヶ嶺さんに引っ張られ店内へ押し込まれた。


「いらっしゃいませ」


イケメンと美女の店員に、囲まれる。


「あ。この男の子カットしてくれない?」


富士ヶ嶺さんが、そのイケメンと美女に言う。


「かしこまりました、では、美狐さんとあひるさんは、あちらのお席でお待ち下さい」


そう言って、俺は奥の部屋に連れていかれシャンプーをされた。

人にシャンプーされたのは、生まれて初めてだった。

すぐにでも寝れそうな心地よさだ。

うちの犬も月1回散髪に連れて行くがこんな気持ちなのだろうか。


気持ち悪いところないですか?とか、美狐さんのお友達ですか?とか

色々聞かれたが、あまり人と接するのが得意じゃない俺。

ましてや、初めて行く美容院の店員さんに、話しかけられても

そんな良い受けごたえができるはずもなく、ひたすら相槌と苦笑いしかできない。

シャンプーは終わり、やたらと豪華な席に案内された。

その席の両隣に富士ヶ嶺さんと、富士ヶ嶺さんの友達が座っている。

可愛い女の子二人に挟まれて嬉しい気持ちよりも俺はここにいていいのだろうかという気持ちになった。


「ごめんね、美狐が唐突に引っ張りまわして

 連れてきちゃって、びっくりしたよね

 私、進藤しんどう あひるよろしくね」


そう言ったのは、さっき後を追いかけてきた富士ヶ嶺さんの友達の茶髪ショートカットの女の子だ。


「あのさ、これ伊達眼鏡だよね?

 なんで伊達眼鏡してるのかわからないけど

 君、メガネしてない方がいいよ! 

 あと前髪も切って、長さも短くしたら

 結構良い感じになると思う!」


富士ヶ嶺さんが言った。


どうやら、富士ヶ嶺さんがここに連れてきてくれた理由は

俺に、幻想を抱いたかららしい。


「どんな感じの髪型にしましょうか?」


イケメンの美容師さんが、俺に尋ねてくる。

その問いに俺が答える前に富士ヶ嶺さんが、あれやこれやと指示を出していた。


俺はただ黙って切られてるだけだった。

その間、富士ヶ嶺さんと進藤さんの話を聞いているといろんな事がわかった。


まず、この美容院は富士ヶ嶺さんのお父さんの美容院らしい。

そして、進藤さんと富士ヶ嶺さんは幼馴染で、

二人とも学生時代は同じ高校のテニス部に所属していたようだ。

富士ヶ嶺さんは、破天荒。

進藤さんは、活発そして面食い。

そんなイメージが、俺の中で確立した。


切り終わり、鏡を見た俺は、驚きを隠せなかった。


「これが・・・俺?」


ネットで美容師を喜ばせる言葉にランクインされそうな

言葉が自然と出てきた。


前髪はすっきりと眉下くらいで整えられ、

全体的にふわっと立体感とボリュームを出され

アニメの主人公みたいな髪型になっていた。


それを見た富士ヶ嶺さんは

「やっぱり! 全然雰囲気違うし、かっこいいじゃん!」


そして、進藤さんは、少し顔を赤らめながら

「え...結構タイプかも...」

そう言った。


この二人は、褒め上手だな。

こういう人達が、美容師になって

男に変な理想を抱かせるのだろうと卑屈な俺は思った。


カット料金は、富士ヶ嶺さんのおかげで無料。

富士ヶ嶺さんと進藤さんとイケメン美容師に見送られ

俺は富士ヶ嶺さんの美容院をあとにした。


家に帰ると、凪咲が俺を見るなりコップを落とし驚いた。


「え?! 誰?! お兄?! うそ! 普通に一緒に歩いても恥ずかしくない

 感じになってんじゃん!」


まさかの妹も、褒め上手になっていた。

どうなってるんだ?と思ったが、

妹は嬉しそうに言った。


「これで、服装も変えたら、もっといい感じになりそう!」


「あら、それなら買ってらっしゃい、お金あげるから」

そう言って、母は、俺に3万円を授与した。


そこからは妹、凪咲の独擅場だ。

言われるがままに試着し、服を選び

もはや俺は着せ替え人形と化した。


見た目が完全に変わった俺、

鏡で見ると、これ結構イケメンなんじゃないか?と

自分でも思う。

美容学校に入ったのは、案外間違いではなかったのか?と思い始めた。


こうなると、俺が美容学校で生きて行くためには

ヲタクである事を絶対にバレてはいけない。

自分も、美容やファッショに興味があるフリをしなければならない。

それをこなす事ができれば、

俺にも、バラ色の学園生活がまっているのでは?

そんな、思いが俺の心を躍らせた。



次の日の学校では、

話した事ない人から話しかけられたりして

あれだけ俺の事を罵った猫屋敷さんでさえ、俺を見ても

何も罵倒しなくなった。

俺が今まで味わった事のない学園生活が幕を上げたような気がした。


そして俺の新しい学園生活が始まり2週間がたった。



授業は訳のわからない専門用語が飛び交い、

理解するまでには、多少時間がかかったが

2週間もあれば人は慣れるものだ。

同時にクラスの仲の良いグループも多少なり決まってきた。

クラスは、男3女7の割合くらいで、ハーレム気分も味わえる。

俺が所属してるグループは、富士ヶ嶺さんグループ。

メンバーは富士ヶ嶺さん、進藤さん、栗鼠さん、三島くん。

それと、猫屋敷...


2週間あればさすがに、このグループの人達の性格や性質も見えて来る。


猫屋敷はすぐ怒るが優しい時は、優しい。

所謂、ツンデレだろう。

家はあまり裕福ではないみたいで、A特待生は絶対条件だったみたいだ。

さらにかなり真面目だが、恐ろしいほど食いしん坊

そんなに食べて太らないのは、不思議で仕方ない。


富士ヶ嶺さんは、それと対照的だ。

父が、全国に180店舗構える大型サロンのオーナー

お嬢様で、B特待生。

誰にでも分け隔てなく話す富士ヶ嶺さんは、俺達のような人間には

オアシスのような存在。

苗字で呼ばれるのを嫌い、俺にも、美狐と呼ぶように言ってくる。

女の子を下の名前で呼び捨てにするのは、気分が良い。

しかし、美狐は、天真爛漫。

さらには、その天真爛漫さのせいで、たまにカオスを引き起こす。

そして、アホだ。


栗鼠さんは、いつも少し眠そうにしてる

眠そうな目というのが関係あるのかもしれないが、

この子は、機嫌の良し悪しで髪型が変わる。

わかりやすい人種。

この2週間でわかったことだが、

機嫌の良い時は、編み込んで後頭部あたりでとめている。

逆に悪い時は、ストレート。何もせずおろしているだけ...

この時の栗鼠さんは、氷のような感じで、少々怖い。

基本誰とも話してない時は、ヘッドホンで音楽を聴いている。

10-FEETとeveというバンドが好きだそうだ。

知らないけど。


進藤さんは、ミーハー。

流行りを常に追いかけている。タピオカばかりを飲んでるイメージ。

自分の事をお姉さんキャラだと誤認しているが、

少し天然要素があり、お姉さんキャラではない。

そして、あの髪を切った日から、

妙に俺に近づき、やたらとボディタッチが多い。

押しが強いタイプなのか、ただのビッチか。

俺にはよくわからないが、慣れてない俺は

触られるたびに、実は興奮している。

やたらと腕を組んでくる時に、胸があたる

興奮しない男子はいないだろう。

今は、美狐と同じような理由で、あひると呼んでいる。


三島君は最初に栗鼠さんから

聞いてはいたが、女装趣味がある男の子。

だが、恋愛対照は女。

わりといつもニコニコしていて、怒っているのが想像できない。

こういうタイプこそ、怒った時は怖いのだろう。

姉が3人いるらしく、女装趣味はそのせいもあるのかと俺は思っている。

俺の趣味と同じくらいかそれ以上、世間的には隠したい要素だと思うが、

三島君は、女装趣味を隠さない。

ちなみに三島君は学校に女装して来たことは、いまのところない。

俺は三島君のことも、現在は兎丸と呼んでいる。

兎丸は、俺のこと、蒼君そうくんと呼んでくる。


ここまでが、この2週間で俺が仕入れたグループの情報だ。

だが、俺はすごく恐れてる人がいる。


俺の右斜め前の席の犬飼いぬかい 聖夜せいや君だ。

話したことはないが、とにかく見た目が怖い。

金髪の短髪、額に古傷があり目つきが鋭く怖い。

身長も180cm半ばほどあり、常にイライラしてそうな顔をしてる。

B特待生らしいが、俺にとっては天敵。

楽しくなった学園生活をぶち壊すとしたら、

絶対こいつだ! と俺は常に警戒している。


この学校での1年間のスケジュールも概ねわかった。

5月に、オリエンテーション合宿キャンプ

7月に、最初のクラス対抗コンテスト

8月に全国理容美容デザイン技術大会

夏休みを挟み

9月に球技大会ビジュアルフェスティバル、学園祭みたいなやつだ

11月に球技大会

冬休みを終えたら

1月に男女別ファッションショー

がある。


最初に、待ち受けるのは

2泊3日のオリエンテーション合宿キャンプ

略してオリキャン


オリエンテーションスタッフ(オリスタ)の二年生も

同行して行う強化合宿らしいが、その実はただの遊びらしい。

楽しみ反面、俺の実態がバレないかと不安を抱えている。


「蒼太郎さぁ、なんでもできちゃうよねー」


俺に話しかけてきたのは、あひるだ。

最初と態度が全然違う。

俺のことを名前で呼ぶのはあひると、美狐と、兎丸、栗鼠さんだけだ。


「そうかぁ? 俺は普通にやってるだけなんだけど」


そう、実はプラモデルのおかげで

俺には、並外れた手先の器用さが備わっていた。

そのため、この学校で主に行われる国家資格に必要な3つの技術

・カット(髪の毛を切る技術)

・ワインディング(パーマをあてる技術)

・オールウェーブ(今では、国家試験以外ですることはない、ローションを用いた技術)

この3つは人並み以上にできるようになっていた。


「そうね。普通にやってるだけ、鼻の下伸ばして調子に乗ってる

 暇があるなら、もっと練習すれば?」


キツめの言い方をする猫屋敷。


「そうはいうけどね、蒼君そうくん

 猫屋敷さんには、敵わないにしても

 クラスで2・3番目に上手いと思うよ」


兎丸が俺のフォローをしてくれる。


「ソータロー、あんまり努力してないように見えるのにね」


相変わらずの小さい声で、栗鼠さんも、フォローしてくれる。


猫屋敷は俺を見て

「ま、その調子だと、そのうちみんなに追い抜かれるのが関の山ね」

と、少し罵る。


俺は、苦笑いしながら、ふと少し下を見ると

カバンに手作りで作ったような人形のキーホルダーが見えた。

それは、俺の好きな聖書バイブルに出てくるキャラに似ていた。


「ん? そのキーホルダーって...」


思わず口に出してしまった。


「あ?」


ふと、そのカバンの持ち主を見ると、よりにもよって犬飼聖夜だった。

キレた表情で振り向き、俺を座りながら見上げる。


やばい! 殺される!


「いや、あの、それ犬飼くんに似てるよね

 あはは。そういうキーホルダー俺も好きだな...」


少し声が震えてた気もするが、俺は必死に弁解しようとした。


「......」


何も言わずに、犬飼聖夜は、前を向いた。

なんとか、難を逃れたようだ...。

あんなヤンキーが、もってるキーホルダーが

俺の好きな聖書バイブルのキャラのわけがない。

自分の浅はかさを呪った。



その日の帰り道。

俺の運のなさが垣間見えた。

ゲームセンターの前で犬飼聖夜が、仲間のDQNを5匹ほど連れて立っていた。


げぇ! 絶対関わりたくない!


「お前、まじで勝てるとおもってんの?」

「こっちは5人、お前一人でどうこうできるとおもってんのかよ」


なにやら、その仲間に見えた5匹のDQNが、犬飼聖夜にくってかかってるように見えた。

犬の群れじゃなかったのか。

どう考えても同じ群れの仲間だろ?同類じゃん。


「さっさと来い、いちいちめんどくせぇ」


そういって、犬飼聖夜が、そのDQNたちを連れて行こうとしていた。

え?喧嘩するなら、たぶんここでするよね?

ゲームセンターの前で、移動するってことは

あ! これ、ゲームの話だ!

格闘ゲームかな?それなら俺も話ついていけるし

むしろいいところ見せれる!

犬飼はもしかして格ゲーヲタなのか?

格ゲーヲタってヤンキーもいたりするしな。


そうなれば、犬飼と仲良くなれるかもしれない。

俺のこともただの格ゲーヲタだと思ってくれるだろうし、

俺の秘密アニヲタがバレる可能性が減るのでは?

格ゲーヲタは別に恥ずかしくないだろ。

そんな策を0.5秒で考えた俺は犬飼とDQNたちに近づいた。


「あの、俺も混ぜてくれない?」


犬飼含む、他の5人もハァ?と言いたげに俺を見た。


「お前、こいつのツレか?しゃしゃりでてくんな」


5人のうちの一人が言った。

言ってることは、なかなか怖いが

所詮は、俺の得意なゲームの話。

まったく負ける気がしない。


「いやいや、俺こう見えて相当自信あるんだよ。

 なんなら、5ひ、5人まとめて相手にしても勝てるよ」


俺は、自信に満ち溢れた

微笑みを見せた。


少し、間をあけて


「ちっ、どうでもいい。次から気をつけろよ!」


そう言い放って、5匹は仲良くゲームセンターの中に入っていった。


ん? どういうことだろ

ゲームしないのかな? ついてこいって事かな?


「てめえ余計な事すんな。

 助けたつもりかしらないが、お前に助けられる理由も必要もねぇ。とっとと消えろ」


ちょっと仲良くなれるかもと

期待してたのに、そんなキレられると思っていなかった。

しかも助けるってなに?! 

言ってる事の意味もわからないし、怖い!

やっぱり、相見える事のない人種だ...


俺は、逃げるように帰宅した。


家に帰ってから思った。

猫屋敷が言ってたように

ちゃんと練習しないと、気づけば

みんなに追い抜かれてる、なんて事あるかもしれないよなぁ

よし、練習しよう!


カバンからウイッグを出したがローションでベタベタだった。


「・・・明日から本気だそう」


俺は、眠りについた。


⚫︎⚫︎⚫︎


「さぁ! みんな! 明日からオリエンテーション合宿キャンプ

わくわくドキドキがとまんない! 準備はできてるかぁぁ!!」

異常なテンションで牛込先生が、合いの手を求める。


「おおーー!」

これに合わせるのは、美狐と、兎丸だけ。


「2泊3日、一応強化合宿だけど

 みんな、美容学校に入って間がないし

 遊ぶも良し、恋するもよし、

 もっと、友達作って輪を広げるも良し!

 勿論、練習して、自分のレベルを上げるのもいいよ。

 とにかく、楽しいオリキャンにしよーー」


牛込先生は、完全に学生気分でテンションを上げている。


「なんか修学旅行みたいで楽しみだよねーわくわくすっぞ!」

美狐も、テンションが上がってる様子だ。


「俺は、あんまり友達と旅行とかしたことないから不安の方が多いなぁ」

俺がそう言うと、大きな目をパチクリさせながら

不思議そうに頭を傾げて、美狐は言った

「え?友達と旅行したことないの?」


しまった! ぼっち宣言してしまった!

焦って、言葉を付け加えた

「いやいや、あの、修学旅行とか

 学校の行事では、行ったことないってだけで

 いつも、そういう行事の時は、めんどくさくて

 さぼっちゃってたから、勿論、友達と普通に

 旅行とかなら、行ったことあるよ」


「そうだよね! びっくりしたぁ

 いきなりぼっちっぽいこと言うから

 びっくりだよー。蒼太郎くん人気ありそうだし

 そんなはずないよねー」


おい。ぼっちって言葉は俺には、禁句だぞ。と頭の中で叫んだ。

そもそも、お前が、俺の容姿をいじったから

こうなってるだけで、元は...

嫌な事思い出して、俺は勝手に落ち込んだ。


思えば、昔の俺では

今のこの俺の姿なんてまったく想像すらできなかった。



ーーーー翌日の朝ーーーー


「さぁ! みんなーーー!

 バスに乗り込んでーー

 出発するよーーー!」

昨日に続きテンションが上がったままの牛込先生。


俺にとっての初めての友達とのお泊り会。


オリエンテーション合宿キャンプ

開幕...


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