89話 アイテム②
今、リアの足は土を踏んでいる。予想通りうまく出る事が出来たようだ。これでリアも外へ一緒に行ける。
その日はリアと一緒に街を訪れた。リアが知っている街はずっと昔のものなのだ。変わっていないところもあれば、新しく出来て変わった所もあるのだろう。
ユージでもこの世界に来てからまだ一年も経っていないにもかかわらず、変化は感じる。ユージが魔王を討伐してからというもの、街は段々と発展していっている。
ユージとリアは買い物をし始めた。ななしの姉妹とツキ、ライムは家でゲームして遊んでいる。
「どっちの服がいいですかね?」
とリアが服を2着持ってユージに決めてもらおうとした時だった。
「どっちも買えばいいじゃないか。遠慮するな〜」
何てユージは答えたが返答が無かった。リアがいない。さっきまで話していたのだから、何処か行ってしまったわけがない。
ユージが店内を探し回る前にリアを見つける事が出来た。リアの側にはピィがいた。悪戯でリアを連れ去ったのだろう。ピィは笑っていた。ユージは目視できなかった事を悔しがる。そしてピィにデコピンしようとするが、勿論避けられてしまう。ユージの破壊力抜群のデコピンをピィに当てたとしても無傷だろうが、そもそも当てる事が出来ない。
「ん?またリアがいない?でもピィはここにいるし。ピィ、今回はお前じゃないよな。」
「2回もやりませんよ〜あの子リアちゃんだったの!?」
昔の頃のリアをピィは知らないだろうから、分からなかったのも仕方ないだろう。いや、問題はそこじゃない!
ユージとピィは手分けして街の中を探すが中々見つからない。2人で手分けすればどれだけ細かくチェックしたとしても、ものの数分で見つけてしまえるだろうと考えていたが、見つからない。
リアが消えて探し始めてから少し経った頃、ユージはライムを見つけた。リアではなくライムだ。
「リアが家に突然出てきたから〜ユージに伝えにきた〜」
ピィを連れて家に帰ると元の幽霊の姿に戻ったリアがいた。どうやらスキル《変化》には時間制限があるようだ。リアはステータスを見る事が出来ないから、確認が出来ないが恐らくそうだろう。
「もしかしたらスキルのレベルがあるものかもしれません。今使えないところを踏まえると、恐らく1日一回限りでしょう。なので私は稲を育てます。あの程度なら私でも行けます。そこでレベルが上がったら、時間が増えて何処でも行けるようになるかもしれませんから。」
リアはそれでも満足そうだった。リアの手には2着の服がある。服ごと転送されてしまったようだ。その服は子供用の小さい服だ。リアはスキルを使用した時しか服を着る事がないから、子供用を選んだのだ。
ユージは次のアイテムを手に取る。




