80話 ロリリエールのダンジョン⑥
三階層にいる魔物はユージが倒せない為に、ツキにユージの血を吸わせてツキが応戦した。誘い込む魔物なので強くはなく、苦戦することはなかった。
四階層に降りると、変な光は無くなったため、シノがユージの目隠しを外す。ユージが疲れてしまったので、今日はここで休むことにした。出来ることなら魔物が弱い三階層で休みたいのだが、三階層は魔物よりもユージが手強い。なので、仕方なく四階層へと入ったところで休むことにした。四階層は魔物がいる気配は無く、ユージ達は不思議に思いながらも、一晩過ごすことにした。
今日もいつも通りの雑談なのだが、シノから話し始めた。なかなかシノから話し始める事はないので珍しいとユージは思っていた。
「魔物と……魔族の、違い……教えて?」
と、ツキに聞いてみていた。ユージも言われてみると分からないと思って、ツキの返答を待つ。
「魔物も魔族も、本質的には全く変わらないの。ただ、魔族が定めた魔族の言葉を話すことが出来て、魔族が選んだいくらかの種が、魔族として認められているの。」
「私は~テライムで~認知されてないから~魔物~」
「で、吸血鬼はその中に入っているから魔族と呼ばれるの。」
つまり、魔族側が勝手に線引きをしているだけか。
人間と白い人の違いも大差ない。人間の年寄りが白い人だと言われないのに、人間側にも、小さい頃から茶髪だったり金髪だったり、全て黒髪の人ではない。気力で決めていると言っても、何処からが白い人で、何処までが人間かと線引きしたのは人間であって、もともと線があったわけではない。
魔族や人間の考えに賛同できないユージは、ななしの姉妹を引き寄せていた。ユージは線引きしていなくとも、白い人という少し魔力が高いというだけの同族を追いやってしまったことへの責任を感じていた。それは、ななしの姉妹の故郷でも感じていたことだった。ユージは人間であるから、他人事ではないから。ななしの姉妹は笑って許してくれていた。それはユージを責めるべきではないから。ただ、
「それは良いけど!ここの階層に来てから、何でユージがおかしくなったのかについて教えて!」
「そっちを、優先。」
それについては、言い逃れしたいユージだった。そしていつものように、遅くまで、起きていたのだった。




