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95話 ハールのダンジョン③

ユージが触ってみたところ、やはり氷ではないようだ。何かは分からないが、これではナナが操ることが出来ない。


ナナのスキル≪水作成≫で作った氷とくっつけてしまってスキル≪水操作≫で一緒に移動出来ないかと考えたが、ナナが体から水分を奪う時は水分だけを動かしていたことを踏まえると難しいだろう。



「さて、どうするか……」


「私が待ってれば~解決~」



それが一番楽な方法だろうが、ユージはその選択はしたくなかった。



「出来るかもしれない方法を一つ思い付いたの。」


「本当か?」


「アイススライムは体の半分以上が一定の温度以下の時に変化するの。それならライムはテライムだから、細長い姿に変形してしまえばアイススライムにならずに済むの。」



確かにその条件ならば行ける。ツキがかもしれないと付け加えたのは、もし二階層が広大で三階層までが遠かった場合、ライムが届かないと考えたためだろう。ライムはテライムの時の体積までしか大きくなれない。でも、いくらでも細くなれるから問題ないだろう。


二階層に魔物はいなかった。ここまで寒いと魔物も生活出来ないのだ。


三階層までの距離はまあまああったが、ツキが心配していたことは全く問題なかった。そして、ツキのアイデアのお陰でライムがアイステライムにならずに済んだ。


「いや~行けたね~」


「えっ!?何だって!?」



三階層に急いで辿り着いたユージ達だったが、三階層の強風で全く会話が出来ない。声が風で遮られてしまっているのだ。飛ばされないようにと、ピィに飛ばしてもらった時と同じように手を繋ぐ。

ライムが小さくなっていた。風の当たる面積を減らすことで、飛ばされにくくしているのだ。そもそもライムが重すぎるお陰でライムは風の影響を受けないのだ。なのでライムから手を離す事さえしなければ飛ばされることはない。ライムを頑張って連れてきて正解だった。ライムが居なければ一歩も先へ進むことが出来ずにいただろう。


ダンジョンに入ってから大分時間が経っているが、なかなか休むことが出来る場所がない。諦めてユージ達は四階層へと続く階段を降りていく。

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